アメリカ合衆国東部アパラチア地方で継承されてきたスコットランド／アイルランド由来の伝承音楽をルーツに、1940年代半ばより発展した音楽ジャンル〈ブルーグラス〉。通常５〜６人のストリング・バンド・スタイルで編成され、アクースティック・ギター、フラット・マンドリン、フィドル、５弦バンジョウ、ウッドベースなどが、その主な使用楽器となります。楽曲の傾向としては、タイトでアップテンポなものが中心。速弾きを満載したエキサイティングなインストゥルメンタル・ブレイク（ソロ演奏）が、楽曲の随所に組み込まれており、これがブルーグラスにおける大きな見せどころ／聴かせどころの一つとなります。特に花形楽器であるバンジョウについては、右手の人差し指、中指、薬指（スリー・フィンガー・スタイル）を用いた高速ピッキング〈ブルーグラス・ロール奏法〉と、左手によるスライド／ハンマリング／プリング／チョーキングなどを巧みに組み合わせた超絶プレイなどが知られるところでしょう。 今回ご紹介するノースカロライナ州ハリス出身のブルーグラス／オールド・タイム・ミュージック・バンジョウ奏者：スナッフィー・ジェンキンス（1908-90）は、ブルーグラスにおけるスリー・フィンガー・バンジョウ・スタイルの先駆者であり、アール・スクラッグス（1924-2012）やドン・レノ（1927-84）といった後続の名手たちに強い影響を与えたことでも知られます。そんな彼はノースカロライナ州西部の小さな町、ハリスで誕生。音楽好き一家の末っ子として、幼い頃よりヴァイオリンとギター演奏に親しみました。そして1927年には、２人の仲間と共に演奏活動を開始。この頃よりバンジョウ演奏もスタートさせ、独自のスリー・フィンガー・スタイルを編み出しています。そして1930年代半頃、当時まだ若者だったアール・スクラッグスと出会い、彼のバンジョウ演奏技術の習得を手伝うことになりました。その後1937年、サウスカロライナ州に定住したスナッフィーは、地元のラジオ局WIS専属の小さなストリング・バンド：バイロン・パーカー＆ヒズ・マウンテニアーズ（オリジナル・バンド名：ジ・オールド・ハイアード・ハンド＆ヒズ・ヒルビリーズ・オヴ・レディオ・ステーションWIS, コロンビアS.C.）のメンバーとなりますが、スナッフィーのコミカルかつテクニカルな演奏が聴取者たちに大受けし、バンドは結成当初から大成功を収めることとなりました。 本作でスナッフィーのパートナーを務めているノースカロライナ出身のフィドル奏者：ホーマー・“パピー”・リー・シェリル（1915-2001）は、７歳からフィドル演奏を開始。カントリー・ミュージック・デュオ：ザ・ブルー・スカイ・ボーイズ（1935-75）をはじめとする一流カントリー・ミュージシャンたちとの共演を経たのち、1939年にマウンテニアーズを脱退したスナッフィーと共に、ブルーグラス／オールドタイム・ミュージック・バンド：ハイヤード・ハンズを結成しています。両名その後1990年までタッグチームを組み続け、まさに最高のコンビとして多くの名演を生み出しました。 本作は、そんな２人の息のあった演奏を心ゆくまで楽しむことができる一枚。「Watermelon Hangin' on the Vine」（� 砲箸い辰織屮襦璽哀薀后Ε淵鵐弌爾呂發舛蹐鵝▲献礇鵐襪鯆兇┐織凜．薀┘謄Ｋ�かな楽曲群も大きな魅力となっています。例えば、多くのアーティストたちが取り上げているカントリー・ナンバー�院⊂�粋なロカビリー・ナンバー�◆▲乾好撻覯山擇�らの影響を反映した�亜▲灰潺�ルなトーキング・ブルース�欧覆鼻�聴きどころ満載。スナッフィーのバンジョウ・テクニックについては��、�ぁ↓�、そしてメドレーの�Г覆匹任犬辰�りと楽しむことができます。また、��、��、��、��では、パピーの力強くしなやかなフィドル演奏が炸裂。ブルーグラス・ファン、オールド・タイム・ミュージック・ファンの方のみならず、幅広い層の音楽ファンの方々にお楽しみいただける内容となっています。是非、お楽しみに！
