心身の健康、スピリチュアル的な気づきのためのサポートとして実践されている瞑想の一形態〈ヨガ〉。ヨガといえば身体的なエクササイズが考慮された様々なポーズや、独自の呼吸法などがまず思い浮かべられるところですが、その起源は約5000年前のインドにあります。古代インドにおいてヨガは伝統的な宗教的行法であり、瞑想を目的とするものでした。古典的なヨガでは、音の持つエネルギーが重要視されており、〈世界は音そのものである〉〈音とは神である〉とされています。そのためマントラを使った瞑想なども行われていました。そんなヨガですが、時代の流れと共に国境を超え、今や世界中に愛好家が存在しています。その目的も、日々のエクササイズからメディテイション、リラクゼイションに至るまで様々。それに伴い、ヨガのエクササイズに使用される音楽も、各国の文化を吸収した多様性に満ちたものへと変化していきました。
毎回ユニークなコンセプトと共に、世界中のさまざまな音楽をどなたにも分かりやすく紹介している米国のレーベルPUTUMAYO WORLD MUSICですが、今回の作品は前述の〈ヨガ〉と〈アフリカ音楽〉の親和性を追求した複合テーマ。ヨガ、メディテイション、リラクゼイションに最適なヒーリング性の高いアフリカ音楽を厳選しコンパイルしました。
冒頭はマリのコラ奏者:バラケ・シソコとフランス出身のチェロ奏者:ヴァンサン・セガールによるインストゥルメンタル・ナンバーで開始され、最後はピーター・ガブリエルとブライアン・イーノが共同プロデュースした故ジェフリー・オリエマの「ランド・オブ・アナカ」で締め括られます。コラやバラフォンなど、西アフリカの伝統民俗楽器が奏でる繊細で美しいメロディと、アルバムに一貫するゆったりとしたリズムが、なんとも言えないような深いリラクゼイション効果をもたらしてくれます。収録アーティストはこの他に、マリ共和国トンブクトゥ州ニアフンケ出身のギタリスト/SSWで、ライ・クーダーとの共演でもお馴染みとなったアリ・ファルカ・トゥーレを父に持つことでも知られるヴィユー・ファルカ・トゥーレ、ギネア=ビサウ出身の音楽家:キミ・ジャバテなど全11組。メディテイション目的のみならず、美しいアフリカ音楽のコンピレーションとしてもお楽しみいただける一枚です。
●日本語解説/帯付き
トラックリスト
1. Ballaké Sissoko & Vincent Ségal/Mako Mady
2. Fetsum/Birth Of A River
3. Buddha’s Lounge/Kumbatia
4. Karim Dabo /Au Revoir
5. Berita /Ndikhawulele
6. Kimi Djabaté/Ná
7. Henri Dikongué/C’est La Vie
8. Idan Raichel w/ Vieux Farka Touré/MonAmour
9. Suntou Susso/Ekanasong
10. Ablaye Cissoko & Volker Goetze/Miliamba
11. Ami Faku/Ndikhethe Wena
12. Geoffrey Oryema/Land of Anaka