7月31日(月)

 7月の最終営業日。やっとなんとか月末にたどり着いた。いつもの最終日と同様、支払いやら帳簿の締めやらで、経理仕事に集中。せっかく入金したお金が1時間後にはほとんど全部支払いに回されてしまうというのも、いつものパターンです。

 明日は2週間ぶりにお休みを取れることになったので、夜は久しぶりに近くの友人を誘って外出。近くに新しく出来た沖縄料理屋さんに行ってきた。ご主人は久米島の出身だそうで、泡盛は久米島産のものばかり。それをあれこれ味見しながら、ゆっくり料理を楽しませてもらった。こんなにゆったりした気分で外食したのは久しぶりだ。

 

7月30日(日)

 昨日に続いてトピックのシリーズの解説を執筆。なんとか夜にはほとんど書き上げることができた。これで民俗音楽漬けの2日間が終わり。やっと安心して眠れます。

 

7月29日(土)

 先にこの欄で紹介したトピックの民俗音楽シリーズが来週発売になる。今日はその解説原稿を執筆。月曜日の朝には間に合わせないといけないから大急ぎの仕事だ。そんなわけで慌てて書かないといけないのに、音を聞きはじめたらパソコンを打つ手が止まってしまうから困ったもの。特にエジプト音楽の初期の女性歌手を集めた『エジプトの女性たち 1924-31』(サンビーニャ TS-22100)は、はじめて聞ける歌手ばかりということもあって、かなり面白い。何度も聞いてしまいました。店頭で見かけたら、ぜひチェックしてください。

 

7月28日(金)

 今日もTSシリーズの解説2本を脱稿。そして午後は会社で金曜恒例の雑務仕事を少しこなした。月末になると、また経理仕事が増えてくるのが困ったものです。

 そんなこと書いておきながら、夜は浅草へ。久しぶりに<あらまさ>でゆっくり飲んでしまった。というのも、今日はシタール奏者のアキ・ウエダさんとミーティング。もう1ヶ月近く前に約束していたので、破るわけにはいかない。ウエダさんは、先ごろジャズ・フュージョン・スタイルの新作を発表したのだが、本職はもちろん古典音楽。長年インドで勉強されている。今日はそんなインドの音楽について、とても興味深い話をたくさん聞かせていただいた。ウエダさんは来年の2月か3月にはまたインドに行くそうなので、もしも時間が出来たら少しだけ同行させていただこう、なんて思いはじめたり。

 

7月27日(木)

 月末はいつも慌しい。書かなくちゃいけない解説原稿が山ほどたまっている。そんなわけで、今日は終日自宅作業。なんとか夕方までに4本を書き上げた。もうヘトヘトです。

 来月のアタマにモリ・カンテがやってくる。ブルーノートでの公演だ。最新作を発売している当社としては、当然プロモーションに協力させていただいている。何しろ初めての来日。ぜひすばらしいステージを見せてもらいたいし、興行的にも成功して欲しいと思う。
 また、せっかく来日するのだから、どこかの雑誌でインタビュー記事を作ってもらえないかと思って、1ヶ月ほど前からあちこちに声をかけているのだが、いまのところどこからも良い返事をいただけなくて、困ってしまった。新作『サブ』は、アクースティックな西アフリカ音楽としては最高と言っていいくらいの名作。売れ行きも良いので、そう思ってくださっているファンの方も多いに違いない。でも、雑誌の編集者の皆さんの印象には、まったく残らなかったようだ。だいたい、モリがユッスー・ンドゥールやサリフ・ケイタと並ぶ大物だなんて、誰も思っていない。初来日なんだから、と言っても、反応なし。10数年前の「イエ・ケ・イエ・ケ」のコマーシャルなヒットが、日本におけるモリの評価を下げてしまったとは聞いていたが、これほどヒドいものだとは思わなかった。
 でも、せっかく来日するのに誰もインタビューしないのでは、モリが可哀そうだ。もしも誰もやりたくないのなら、ぼくが自分でインタビューして、このサイトに記事を書くしかないのだろう。そうならないことを祈っているが…。

 

7月26日(水)

 今週からリスト作成を水曜日にすることに決めた。木曜日は他にも出荷など、やるべきあまりに多いので、落ち着いてインフォメーションを整理できないことがあるからだ。仕事が一日前倒しになってしまったことで、今週は慌しく感じたが、きっとそのうち慣れるだろう。

 そんな今週のリストのメインは、先に亡くなったギリェルミ・ジ・ブリートの追悼アルバム。これまでCD化されていなかった80年のファースト・アルバムを発売することに決めた。ぼくとしては、はじめて聞いたギリェルミのソロ・アルバム。当然思い入れがあるが、それを差し引いても、すばらしい作品だと思う。彼が残したすべての作品の中で(ぼくがプロデュースしたアルバムも含めて)、ギリェルミのもっとも自然な歌声が楽しめる作品だ。8月20日の発売予定です。お店に並んだら、ぜひチェックしてみてください。

 

7月25日(火)

 8月の発売アイテムをほぼ決定。プレス・リリース用の原稿を書いた後に、たまっている解説原稿を少し。月末になると、決められた仕事を全部片付けようと思って、いつも慌しくなるのだが、今月もそんな感じだ。これから31日まで、休みがないのはもちろん、自分の仕事に取り組む時間すらも取れそうもない。

 

7月24日(月)

 今週発売になるライス盤の解説原稿を書き上げてから出社。たまっているサンプルの整理をしたリ、今後のリリースや仕事の進め方を社員のみんなと打ち合わせしたりしながら、珍しく長い時間会社にいた。
 実は前々から考えていたのだが、来月からライスや解説付きアルバムなどの装丁や出し方を変えたいと思っている。何年も同じ形でやっていると、どうしてもマンネリ仕事になるし、そうなると仕事をするときに物事を考えなくなる。それが一番良くない。なので、思い切ってシステムのいくつかを変更して、リフレッシュしようと思った次第だ。最初は戸惑うかもしれないが、システムを変えると、新しいアイディアもいろいろ出てくるものだ。そうなってくれることを期待して…。

 そんな打ち合わせの後は、今月からアルバイトしてくれている瓜くんの歓迎会を近くの居酒屋さんで。彼が入社したのは今月6日だから、もう2週間以上。前に入った2人のアルバイト君は、早々に辞めてしまったのだが、瓜くんは続いてくれそうなので、恒例の歓迎会をすることにした。
 瓜くんはまだ22歳。当然、音楽に関する知識は乏しい。でも、知らない音楽が多いということは、逆に今後新しい音楽に出会う楽しみも多いということになる。その分、意欲もある。ぼくの部屋に積まれているサンプルも少しずつ聞いてくれているようだし、そのうちすばらしいアルバムを発見してぼくらを喜ばしてくれるかもしれない。そうなってくれることを期待しましょう。

 

7月23日(日)

 昨日と同様、終日、自宅作業。

 

7月22日(土)

 終日、自宅で自社制作盤の解説原稿書き。

 

7月21日(金)

 自宅で原稿書きに集中しようと思ったが、週日はどうしても会社関係の仕事が飛び込んで、なかなか仕事に没頭できない。今日もそうだった。
 思えばフリー・ライターをやっていた頃は、締め切りが迫って仕事に集中したいと思ったときには電話を切っていた。でも、いまでは電話だけでなく、世界各地からメールで昼も夜もおかまいなく用件が飛び込んでくる。会社をやっている立場だと、すべてを無視するわけにはゆかない。少なくとも月曜から金曜までは、自分の仕事に没頭するのは不可能のようだ。
 そうなると制作仕事は週末にやることになるわけだけど、それじゃあいったい、いつ体を休めればいいのだろうか。当たり前のことだが、たまには休めないと疲れがたまって、仕事にミスが増える。ミスが出ると、それをカヴァーするためにまた仕事が増える…。会社をはじめて8年ちょっと。ずっとその繰り返しだったような気がする。

 こんなことを書くようになったのは、また疲れている証拠なのだろう。

 

7月20日(木)

 木曜日はリスト作成日。一日のほとんどがリストの原稿や資料チェックで終わってしまった。せっかく自社制作アルバムの仕事に集中しはじめたところだったので、中断したくなかったのだが…。

 先の地震に続いて、今度は津波。インドネシアの人々は本当に気の毒だ。津波の可能性があるという情報は入っていたのに、警報を出さなかったなんて…。

 

7月19日(水)

 昨日に続いて一日中自宅にこもって、自社制作アルバムの編集の解説原稿書き。やっとやるべき仕事に集中できた一日。

 

7月18日(火)

 日曜日の日記で訂正がひとつ。コロムビアの<東亜の音楽>はすでにCD化されていたそうです。荻原和也さんからご教示いただきました。

 雨ということもあって、一日自宅にこもって自社制作盤の編集作業/解説原稿書き。やっとやりたい仕事にたどり着いたという感じだ。ただ、今週末から次の仕事が控えているので、ノンビリしていられない。これまでも編集盤を作るときはいつも短期間の突貫作業だったが、今回も同じことになりそうだ。せっかくの自社制作なのだから、本当ならもっとじっくり時間をかけて取り組めたらと思うのだが…。そんなことを言っていてもはじまらない。とにかく頑張らないと。

 話はかわって、7月のサマー・セール。たくさんのご注文をいただき、どうもありがとうございました。当社はじまって以来の売り上げということで、社員一同、とても喜んでいます。この後も新しい趣向をおりまぜて、新しいフェアーを展開してゆくつもりですので、どうぞご期待を。頻繁にサイトをチェックしてくださいね。

 

7月17日(月)

 昨日休んでしまったので、今日は遊んでいるわけにはゆかない。解説原稿をチェックして入稿。外国の取引先とのメールのやり取りを終わらせて、午後からは忙しくてしばらく中断していた編集盤シリーズの仕事にとりかかった。今日は音源の整理くらいしかできなかったが、この後何を調べないといけないかが整理できただけでも少し安心。

 夜は音楽評論家の蒲田耕二さんと久しぶりに夕食パーティ。夏野菜料理(我流のゴーヤ・チャンプルなど)や鯵のたたき(下町風)をつまみにビールを楽しんだ。BGMはトルコやギリシャの音楽。蒲田さんには最近、ずっと翻訳の仕事をお願いしているが、今日は今後の仕事に向けた作戦会議という感じです(とかなんとか言いながら、仕事の話はほとんどしなかったかも)。

 

7月16日(日)  

  疲れがたまっているのを、だましだまし仕事をしてきたが、もう限界のようだ。肩がこりまくって、パソコンに向かっていられない。仕方ないから、午後は本格的なマッサージにかかることに。そしてその後は再びサウナ。おかげでなんとか少しだけ楽になってきた。

 そんなわけで、午後からは仕事をあきらめて、最近入手したSPレコードを整理することに。実はぼくがいま集めているのが、大東亜共栄圏なんて言葉が使われていた戦争中(戦争前)にアジア諸国で出張録音されたSPで、ビクターとコロムビアで出ていたのだが、最近運よくそのうちの10数枚まとめて入手。今日はとりあえずそれらを聞いて、持っている盤のリストを整理しておくことにした。
 これらのレコードは、もちろん当時の国策とつながっていた仕事だ。侵略前のリサーチを兼ねた調査だと言われたら、まったくその通りかもしれない。でも、どんな目的であっても、アジアの文化をリサーチしようという行為そのものが間違っていたとは思えないし、ましてやレコードに収められた音源に罪があるわけがない。これらの音源は、日本における最初のアジア音楽研究だったはずだし、そんな記念すべき仕事を、国策だったという理由だけで、歴史のかなたに葬り去るわけにはゆかないだろう。そう思って、いつか全貌を明らかにしたいと、コツコツと集めているわけです。ちなみにビクターさんに調べてもらったところ、そのシリーズのマスターはすべて紛失してしまっているのだとか。たぶんコロムビアも同じだろう。だとすると、誰かがSPを集めて復刻するしかない。
 ぼくが集めているのは<大東亜音楽集成>(ビクター)と<東亜の音楽>(コロムビア)というシリーズ。まだ収集率は半分くらいだ。もしもお持ちの方がいたら、ご一報いただけるとありがたい。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

7月14日(金)
 
  いつも通り、雑務仕事に追われる金曜日だ。細かい原稿書きは朝のうちに終わらせて、午後は久しぶりに事務所で仕事。そして夕方は税理士さんと打ち合わせ。これで今月の経理仕事はほぼ片付けることができた。

 

7月13日(木)

 最近、ほとんど毎日自宅作業。会社に行けない日が続いている。毎日、朝早く起きて原稿書きやサンプル・チェック/リスト原稿/取引先との連絡を繰り返す日々。そんな仕事なら会社でもできるだろうと思われそうだが、音楽ライターを長年やってきたせいで、書きもの仕事はひとりにならないとできない体質になってしまった。でも、毎日誰とも会話することなく、ひとりで仕事をしているというのも、良いものではない。あまり人と話さない日が続くと、そのうち声の出し方を忘れてしまうんじゃないか、なんてバカなことを考えたりして。

 イギリスにトピックという会社がある。トラッドものを長い間出してきた老舗レーベルだが、10年ちょっと前から世界の民俗音楽も出すようになった。カタログはまだ30枚ほど。民俗音楽レーベルとしてはまだ少ないほうだろうが、それでも最近は面白いものが出るようになってきた。
 中でもビックリしたのが、最近サンプルが送られてきたエジプトの女性歌手のSP録音を集めたアルバムだ。1924年から31年までの録音を収録した内容だが、そのほとんどがあのウム・クルスーム以前から活躍している人、というのがミソ。クルスーム以前のエジプトに、これほどたくさんの女性歌手が存在していたなんて、ぼくは想像もしていなかった。
 というか、ぼくはずっと、クルスームのあの堂々とした歌い方は、イスラム社会において女性歌手としてやってゆくことの難しさをバネに出発した人だったからだと思ってきた。社会の因習と戦い、女性歌手として孤軍奮闘してきたからこそ、クルスームはあんな堂々と歌うのだろう、と。きっとぼくは、クルスームを、黒人宗教を信仰していることやレズビアンであることを早い時期からカミング・アウトしていたブラジルのマリア・ベターニアあたりのイメージとダブらせていたのかもしれない。それだけに、クルスーム以前にこれほどたくさんの女性歌手がいて、しかも彼女たちがクルスームとは違って、意外なくらいチャーミングな歌い方をしていることに、驚かされた。しかも、それぞれ方向性は違うが、みんなけっこう魅力的な歌声だ。古典音楽からポピュラー音楽が生まれようというダイナミズム、あるいは新しい音楽が生まれようというウイウイしい息吹きが感じられるアルバムと言えばいいのだろうか。アラブ音楽においても、やっぱり女性はエラかった、ということだ。
 このアルバムは8月あたりに、トピックのワールド・シリーズの一枚として発売するつもりだ。とりあえず、店頭価格をできるだけ低くしてもらうために(民俗音楽ものはどれも低価格なので、安くしないと買ってもらえない)、直接取引をさせていただいているタワー・レコードの独占販売になると思う。タワーさんで見かけたら、ぜひチェックしてみてください。
 そうそう、このシリーズには、バルカン半島のブラス・バンドのSP時代の録音を集めたアルバムもあって、これもぼくのお気に入りだ。ファンファーレ・チョカリアなんかよりずっと魅力的なブラス音楽が、SP時代からすでに存在していたことを知れる。お見逃しなく。

 

7月12日(水)

 トルコのダブルムーンから連絡があって、メルジャン・デデの新作『ブレス』ヨーロッパのワールド・ミュージック・チャートで1位になったのだとか。さっそくサイトをチェックしてみたら、本当だった。すばらしい! 来日に向けて勢いがつきますね。

 今朝も早起き。まずはリスト原稿の大事な部分を書き上げて、午後は別のプロジェクトのサンプル・チェック。今日は朝から夜まで、CDを聞きまくりの1日だった。

 今週のリストのメインは、独ネットワークの近年の秀作アルバムを2枚。アゼルバイジャン出身のすばらしい男性歌手アリフ・カシモフの2000年作と、ビル・ラズウェルの奥方ギギを中心としたグループ、アビシニア・インフィニートの2003年作だ。輸入盤ですでに持っている人には、なんでいま頃と思われる方もいるかもしれないが、これほどすばらしい内容のアルバムがこのまま埋もれてしまうのは惜しいと思い、発売させてもらうことにした。もしも当時から当社がネットワーク作品をディストリビュートしていたら、当然すでに日本盤で出していただろう。ともにワールド・クラスの重量級作品だ。
発売はともに8月。発売されたら、ぜひお聞き願いたい。

 相変わらず身辺にトラブルが多くで仕事に集中できない日々が続いているが、そのトドメが、ブラジルのニキータというレーベルがヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテーラのアルバムを無断で再発するらしいという知らせ。友人がメールで知らせてくれた。原盤権はもちろんぼくが持っており、ニキータとの契約はすでに終わっている(契約終了の書類にサインももらった)。それを無断で出そうというのだから、ニキータも太い。きっと、ぼくがわざわざブラジルまで行って裁判を起こすことはないと踏んでいるのだろう。幸い、ニキータのディストリビューターがぼくの知り合いの懇意とする会社だったので、たとえCDがプレスされても、配給は絶対に出来ないような措置を取ってもらった。ニキータは大損することだろう。でも、それだけ済ますわけにはゆかない。やはり一度は直接文句を言うべきなのだろう。なんでこんな面倒なことばかりが起きるのか。本当にイヤになる。

 

7月11日(火)

 ここのところ早起きの習慣ができてしまったので、今日も4時起き。5時から仕事をはじめて、終日ライス盤の解説原稿に取り組んだ。なんとか2本書き上げたけど、あまり得意なジャンルの解説じゃなかったせいで、すごく苦しんだ。1本は入稿。もう1本は明日の朝にもう一度確認してから入稿することに。

 夕方、食事を作りながらアナログ盤を何枚か楽しむ。ユパンキの10インチとか、ここ2ヶ月くらいで買ったLPはほとんど聞けていなかったので、少しずつ聞くことにしたのだ。ただ、LPは食事を作りながらでも聞けるけど、SPはそうはゆかない。SPの未聴盤も30枚ほどたまっているが、これらをじっくり聞けるのはいつになることか…。

 

7月10日(月)

 今日も早起きしてサッカーのワールドカップの決勝をテレビ観戦。今大会を象徴するような守りあいで、面白い試合じゃなかったけど、緊張感はスゴかった。ジダンのレッド・カードにはびっくりしたけど。今回のワールドカップで一番シブく頑張ったのは、ガットゥーゾ(イタリア)とマケレレ(フランス)という両ボランチですね。マケレレがいたときのレアル・マドリッドがどうして強かったか、よくわかった。彼みたいな人がいて、はじめてジダンが生きるんですね。

 午前中は解説原稿の準備。午後は事務所に行って、雑務仕事と打ち合わせ。さあ、やっと仕事が片付いたと思ったら、せっかくやる気を持って取り組んでいた仕事で、そのやる気を殺ぐような<事件>が起きてガッカリ。

 

7月9日(日)

 朝早く起きてワールドカップの3位決定戦をテレビ観戦。ヒドいファウルもなく、すばらしいプレイの連続。すがすがしい、とても良い試合だった。残念ながらポルトガルは負けて4位になったが、現在のチーム力で4位は大健闘だろう。フェリポーンは次のヨーロッパ選手権まで監督を続けるようだが、ますます良いチームにしてくれるに違いない。今後が楽しみだ。

 昨日の続きで今日も雑務仕事。やっと午後に全部終わったので、夕方から解説原稿の準備をはじめた。この分だと、今週の前半は解説原稿とリストの準備だけで終わってしまいそうな雰囲気だ。休み返上で頑張っているのに、それでもなかなか自分の仕事に打ち込めないもどかしさ…。

 

7月8日(土)

 午前中は事務所で税理士さんと打ち合わせ。午後は自宅に戻って、昨日の続きの雑務仕事。最低限のことを終わらせたら夕方だった。さすがに疲れて、もうこれ以上仕事はできない。明日は早起きしないといけないので、夜は早めに就寝することに。

 

7月7日(金)

 もう何度こんなことを書いたことか。自分の仕事をしたいのだが、やっぱりなかなか取り掛かれない。今日は会社で雑務仕事。多くの時間を帳簿整理に費やしてしまった。それに6月で今年の半分が終わるので、棚卸しをして上半期の経営状態をチェックしないといけない。おまけに来週発売されるライス盤の解説は2本ともぼくが担当で、それも書かないといけないし、この週末もまた休み返上になりそうだ。

 午後遅い時間は東京で打ち合わせ。せっかく新宿に出たのだから、途中でレコード店に寄ろうと思ったのだが、残念ながら時間が取れなかった。さすがにぼくも最近はレコード店に行かず、ネットでCDを買うことが増えてしまったが、それでもたまに店頭を覗いて実物を手にしてみないと気持ちが落ち着かない。残念ながら浦和付近にはロクなレコード店がなく、東京に出たときこそがチャンスなのだが、その時間も取れないのだから困ったものだ。
 まあ、買ったところでいつ聞けるのか、という問題は残る。でも、たとえ聞けなくても、買えただけでも満足感は大きい。サンプルなんて、いくらたくさん聞いても、全然満足できない。やっぱりCDは自分のお金で買って聞くものだと、つくづく思います。

 

7月6日(木)

 リスト作成日。今週のメインはエチオピア音楽を代表する男性歌手ムハマッド・アハメードのパリにおけるライヴ・アルバムと、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの遺作2枚組、そして世界のスーフィー音楽を集めた『スーフィー・ソウル』に決まった。3枚とも、今月後半には店頭に並ぶ予定。目にされたらぜひチェックしてみてください。

 ブラジル音楽の新作をチェックしていて知ったのだが、マリア・ベターニアが今年で60歳になるのだそうだ。それを記念して、これまであちこちのレコード会社で発表したすべての作品が一挙再発されるらしい。ベターニアといえば、ぼくがブラジル音楽を聞きはじめた時代に大スターになった人だが、あれから25年もずっと第一線で活躍しているのだから、すばらしい。お兄さんも元気だし、ジルは大臣だし、ガル・コスタもトラーマから新作を出して頑張っているし、ブラジル音楽のベテランたちは本当にたくましい。見習わないといけません。

 

7月5日(水)

 今日も自作でひたすらサンプル・チェック。やっと来月のリリース日程も固まってきた。これで明日リストを作って、その後金曜と土曜で帳簿整理や税理士さんとの打ち合わせを終わらせたら、日曜日あたりから自分の仕事のための時間を作れそうだ。ここのところまたあまり休めなくなってしまったが、いまは休むことより、やりたい仕事に早く進みたいという気持ちのほうが強い。

 

7月4日(火)

 終日自宅作業。7月発売分のリスト原稿を書いてしまって、さらに8月リリース分の予定を決めるためにサンプルをチェックした。先週あたりからサンプルを聞くのが楽しくなってきたので、今日も全然疲れない。これは良い傾向だ。夜は久しぶりに外出。居酒屋さんでちょっと飲みながら食事。夜にひとりで外食するなんて、いつ以来だろう。

 

7月3日(月)

 解説を1本仕上げて、7月の発売予定を完成。午後には事務所に行って、銀行送金の続きと帳簿の締め。これでいちおう月末月初めの雑務仕事は片付いた。夕方からは会社で今後の仕事の手順などをみんなで確認して、午後8時半くらいに帰宅。

 今後の仕事の予定をみんなで確認したのは、今週の木曜日から新しいアルバイト君が来てくれることになっているからだ。これで商品化や出荷の作業は少し楽になる。でも、そうなったら、社員のみんなにやってもらいたい仕事は山ほどある。それでぼくの負担が少しでも減れば、ぼくのほうは新しいプロジェクトに力を入れることができるはずだ。今年は独自制作のアルバムをたくさん発売したいとお正月の日記に書いたのに、前半はまったく予定通りに進まなかった。それをこれから少しでも取り戻してゆかないと…。

 夜テレビでニュース番組を見ていたら、どこも中田英が現役引退を発表したと大きく報道。サッカー選手の引退がこれほど大きく伝えられたなんて、いままでなかったし、今後もないかもしれない。ただ、ここでちょっと気になったのが、そのタイミング。ワールドカップはまだ大事な準決勝2試合と決勝が残っているのだから、オシム新監督の就任や中田の引退とかは、全試合が終わってから発表してくれても遅くなかった。結局、みんな日本代表にしか興味がないということなのだろうか。
 明日のドイツとイタリアも、明後日のポルトガルとフランスも、日本代表の試合なんかよりずっと面白くなるはずだ。これを見逃しちゃ、ワールドカップを見ている意味がない。

 

7月2日(日)

 昨晩からずっとサッカーを見続けて、その最後が午前4時のブラジルとフランスの試合。これがとんでもない結果になってしまって、ガックリだ。フランスは確かにすばらしいサッカーをした。でも、それ以上にブラジルがダメだった。
 どうしても理解できないのが、なんでロナウドのワン・トップなんていう、これまで一度も試したこともないフォーメーションにしたのか、ということだ。これじゃ、フランスに対して苦手意識があることを試合前から告白してしまったようなもの。少なくとも相手はそう感じただろう。王者は王者らしく、ドッシリ構えて試合をすべきだったのだ。そうすれば、たとえ負けても悔いが残らない。今日みたいな負け方じゃ、誰も納得しないよ。

 そんなわけで、目覚めの悪い一日だったけど、今日も仕事を休むわけにはゆかない。というより、昨日あたりからサンプル盤を聞くのが楽しくなって、休む気になれなかったというのが本当の話。おかげで今日は新しい企画を思いつくことができた。
 そのうちのひとつが、当社のサイトでもサマー・セールをやってみようかということだ。これまでもセールは頻繁にやっていたが、皆さんご存知のとおり、あれは在庫整理が目的。売れ残り商品のセールだった(だからと言って面白いアルバムがなかったわけではない)でも、今回のはまったく違う。対象は当社の看板であるライスやTS商品のすべて。しかも、全品20パーセント引きという大盤振る舞いだ。ただし期間限定で、3日から17日までにご注文いただいた分だけとする。もちろん通常通り、送料は当社持ち。すでにセール商品になっているものは、これ以上マケるわけにはゆかないので除外するが、解説つきの商品はすべてが対象になる。
 こんなことを思いついたのは、せっかく頑張ってくれている社員に、世間並みにボーナスを払いたいと思ったからだ。ここ2年ほど、当社ではほとんどボーナスが出ていない。今年は出せるように頑張ったのだが、残念ながら6月までは黒字にならなかった。というわけで、もう少しだけ稼がせてください、という意味です。社員たちを助けると思って、ここはひとつご注文いただければ幸いです(当たり前の話ですが、社長にはボーナスは出ません)。

 さらにもうひとつ思いついたのが、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの追悼企画だ。ヌスラットが亡くなったのは1997年だから、もう9年。来年で没後10周年になる。そんないまも、ヨーロッパでは過去のアルバムがカタログに残されているし、パキスタンからヨーロッパ・デビューを果たすヌスラットの後継者はあとをたたない。きっと地元パキスタンでもヌスラットが残した音源は親しまれ続けていることだろう。でも、日本はというと、まったく散々たる状況だ。あの名盤『スワン・ソング』もとっくに廃盤だし、他のアルバムもほとんどカタログに残っていない。ヨーロッパでヌスラットのアルバムがカタログに残されているのは、メジャーではなく、インディ会社が配給しているせいもあるのだろうが、いずれにしてもこのままでは日本において、ヌスラットは忘れられた存在になってしまう。
 ご存知のように、ヌスラットはワールド・ミュージックの歴史上最大の巨人だ。ぼくはフェラ・クティやサニー・アデやユッスーやサリフなんかより、ヌスラットのほうが断然偉大だったと思っている。そんな彼の音楽が忘れられてしまわないように、せめてお店にヌスラットのコーナーをいつまでも残すような努力を、レコード会社はすべきなのだ。
 当社が10月の<フェスティヴァル・コンダロータ>で来日するファイズ・アリ・ファイズのアルバム『わが師ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン』(ライス HMR-611)を出すことにしたのも、そんなヌスラットを思い出してもらおうと思ったからだ。同時に今週は『ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンに捧ぐ』(ライス NWR-4004)という、ヌスラットを追悼する目的で作られた曲ばかりを集めた2枚組も同時発売される。そして7月中に、ヌスラット本人のアルバムも発売して、さらに8月にヌスラットの音楽とも深い関係を持つスーフィー音楽のアルバムも発売することを、今日決めた。これ以外にも、もしも当社が発売できるものがあれば、どんどん加えてゆきたいと思う。
 まだ正確な発売日程は決定していないが、決まったらまたこのページですぐにご紹介する予定だ。ぜひご注目いただきたい。

 

7月1日(土)

 疲れていたけど、仕事をすることにした。なにしろ今日は、今年の後半戦の初日。そんな日がいきなり休みじゃ、どうもしまらない。
 午前中に解説原稿を1本書き上げて、午後はひたすらサンプル・チェック。今後のリリース予定を検討した。昨晩はサッカーを見ないで早く寝たので、今朝はいつも通り午前6時から仕事ができた。

 ただ、夕方になったらサッカーの虫がウズいて仕方がない。午後5時に仕事を切り上げて、昨日の2試合の再放送と、今晩の2試合をテレビ観戦することにした。ベスト8になると、実力が均衡しているせいもあって、グループ予選のような大胆なプレイは少なくなる。だからハデな試合にはならないが、それでも緊張感溢れる試合は魅力満点だ。ドイツとアルゼンチンなんて、まさにそんな感じの一戦。アルゼンチンは、ゴールキーパーが怪我したせいで選手交代のカードを一枚余計に使ってしまわざるを得なかったところが気の毒だったが、試合そのものは完全に彼らがコントロールしていた。特に120分、ずっと動き回って守備に攻撃に貢献した若いテベスがすばらしい。あんなに運動量の多いフォワードを見たのははじめてだ。ロナウドの5倍くらい走っていた。

 

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