2025年11月23日発売新譜 《UNESCO Collection of Traditional Musicシリーズ第23弾》 ド迫力の儀礼音楽から煌びやかな舞踏音楽に至るまで、メスティーソの伝統音楽をたっぷりと紹介
米国の名門レーベル:スミソニアン・フォークウェイズが所蔵する〈UNESCO Collection of Traditional Music〉は、世界70ヶ国以上で採集された民俗音楽のコレクション。シリーズ全127枚のアルバムから成りますが、アフリカ、アジア、オーストラリアおよびオセアニア、ヨーロッパ、北米、南米といったテーマの中でさらに細分化され、普段は耳にすることができない少数民族の歌声や、神秘的な器楽演奏などが数多収録されています。音源は1970年代から80年代にフィールド・レコーディングされたものが中心となりますが、いずれも資料価値が高い上に音質も大変に優れたものばかり。それらをより多くの人々にお楽しみいただくため、2024年5月より〈UNESCO Collection of Traditional Music〉のカタログから特に優れたものを厳選し、シリーズとして順次ご紹介させていただいております。第一弾『ピグミー〜アカ族の神秘の歌声』(サンビーニャ・インポート FLSI-31018)から始まった同シリーズ。今回その第23弾としてご紹介するのは『チリ〜メスティーソの伝統音楽』です。 南アメリカ大陸南西部、アンデス山脈西側に南北に細長く延びた国土を持つチリ共和国。モアイ像でお馴染みのイースター島をはじめとする5つの世界遺産を擁する同国は、鉱業(銅)/漁業(サーモンなど)/林業が経済基盤となるほか、農産物としては、ブドウ(ワイン)、レモンなどが大変美味しいことでも知られます。元来同国周辺地域には、先住民:マプチェ族やピクンチェ族などが居住していましたが、16世紀に西欧人が南米を侵攻したことによって、その大部分の領土はスペイン帝国に組み込まれることになりました。これをきっかけに、チリ先住民とスペイン人の文化的融合が起こり、メスティーソ文化(チリ先住民とスペイン人の混血文化)が誕生。その後19世紀に勃発したナポレオン戦争を発端に、南米では独立の機運が高まり、チリも1818年にスペインより独立を果たしますが、同地に根付いた混血文化とその伝統は、その後今日に至るまで脈々と受け継がれていくこととなりました。 そんなメスティーソの人々によって育まれ継承されてきた伝統音楽は、スペインの音楽文化とチリ先住民の音楽文化が鮮やかに融合した、大変にユニークなものであることが知られています。本作では、そんなメスティーソの伝統音楽を、儀礼音楽、そして娯楽音楽という2つのカテゴリーに分類して収録。男女ペアがハンカチを振りながら踊る6/8拍子の舞曲:サマクエカ、スペイン北部発祥の歌唱スタイル:トナーダといった彼らの代表的な音楽文化の紹介に加え、プリミティヴかつ勇猛果敢な太鼓演奏が鮮烈な印象を残す「Song of the Alfereces(旗手の歌)」〜「Dances of the Chinos(神や聖人に仕える人々の踊り)」などといった、地方特有の伝統音楽も収録されています。演奏に用いられている楽器も、24〜25本の弦からなるチリ先住民のギター:ギタロン・チレノ、先住民族マプチェ族がコロンブスのアメリカ大陸発見以前より継承してきた笛:ピフィルカなど、独創性の高いものが続々と登場。大迫力の儀礼音楽からギタロン・チレノのきらびやかな音色による美しい舞踏音楽に至るまで、メスティーソの人々の伝統音楽を包括的に楽しめる一枚となっています。なお、CD-R中に収められたPDF形式のライナーノーツには、各トラックの超詳細な解説が掲載されています。是非お楽しみに!
トラックリスト 1. Song of the Alfereces / Dances of the Chinos/Guillermo Villalon, Oscar Villalon Vicencio 2. Canto a lo Pueta / Versos por Historia/Manuel and Eduardo Ulloa 3. Danza/Daniel Hidalgo, Manuel Hidalgo 4. Lanchas/Daniel Hidalgo, Manuel Hidalgo 5. Cueca/Olga Guzman, Juan Negrete 6. Song of Delgadina/Gabriela Pizzaro 7. Tonada/Graciela Freire, Olga Freire
2025年11月23日発売 V.A. / CHILE: HISPANO-CHILEAN METISSE TRADITIONAL MUSIC