新進気鋭アーティストたちによるモダンなハイブリッド・サウンドから秘境出身の少数民族たちによる伝統的なプリミティヴ・サウンドまで、世界津々浦々で活躍する様々なアーティストたちをピックアップし、これまで数多くの傑作アルバムを世に送り出してきた人気ワールド・ミュージック・レーベル〈WORLD MUSIC NETWORK〉。今回ご紹介する作品は、同社がこれまでに取り上げてきた世界の伝統音楽継承者たちとその作品にフォーカスを絞ったコンピレーション・アルバム『ザ・ラフ・ガイド・トゥ・ワールド・ミュージック・アンプラグド』です。
このアルバムに関して何よりも特筆すべき点は、アルバム全体を通して決して重複することのない、各収録アーティストたちの持つ多種多様な言語や伝統民俗楽器の響き、その土地にしか存在しない独特な旋律やビート、グルーヴ感など、音楽文化の鮮やかな相違が一聴して分かる面白さにあります。まず冒頭一組目はブルガリア、マケドニア、ロシアという、いわゆるスラヴ人たちの伝承曲を歌い継ぐ女性グループ〈ペルニカ・トリオ〉。ノスタルジックで心地よくもいにしえの異教の響きを感じさせる神秘的なサウンドが彼女たちの最大の特徴です。続いてインド古典音楽のニュー・マスターとして君臨するインディアン・スライド・ギターの名手:デバシシュ・バタチャルヤ、そして南アフリカ・ズールー人のダンス音楽〈マスカンダ〉の重鎮音楽家:シヤニ・ングコボと並びます。この他にも中国雲南省の辺境地に住む少数民族〈サニ族〉の伝統を世界に伝える音楽グループ〈マンフー〉や、キューバの伝統音楽:ソンの現在を代表するグループ〈シエラ・マエストラ〉、ヴォーカル、ダブルベース、ドラムにピアノというミニマルな編成で、マズルカやポロネーズなどのポーランドのフォーク・ミュージックを演奏する〈ホープツ・コントラ・バーシャ〉など、全20アーティスト20曲を収録。
音楽を通じて世界の民俗文化を覗いてみたいという方、色々な国の伝統音楽を聴いてみたいけれども、どこから手をつけていいのかわからないという初心者の方、モダナイズされた今日のワールド・ミュージックの深部にある原始的部分に触れてみたいという方など、多様なニーズに対応できる一枚です。
トラックリスト
1. Perunika Trio Izgreyala E Mesechinka
2. Debashish Bhattacharya Aanandam
3. Shiyani Ngcobo Izinyembezi
4. Aidan Coffey with Frankie Gavin, Alec Finn & Colm Murphy Jigs: The Gold Ring/The Tongs By The Fire
5. Dozan Lamma Bada Yatathanna
6. Manhu Sanhu Love Song
7. Mamane Barka Malloumi
8. FatDog Ring The Changes
9. Klezmer-ish Pandelaşul Fetelor
10. Nuru Kane Gorée
11. Sambasunda Quintet Jaleuleu Ja
12. Sierra Maestra Al Vaivén De Mi Carreta
13. Söndörgő Marice
14. Martín Alvarado & Horacio Avilano Más Allá
15. David Darling & The Wulu Bunun Lugu Lugu Kan-Ibi
16. Monoswezi Heya!
17. Chłopcy Kontra Basia Krzywa Noga (Crooked Leg)
18. Hangaii Yekul Song
19. Calaita Flamenco Son Entre El Tardón Y Triana
20. Guo Yue & Joji Hirota Goodbye Again
2021年5月2日発売
V.A. / THE ROUGH GUIDE TO WORLD MUSIC UNPLUGGED