ケニアおよびエチオピアに住むハム系部族:カンバタ族の父と、エチオピアの主導民族:アムハラ族の母を持つエチオピア・アディスアベバ出身の女性SSW:メクリット・ハデロ(1980- )。そんな両親のもと米国で育った彼女は、名門イェール大学で政治学を学んだのち、活動拠点をサンフランシスコに定めました。以降は同地の活気あふれるアート・シーンの中で芸術活動に没頭。ソロ名義としてはこれまで4枚、ラッパー:ガブリエル・テオドロスとエチオピア系アメリカ人ヒップホップMC:バーントフェイスとのコラボレーション:CopperWire 名義では1枚のアルバムをリリースしていますが、特に2010年にリリースしたソロ・アルバム『On a Day Like This…』については、〈ニューヨーク・ジャズと西海岸のフォーク、そしてアフリカ音楽の華やかさが、その魅惑的な歌声によって結び付けられた傑作〉、〈ジャズ、エチオピア、サンフランシスコのアート・シーン、そして心の奥底にまで響きわたる詩情が融合した作品。聴くたびに頭の中に情景が浮かび上がってくる〉とメディアが称賛。また、歌手としての能力については〈軽快で官能的、スタッカートの効いたジャズ・キャットから甘美な歌鳥に至るまで自在に変身することができる彼女は、一行の詩の中において、儚さと力強さを同時に表現することが出来る〉、〈ミュージック・シーンにおける大人物になるだろう〉と絶賛しています。 ソロ・ワーク以外の活動では、人気ストリングス奏者:アンドリュー・バードからニューオーリンズの老舗ブラスバンド:プリザヴェーション・ホール・ジャズ・バンドに至るまで、多種多様なジャンルのアーティストたちとコラボレーションを重ねつつ、移民と音楽の交差点を探求するポッドキャスト・プログラムのホストなども担当。また、海外在住のエチオピア人で結成されたアーティスト集団〈アルバ・ミンチ・コレクティブ〉の創設者として、伝統音楽家/現代音楽家との活発なコラボレーションを通じ、祖国との絆を育むことに尽力しています。 そんな彼女の最新作『ア・ピース・オヴ・インフィニティ』では、伝統民謡を介し彼女のルーツであるエチオピア文化をディープに探求。歌詞の中の物語を通じ、同国における女性の立場や役割、重要性などから、全世界に共通する普遍的なテーマまでを紐解いていきます。メクリットは本作を制作するにあたり、様々な民謡をリサーチした上で選曲。歌詞についてはケンバタ語、アムハラ語、オロモ語といった複数の母国語、さらには英語で歌い、楽曲についてはエチオピア伝統音楽特有の響きやグルーヴ感をしっかりと踏襲しつつ、ニューヨークのジャズ・テイスト、西海岸のメロウなフォーク・テイストなども織り込んだ、洗練性高いモダン・アレンジを施しています。また、フィーチャリング・ゲストとしてハープ奏者:ブランディー・ヤンガーとフルート奏者:カミーユ・サーマンも参加。是非ご期待ください。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト 1. Ambassel 2. Tizita(Meklit featuring Brandee Younger) 3. Abebayehosh 4. Dale Shura 5. Geefata 6. Era Mela Mela 7. My Gold(Meklit featuring Camille Thurman) 8. Stars in a Wide Field 9. Lefeqer Enegeza