2026年10月18日発売新譜 《Stern’s Africa Archive Editions》 ザイコ、ショック・スターズなどで活躍した名シンガーたちが一堂に! 歌声とギターが鮮やかに交錯する、90年代コンゴ音楽の濃密な一枚!
英〈Stern’s Africa〉が残してきた重要作をあらためて紹介する《Stern’s Africa Archive Editions》。今回取り上げるのは、1994年に発表されたレ・シュペール・スターズ(Les Super Stars)の『マリー・モゼゲ』です。ビミ・オンバレ(Bimi Ombale)、デファオ・マトゥモナ(Defao Matumona)、マラージュ・デ・ルゲンド(Malage de Lugendo)、エンドー(Endho)という実力派シンガー4人に、名ギタリストのベニコ・ポポリポ(Beniko Popolipo)らが加わり、キンシャサのBobongoスタジオで録音された全5曲を収録。オリジナル・ライナーノーツでも、本作はキンシャサ発の“スーパー・セッション”として紹介されています。 その背景にあるのが、半世紀近くにわたって発展を続けてきたルンバ・コンゴレーズの豊かな歴史です。1940〜50年代のレオポルドヴィル(現キンシャサ)では、キューバ音楽からの影響を取り込みながら独自の都市音楽が形成され、50年代にはグラン・カレことジョゼフ・カバセレ率いるアフリカン・ジャズや、フランコ率いるOKジャズが台頭。ギターを中心としたアンサンブルと歌の掛け合いを発展させ、独立前後のコンゴを代表するサウンドを築き上げました。さらに1969年に登場したザイコ・ランガ=ランガは、若い世代ならではのリズム感覚とギターを前面に押し出したスタイルで新時代を切り開き、その系譜から80年代のランガ・ランガ・スターズやショック・スターズをはじめ、数多くの人気グループが生まれていきます。 本作に集まった4人の歌手も、まさにそうした流れの中で活動してきた面々です。ビミ・オンバレはザイコの重要メンバーとして活躍した歌手/作曲家。デファオは80年代にショック・スターズで人気を博し、91年には自身のビッグ・スターズを結成しました。マラージュ・デ・ルゲンドはフランコ率いるTPOKジャズとザイコ双方で活動した経歴を持ち、エンドーもザイコに在籍。異なる世代、異なるグループを経てきたシンガーたちの声が一堂に会するところに、本作ならではの面白さがあります。 演奏面で大きな役割を果たしているのがベニコ・ポポリポ。ヴィヴァ・ラ・ムジカ、ランガ・ランガ・スターズ、ザイコなどで腕を振るった名ギタリストで、本作ではギターに加えてプログラミングにも参加しています。また、プロデュースとプログラミングを担ったデネワデ(Denewade)は、5曲中4曲の作者にも名を連ねる本作の中心人物です。 全5曲はいずれも7〜9分前後の長尺。タイトル曲「Marie Mozege」をはじめ、複数の歌声が折り重なり、ギターが自在に絡みながら、じっくりと熱を高めていくコンゴ音楽ならではの醍醐味を存分に味わえます。90年代初頭には、パリをはじめ国外で制作されるコンゴ音楽も増え、洗練されたプロダクションが広がっていましたが、本作はキンシャサ録音ならではの歌とギターの存在感をしっかりと前面に押し出しています。発売当時の米国誌『CMJ New Music Report』でも、声とギター、リズムが重なり合う豊かなアンサンブルが高く評価されました。ルンバ・コンゴレーズからザイコ以降へと連なるキンシャサ音楽の系譜を、90年代の名手たちの競演を通して実感できる充実作といえるでしょう。 名門バンドを渡り歩いた歌手たちと名ギタリストが火花を散らす、90年代コンゴ音楽の醍醐味を凝縮した必聴盤です。
トラックリスト 1. Marie Mozege 2. Koko Ngoma 3. Le Stratege Atale B 4. Benata 5. Merlino Mbongo