ステリオス・ペトラキス/リリック(CD) すべてのイメージを表示 価格:3,410円(税込) [予約販売]: メーカー型番:BDSI-31101 メーカーURL:サンビーニャ・インポート(Buda Musique) ツイート この商品について [問い合わせる] 説明 2026年3月15日発売新譜リラの旋律が身体と風景を同時に揺らす! クレタ島から世界へ広がる東地中海の鼓動!! クレタ島の伝統音楽を語るうえで欠かせないのが、擦弦楽器リラの存在です。クレタのリラは、オスマン古典音楽で用いられるケメンチェよりもやや大振りな洋ナシ型のボディを持ち、膝の上で縦に構えて演奏されます。旋律楽器でありながら強い推進力とリズム感を内包している点が特徴で、ラウートと組み合わさることで、しなやかさと剛健さを併せ持つ独特の地中海的グルーヴを生み出します。 このクレタ島のリラを軸に、地中海から中東、さらには遠方の音楽文化までもを静かに結び合わせた詩的な作品が、リラ奏者/楽器製作者ステリオス・ペトラキス(Stelios Petrakis)による本作『リリック』です。「音楽とは結びつきである」という彼自身の思想を、コンセプトとしてではなく、音そのものとして丁寧に体現したアルバムと言えるでしょう。 1975年アテネ生まれ。クレタ島シティアで育ったペトラキスは、幼少期よりリラを学び、ヤニス・ダンダロス(Yannis Dandalos)のもとで基礎を築きました。さらにロス・デイリー(Ross Daly)に師事し、クレタ音楽にとどまらず、アナトリアやギリシャ各地の民俗音楽、ビザンティン音楽、伝統楽器の研究を深めていきます。デイリー主宰の〈Labyrinth〉では中核メンバーとして活動し、Trio Chemirani、Huun-Huur-Tu、Necati elik ら世界各地の音楽家と共演。演奏家としてのみならず、リラやラウト、サズを製作する楽器職人としての顔も持っています。 ちなみにクレタ島は、ギリシア最古級の文明であるミノア文明が栄えた土地として知られ、島嶼部という地理的条件もあって、オスマン支配以前の古層的な音楽語法を比較的色濃く保ってきました。そのためクレタの伝統音楽には、近代ギリシア音楽とは異なる、東地中海的で時間の奥行きを感じさせる響きが残されています。 本作には、そうした長年の探究と交流の成果が、極めて自然なかたちで結実しています。発売元のBuda Musiqueからは、ビジャン・ケミラーニ(Bijan Chemirani)との共作『Kismet』(2003年)を発表しており、そのほかにも『Orion』(2008年)、『Mavra Froudia Black Eyebrows』(2011年)など、多彩な共作を含む作品を発表してきましたが、本作ではさらに多彩なゲストを迎え、クレタ音楽の語法を核にしながら、文化や地域の異なる楽曲や旋律を一つの流れの中に配置しています。一見すると無関係に思える楽曲同士が、演奏を通して共通の響きを帯び、静かに呼応していく構成が印象的です。 編成には、ペルシア系打楽器、ユリアン・パイプスやズルナ、ハープ、アコーディオン、コントラバス、ギターなどが並びますが、それぞれが前に出すぎることはありません。リラの旋律を中心に、呼吸を合わせるように音が重なり、親密な即興性と緻密なアンサンブルが共存しています。伝統曲や民謡に加え、「Nothing Else Matters」(メタリカの楽曲)のような意外なレパートリも、ごく自然な音楽として溶け込んでいます。 かつて彼は、見知らぬ聴き手から「未知の世界への扉を開いてくれてありがとう」と言われたことを、最高の賛辞として受け取ったと語っています。本作『リリック』は、その“扉”を再び、そしてより静かに、深く開こうとする試みと言えるでしょう。身近さと異質さが同時に立ち現れる音風景は、ジャンルや国境を越えて、聴き手の感覚を穏やかに、しかし確かに拡張していきます。耳を澄ませることで、その結びつきの意味がゆっくりと立ち上がってくる一枚です。●日本語による説明をつけた帯を商品に添付して発送いたします。日本語解説は同封しておりません。予めご了承くださいトラックリスト1. Astro ti Gaza2. Nathenas3. Aglianico4. Pukane5. Panj Pol6. Agrilos7. Evlerin onu mersin8. Muixernanga9. Nothing Else Matters2026年3月15日発売STELIOS PETRAKIS / LYRIC