『サントロフィ ジャパン・ツアー2024』(主催:MIN−ON、後援:駐日ガーナ共和国大使館)と銘打ち、この6月〜7月に国内14ホールを回るツアーが決定しているのが、ガーナ出身の若手ハイライフ・バンド《サントロフィ》です。そんな彼らの唯一のスタジオ・アルバム『アレイワ』は2020年にライス・レコードから国内発売したものの現在は在庫終了のため流通が滞っている状態でしたが、この機会に再プレスを行い、新価格にて同作を再発売することになりました。 * * サントロフィはガーナの首都アクラを拠点に、西アフリカ音楽の大きな屋台骨にひとつであるハイライフや、そこから発展したアフロビートをさらに現代化させたサウンドが魅力の大所帯若手グループ。エボ・テイラーやパット・トーマスといったハイライフ音楽家に強く影響を受けたサウンドに大きな特徴を持っていますが、それもそのはずで、リーダーでベーシストのエマニュエル・オフォリはエボ・テイラーやパット・トーマス率いるKwashibu Area Bandとプレイしたことのある実力派。まさにハイライフの申し子と言える彼らしく、そのスタイルは70年代のオールド・スタイルのギター・ハイライフから、ポリリズミックなビートが錯綜するハイライフ・ファンク、さらにいまや世界レヴェルで演奏されるようになったアフロビートまで、実に多彩なスタイルをバンドのレパートリに取り入れています。さらにその他のメンバーもアフリカの有名音楽家のバックを務めてきただけあり、その演奏力はかなり高いものを持っています。 そんな彼らのデビュー作が、2020年にドイツのOut Here Recが制作した本作『アレイワ』でした。ホーンズやパーカッションを加えた本格的なハイライフ〜アフロビートを、最高水準の演奏とファンキーなヴォーカルで聴かせる極上グルーヴが大変魅力的。時にポリリズミックなドラムズがリズムにテンションを与えて、スリリングに聴かせるあたりはジャズやファンクのファンの琴線にも触れそうです。ちなみにタイトルの“ALEWA”とはアクラで人気の黒白の縞模様を持つスイーツのことで、様々な出自の人々がその多様性を認め合い、愛と結束のある世界を築こうというメッセージになっているのだそうです。