ビートルズの初代ドラマーとして知られるピート・ベスト(1941- )。彼率いる〈ザ・ピート・ベスト・コンボ〉のオリジナル・レコードは、長年コレクターの間で高値で取引される〈激レア盤〉として知られています。しかし近年、その希少性とビートルズ前史としての重要性が再認識されるようになり、今回ついにアナログ・リイシューされることとなりました。ビートルズを解雇された男が英国を離れ、めげることなくアメリカの地でビートを刻み続けた、まさに青春の記録の一枚です。 1962年8月、ピート・ベストはビートルズがレコード・デビューを果たす直前に突然解雇。このことから、彼の存在は〈音楽史上最も不運なドラマー〉として語り継がれています。今回ご紹介する〈ザ・ピート・ベスト・コンボ〉は、ピートがビートルズ解雇後に率いていたマージービート/ロックバンドであり、1960年代中頃より、アメリカを拠点に活動を展開していました。 ビートルズ解雇後のピートは、一時期、地元リバプールの〈リー・カーティス&オールスターズ〉というバンドに加入。その後、フロントマンのリー・カーティスが脱退したことを機に、ピートをリーダーに据えた〈ピート・ベスト&オールスターズ〉、さらに4人編成の〈ザ・ピート・ベスト・フォー〉へと変化していきました。さらにその後、ブラスセクションなどを加えた5人編成のクインテット(のちに6人編成)となり、バンド名を〈ザ・ピート・ベスト・コンボ〉へと改名。主要メンバーはピート(ドラムズ)のほか、のちに音楽プロデューサーやソングライターとして成功するウェイン・ビカートン(ベース)とトニー・ワディントン(ギター)らも在籍していました。 同グループは、1950年代のロックンロールのカヴァーと、ビカートン、そしてワディントンが手がけたオリジナル楽曲を中心に演奏。荒削りながらもエネルギッシュなガレージロック調のサウンドと、ビートルズの影を追うようなマージービート・スタイルを、そのサウンドの特徴としていました。 本作は、そんなザ・ピート・ベスト・コンボの編集盤。1960年代半ば(主に1964〜66年)にアメリカ進出を果たした時代の貴重なスタジオ音源が集められており、当時のマージービートやガレージロックの熱気がストレートに伝わってくる一枚となっています。 主な収録は、ピートのドラムズをフィーチャーしたインストゥルメンタル・ナンバー「Pete's Theme」、中心メンバーであったウェイン・ビカートンとトニー・ワディントンが手がけた、キャッチーなオリジナル曲「The Way I Feel About You」、チャック・ベリーの代表曲で、ビートルズもカヴァーしたロックンロールの定番曲「Rock And Roll Music」など。「I Don't Know Why I Do It」や「She's Not The Only Girl In Town」などといった、当時のアメリカ市場を意識したポップかつダンサブルなガレージ・ロック・チューンも多数収録されています。1960年代の英国ロック〜ポップ・ファンの方、無論ビートルズ・ファンの方も是非お楽しみに。
トラックリスト A1. Pete's Theme A2. I'll Try Anyway A3. I Don't Know Why I Do It (I Just Do It) A4. She's Not The Only Girl In Town A5. More Than I Need Myself A6. I'll Have Everything Too B1. I'm Checking Out Now Babys B2. How'd You Get To Know Her Name B3. If You Can't Get Her B4. Rock And Roll Music B5. I Need Your Lovin' B6. The Way I Feel About You