英国を拠点に活動するイライザ・マーシャル(Eliza Marshall)は、20年以上にわたり国際的な舞台で活躍してきたフルート奏者/作曲家。クラシックの厳格な訓練を基盤に、フォーク、ワールド、実験音楽を自在に横断してきました。そんな彼女の初のソロ・アルバム『エターナル・バース(Eternal Birth)』が、北欧デンマークを拠点に伝統音楽と現代的アプローチを結ぶ作品を発信してきたワールド専門レーベル《One World Records》より登場します。 イライザ・マーシャルはフォーク・スーパーグループ〈ラナグリ(Ranagri)〉の創設メンバーとして知られ、ピーター・ゲイブリエルのニュー・ブラッド・オーケストラの一員として世界各地をツアー。さらにスティーヴィー・ワンダー、ポール・マッカートニー、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、ファースト・エイド・キット、ザ・ホワイト・ストライプスらの録音に参加するなど、その活動はポップスから前衛まで幅広い支持を集めています。 また映画音楽の分野でも、ディズニー作品『ムファサ:ザ・ライオン・キング』、リドリー・スコット監督『プロメテウス』など主要作品のサウンドトラックでソリストを務め、ロイヤル・オペラ・ハウスでのバレエ『冬物語』世界初演ではインドの竹製横笛バーンスリーを携えオンステージ演奏を担当。ウィーン、ブリスベン、ハンブルクの歌劇場でも演奏を重ね、主要紙から五つ星評価を獲得しました。BBCコンサート・オーケストラとの共演や、自身が芸術監督を務める〈フリーダム・トゥ・ローム(Freedom To Roam)〉プロジェクトも高い評価を受けています。 そうした豊かな国際経験を経て完成した本作は、19世紀末から20世紀初頭に活躍した英国詩人トマス・ハーディ(Thomas Hardy)の生と死の循環を描いた詩「Transformations」に着想を得て制作されたもの。〈つながり〉〈祖先〉〈再生〉を主題に、生命の宿りから死に至るまでの循環を描きます。自然界を“祖先たちの記憶を宿す生きたアーカイヴ”として捉え、過去・現在・未来を結ぶ目に見えない絆を、壮大かつ繊細な音の物語として紡ぎ出しています。 サウンドはきわめて多層的かつシネマティック。フルート、ホイッスル、バーンスリーを軸に、スポークン・ワード、パーカッション、エレクトロニクスを重ね、クラシック、フォーク、ワールドの語法を横断します。プロデュースは、英国の権威ある作曲賞である《アイヴァー・ノヴェロ賞》の受賞歴を持つグレアム・プリース(Graeme Pleeth)。セネガルのパーカッション奏者アディ・チョウン(Ady Thioune)、ガンビアのコラ奏者アンスマナ・スソ(Ansumana Suso)ら国際色豊かな名手が参加し、アフリカとヨーロッパの響きが有機的に溶け合います。 スティーヴ・ライヒの構築性やポール・サイモンの越境感覚を想起させながらも、そこにあるのはあくまでマーシャル自身の確固たる作曲家としての声。内省と祝祭、祈りと躍動が同時に息づく『エターナル・バース』は、ジャンルを超えて響く普遍性を備えた一枚です。ワールド・ミュージックの現在形を探しているリスナーはもちろん、ピーター・ゲイブリエル周辺の作品やReal World系のサウンドを愛聴してきた方、映画音楽やアンビエント、現代クラシックに関心を持つ耳にも強く訴えかけることでしょう。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. THEY LISTEN 2. ROOTS ENTWINED 3. OUR TIMES 4. NEW BIRTH 5. LONELY OAK PART 1 6. ON AND ON 7. DUST TO DUST 8. INTERCONNECTED 9. LONELY OAK PART 2