ジョアン・ジルベルト、パーデン・パウエルと並び称されるブラジリアン・ギタリスト:ルイス・ボンファー(1922−2001)。1945年にデビューを果たした彼は、人気歌手ディック・ファルネイの作曲や伴奏で注目され、さらにジョビンやヴィニシウスらとともに名作映画『黒いオルフェ』のサウンドトラックを担当。特にボンファはそのタイトル・トラックの作曲者であったため、瞬く間に国際的な知名度を獲得しました。 そんなボンファーが1950年代の終わりにリオで録音(ナグラという当時最先端のテープレコーダーを使用)した音源が、当時アメリカのクック社よりLPで発売された『O Violao de Luiz Bonfa』(Cook 1134/1959年)という作品でした。そして同クック音源を所蔵するスミソニアン・フォークウェイズが、59年の作品に未発表音源14トラックを追加してCD化させたのが、この『ソロ・イン・リオ 1959』です。 タイトル通り、本作はボンファーのソロ・ギターがたっぷりと聞ける作品で、ピアノのストライド奏法を思わせるような弾き方(ベース・和音・メロディを同時の1本のギターで奏でる)による素晴らしいソロ・プレイを中心に、当時誕生したてだったボサ・ノーヴァに強く影響されたような弾き語りなども披露。そのほかディック・ファーニーのヒット曲のカヴァーやクラシック調の格式高いナンバーまで、変幻自在なサウンドを最小限の楽器と歌声だけで聞かせてくれます。 もちろんスミソニアン・フォークウェイズらしい丁寧な解説、そしてクレジットもしっかりと収録。1950年代のブラジル音楽の息吹がたっぷりと感じられる名作だといえます。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. Pernambuco 2. Night And Day 3. Shearing 4. Sambolero 5. Calypso Minor 6. Uma Prece (A Prayer) 7. Bonfabuloso 8. Quebra Mar (The Seawall) 9. Luzes Do Rio (Lights Of Rio) 10. Perdido De Amor (Lost In Love) 11. Manha De Carnaval 12. Amor Sem Adeus (Love Without Goodbye) 13. Variacoes Em Violao (Variations On Guitar) 14. Seringuerio 15. Chopin 16. Na Baixa do Sapateiro [In the Shoemaker's Hollow] 17. Murder 18. A Brazilian In New York 19. Prelude To Adventure In Space 20. Tenderly 21. Blue Madrid 22. Marcha Escocesa (Scottish March) 23. Fanfarra (Fanfare) 24. Samba De Orfeu 25. Manha De Carnava 26. Perdido De Amor 2 27. Sambolero 2 28. Qubra Mar 2 29. Seringueiro Excerpt 30. Seringueiro 2 31. Luzes De Rio 2