カッサ・テッセマ/エチオピーク29 ~ マスタウェシャ(CD) すべてのイメージを表示 価格:3,300円(税込) [予約販売]: メーカー型番:BDSI-3197 メーカーURL:サンビーニャ・インポート(Buda Musique) ツイート この商品について [問い合わせる] 説明 2025年5月18日発売新譜エチオピアの伝統歌唱を魂の声で体現した孤高の吟遊詩人、カッサ・テッセマの決定的編集盤! フランスの人気レーベル《BUDA MUSIQUE》を代表する編集盤シリーズのひとつがエチオピーク(thiopiques)。日本では一部タイトルを除きオルターポップが配給を担当していましたが、中には流通が滞ったものや、日本未発売のタイトルもございました。そこでシリーズの重要性、ひいてはエチオピア音楽の魅力を再認識するため、国内で入手困難となった作品をライス・レコードで順次再発してきました。また、よりマニアックな内容のタイトルについては、柔軟なリリースが可能なサンビーニャ・インポートとして発売してゆく方針とし、今回はその第9弾として、エチオピア音楽の黄金時代に異彩を放った伝説的歌手、カッサ・テッセマ(Kassa Tessema)の録音を集成した編集盤をお届けします。 1927年、アディス・アベバ西方のメナゲシャに生まれたカッサ・テッセマ(1973年没)は、17歳で皇帝直属の近衛兵(Imperial Bodyguard)に入隊し、軍務と並行して音楽活動を続けました。朝鮮戦争では「カグニュ・バタリオン」の一員として戦地に赴いた経験もあり、軍内の芸能部隊での活動を通じて芸術的な才能を磨いていきました。彼は独学で詩歌や宗教儀礼の歌を習得し、重厚なバリトン・ヴォイスと語りかけるような節回し、そして時に鋭い風刺を織り交ぜた歌詞で、戦後エチオピアの語り部として広く知られる存在となりました。 1950年代にはアディス・アベバを拠点に劇場やラジオに出演し、多くの聴衆を魅了しました。彼の歌は、愛や喪失、祈りや絶望、社会への皮肉といったテーマを扱い、エチオピアに古くから伝わる詩の伝統と表現文化を現代に伝えるものでした。代表曲“Altchalkoum(アルチャルクム)”は、恋歌に見せかけながらも当局への不満を表明した抗議歌としても知られ、彼の表現力の奥深さを象徴しています。晩年には国営放送や国家主導の録音プロジェクトにも参加し、限られた数ながらも重要な音源を残しましたが、まとまった形で紹介される機会は長らく限られていました。 本作に収められた13曲には、スタジオ録音とプライヴェート・パーティーでの録音という2種類の音源が含まれており、1972年と1976年に発表された2作のアルバムをまとめた編集盤です(後者は没後に発表)。録音時期の詳細な記録は残されていないものの、いずれも皇帝時代末期の空気を色濃く湛えた貴重な記録です。 彼の音楽はシリーズ中でも特に伝統色の強い内容であり、西洋的なグルーヴ感とは異なる世界が広がっています。6弦の竪琴クラールを自ら奏でながら、揺れ動くような旋律と言葉を紡ぎ出すスタイルは、ミニマルでありながら感情の深みと瞑想的な力に満ち、聴く者を内なる世界へと誘います。歌詞は主観性が濃く、愛や孤独、倦怠といった内面的なテーマに加え、愛国的・軍事的感情がにじむものも含まれています。 本作には、トータル30作を数えるエチオピーク・シリーズの中でもひときわ異彩を放つ、魂の歌声と深遠な詩の世界が刻み込まれています。エチオピアの伝統歌唱の本質に触れる、静かにして圧倒的な1枚。ぜひその深みに耳を傾けてみてください。●日本語による説明をつけた帯を商品に添付して発送いたします。日本語解説は同封しておりません。予めご了承ください。トラックリスト1. Tezeta2. Na Gdamu3. Fanno4. Gll5. Ymuziqa Moges6. Bertukan7. Satnaw8. Ebakesh Tarqign9. Antchi Hoy Ln10. Gum Gum11. Wouby12. Er Goraw13. Mgn Yarada Ledj2025年5月18日発売KASSA TESSEMA / ETHIOPIQUES 29 - MASTAWESHA