音の「資料化、保存、普及」を通じ、人々が持つ文化的多様性や相違に対する理解/向上の促進を目指している米国の名門レーベル〈スミソニアン・フォークウェイズ〉。今回同レーベルよりご紹介するのは、〈ステレオ時代のベッシー・スミス〉とも称されたジャズ/ブルース/フォーク歌手:バーバラ・デインと、サイケデリック・ソウル・バンドとして60年代後半に注目を浴びたことでも知られるザ・チェンバーズ・ブラザーズによるコラボレーション作品です。 合衆国ミシガン州デトロイト出身の歌手/レコード・プロデューサー/政治活動家のバーバラ・デイン(1927- )。当時横行していた人種差別に対し幼少より疑念を抱いてきた彼女は、高校卒業を機に反人種差別運動/経済的正義を求めるデモに参加するようになりました。プロテスト・フォーク全盛期にはピート・シーガーらと活動を共にし、社会活動とブルース/フォークへの取り組みに没入。そんな中、1957年にブルース・アルバム“Trouble in Mind”を発表しました。このデビュー作品により、彼女は〈戦前クラシック・ブルースのリヴァイヴァリスト〉として注目を集めていきます。その後はルイ・アームストロングなどのジャズマンや伝説の社会派スタンダップ・コメディアン:レニー・ブルースらとも共演。その一方で、60年代の公民権運動・反戦運動の高まりと共に、プロテスト・フォーク・シンガーとしてのアイデンティティも確立していき、66年には革命後のキューバにおいて公演を行った最初の合衆国出身ミュージシャンとなりました。 そして本作における彼女のパートナー、1954年ロサンジェルスにおいてチェンバー4兄弟を中心に結成されたバンド:ザ・チェンバーズ・ブラザーズは、1968年にリリースした長尺シングル「タイム・ハズ・カム・トゥデイ」のヒットによって、サイケデリック・ロックと多様なSE、ゴスペル/ソウル/ブルース・サウンドを融合させた〈サイケデリック・ソウル・バンドのパイオニア〉として世に広く知られるようになりましたが、バンドがエレクトリック化される以前は、ゴスペル/フォーク・ミュージックをスペシャリティとし、ゴスペル・サーキット、コーヒー・ハウス、フォーク・クラブなどで活動を展開していました。60年代前半にはロサンゼルスの人気フォーク・クラブ:アッシュ・グローブの常連となり、ランブリン・ジャック・エリオット、レヴァランド・ゲイリー・デイヴィス、そしてバーバラ・デインなどと交流も深めていきます。そんな中バーバラは、フリーダム・ソングを演奏する際のパートナーとして、彼らの存在が最適であると直感。以降、バーバラとチェンバーズ・ブラザーズはタッグを組み、演奏活動やレコーディングを共にしていきます。 今回ご紹介するのは、そんな彼らが1966年にリリースした作品。この年は公民権運動の熱が非常に高まっていた時期に当たります。エレクトリック・ギター/ウォッシュタブ・ベース/アクースティック・ギター/ハーモニカ/ハンドクラップなどによって構築されたソウル、R&B、ブルース、ゴスペル、フォーク、カントリー・サウンドに、バーバラの力強いリード・ヴォーカル、チェンバーズ・ブラザーズの美しいハーモニーによるゴスペル・コーラスが編み込まれて行きます。収録はフォーク〜ブルース系SSW兼政治活動家:マルヴィナ・レイノルズ(1900-78)作による闘争の歌� ∧胴颪旅�人奴隷最古の音楽伝統を継承するジョージア・シー・アイランド・シンガーズから学んだスタイルに、バーバラが独自の解釈とアレンジを施した�△曚�、当時の社会/政治問題に対し、直接的に言及した力強いナンバーで構成。是非、お聴き逃しなく!
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. It Isn't Nice 2. You've Got To Reap What You Sow 3. You Can't Make It By Yourself 4. Pack Up Your Sorrows 5. I Am A Weary And A Lonesome Traveler 6. We'll Never Turn Back 7. Come By Here 8. Freedom Is A Constant Struggle 9. Go Tell It On The Mountain
2024年10月6日発売 BARBARA DANE & THE CHAMBERS BROTHERS / BARBARA DANE & THE CHAMBERS BROTHERS (CD-R)