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説明

2025年8月31日発売新譜
【Smithsonian Folkwaysの人気シリーズ】
合衆国南部のブルースをヴァリエーション豊かに紹介した傑作コンピレーション

　米国の名門レーベル：スミソニアン・フォークウェイズが保有する膨大なカタログ音源を、ブルース、カントリー、ゴスペル、プロテスト・ソング、カナディアン・ソングなど、毎回１つのテーマに沿ってコンパイルした〈クラシック〉シリーズ。北米のルーツ・ミュージックの歴史を紐解くのに最適な同シリーズより、今回はご紹介するのはアメリカ合衆国南部のデルタ地帯で育まれた〈デルタ・ブルース〉のコレクションです。
　〈ブルース発祥の地〉として知られる合衆国ミシシッピ州北西部地域、通称〈ミシシッピ・デルタ〉。ブルース最初期において同地で確立されたプレイ・スタイルは、その名もずばり〈デルタ・ブルース〉として世に知られるようになりました。リズムが強調されたストロークやテクニカルなスライド・ギター演奏、そこへ生活苦や性的隠喩などの詩をのせた弾き語り形式によるデルタ・ブルースは、その後北米各地で続々と誕生して行った多様なブルース・フォームの源流となりました。例えばブルース最初期における主要発展地域となったテキサスでは、デルタ・ブルースの泥臭さや原始的なテイストがやや薄められた、どこか洗練性が感じられる独自のブルースが誕生。テネシー州西端の都市〈メンフィス〉では、ジャグ・バンド・スタイルのブルース・サウンドなども誕生しました。また、デルタ・ブルースから直接的な影響を受けたのが、ハウリン・ウルフやマディ・ウォーターズの活躍でもお馴染み、1950年代から台頭するシカゴ・ブルース（エレクトリック・ブルース）です。こちらはデルタで生活していたブルースマンなどを含むアフリカ系の人々が、より高い収入を見込むことができる北部の工業都市シカゴへと一斉に移動した際、デルタ・ブルースにエレクトリック要素を導入。さらにバンド編成での演奏へと進化させたものが、このシカゴ・ブルースとなりました。こちらは後の60年代に大流行となるブルース・ロックにも多大なる影響を及ぼしています。
　本作品ではスミソニアン・フォークウェイズのカタログが擁する、合衆国南部のブルースの名演をぎゅっと一枚にコンパイル。ブルース史上初となるバンド形態（ギター／ドラム／ベース／ハーモニカなど）を編み出したことにより、カントリー・ブルース〜シティ・ブルースへの橋渡し役にもなったビッグ・ビル・ブルーンジー（1893または18981958）、〈デルタ最高のブルースマン〉との呼び声も高いサン・ハウス（1902-88）、リゾネイター・ギターを用いたスライド・ギター演奏がお馴染みのブッカ・ホワイト（1909-77）など、デルタ・ブルース・レジェンドたちによるギターの弾き語りのみならず、テネシー州出身のメンフィス・スリムによるピアノ・ブルースやクリフトン・シェニエによるルイジアナ・クレオールのフレンチ・ブルース、さらには80年代の録音と、ヴァリエーション豊かなディープ・サウス・ブルース、そして時代を超えた名曲なども幅広く紹介。もちろん、いずれの楽曲もスミソニアン・フォークウェイズのカタログから選曲されているため、各曲が収録されたオリジナル・アルバムを探すためのサンプラーとしても大変に有用です。是非お楽しみに。

●日本語解説／帯付き

トラックリストはこちらをご覧下さい。







2025年8月31日発売
V.A. / CLASSIC DELTA & DEEP SOUTH BLUES FROM SMITHSONIAN FOLKWAYS