6月30日(金) 朝早く起きて、解説原稿を2本脱稿。こまかい雑務仕事を終わらせて、午後から銀行に行って支払い。そして会社に戻ってさらに雑務仕事。いつも通り、忙しい月末最終日だった。今日は会社のほうも出荷作業に忙しい。みんなよく働いた一日だった。 |
6月29日(木) リスト作成日。ワールドカップ中はいつもそうだが、ブラジル盤の新作リリースが驚くほど少ない。編集盤シリーズとかは出ているようだが、新作の目玉といえばフェルナンダ・ポルトのライヴ・アルバムくらいか。ちょっとさびしい状態だ。 リスト作成が終わったら、たまっているサンプルをチェック。一部を自宅に持ち帰って、夜遅くまで聞きまくった。解説原稿の仕事ばかりしていると、サンプルをまったくチェックできない。そうなると、今後のリリース予定がたたなくて困ってしまう。ちなみに、いまぼくの目の前にたまってるサンプルは200枚以上。この週末は久しぶりにゆっくり体を休めたかったが、どうもサンプルのチェックで終わりそうだ。自社制作のアルバムの仕事もしないといけないのに、どうしたらいいものか…。体がふたつ欲しいです。 |
6月28日(水) 解説2本。そして午後からミーティング。ここ2週間ほど、原稿書きの仕事ばかりで、自分の仕事がまったく手付かず状態だ。自社制作ものは、いま現在取り組んでいる仕事があるし、今後のアイディアもたくさんあるのだが、こうも会社仕事に追われると、そちらに没頭する時間が取れない。ストレスがたまります。 夜は恒例のワールドカップのダイジェスト番組。最近、これくらいしかテレビを見ていないなあ。やっぱりブラジルは勝ったけど、ボール支配率がすごく低かったことを知ってビックリ。ロナウドの1点めが早い時間に入り、その後ガーナが攻めてきたせいで、ボール支配率が少なくなったのだろうが、ブラジルがカウンター狙いというのは、らしくなさすぎる。両サイドバックが上がったままで、ずっと攻めっぱなし、みたいな試合をしてくれないと、ブラジル人たちはスッキリしないんだろうな。 さて、次の相手はフランス。ジダンの生涯最後の試合がブラジル戦というのも、なんかいい感じだ。そしてその後は、フェリポーン率いるポルトガル、という風に進んでくれたら、ますます面白い。サンバとファドはどっちが面白いか!? |
6月27日(火) 今日は解説1本だけ。後は雑務仕事。ある取引先とのメールで、いろいろあって大混乱。ドッと疲れが出てしまった…。 |
6月26日(月) 解説原稿を3本脱稿。<夜噺>の最終校正を送って、取引先とのメールのやりとりを終わらせたら、もう夜10時を過ぎていた。朝7時から仕事をしているので、さすがにこんな時間になるとツラい。夕食を作るのもおっくうになります。 とかなんとか言いながらも、ワールドカップのダイジェスト番組だけは必ずチェックする毎日だ。昨日のポルトガルとオランダの試合はすごく荒れた試合になったようで、特にクリスティアーノ・ロナルドへのファールは、いきなりレッド・カードでもおかしくない悪質なもの。これがイエローで済んでしまったものだから、そいつが退場になるまでに、フィーゴもひじ打ちを食らったり、ポルトガルはさんざんだった。それでも勝ったのだから、ポルトガルは強いチームなのだろう。前回はロマーリオをメンバーからハズして大ヒンシュクを買いながら見事に優勝したフェリポーン(スコラーリ監督のブラジルでの愛称)の運はまだ落ちていないようだ。このまま彼が率いるポルトガルが母国ブラジルと対戦するのを見てみたい、なんて思って組み合わせ表を見たら、ポルトガルが次にイングランド戦に勝てば、準決勝で当たる可能性があるんですね。これは楽しみだ。 4年前もそうだったが、この時期になると、取引先とのメールのやり取りでもワールドカップのことが話題に上ることが多くなる。主な取引先があるイギリスもフランスもドイツもブラジルも、いまのところトーナメントに残っているから、みんな機嫌がいい。仕事もロクにしないでテレビで観戦して、しかも自国チームが勝っているのだから、そりゃ機嫌もいいだろう。しかも、ブラジルの取引先の社長は、なんと週末にドイツに向かい、決勝戦までの4試合を全部見るのだそうだ。もしもブラジルが途中で負けたらどうするのだろうと思うが、絶対に決勝まで行くと確信して予定を立て、チケットを買っているのだから、スゴい自信だ! こんなサポーターがいる国に勝てるわけがないです。 |
6月25日(日) 今日は気合を入れて早起き。昨日書き上げた原稿を入稿し、さらに解説原稿を2本ほど進めた。明日の朝確認したら、この2本も入稿できそうだ。 それ以上に大変だったのが、先に<音楽夜噺>という会に出演させていただいたときのお話をまとめた原稿。ぼくと原田さんの会話は、主催している関口義人さんが起こしてくれたのだが、不完全な部分が多かったので、全面的に書き直させていただいた。そしたら3万文字を超える分量になってしまったのでビックリ。こんな長い文章、全部読んでくれる人がいるかどうかわからないが、まあ当日の記録だから、残しておくべきなのだろう。これで原田さんが自分でお話された部分を校正してくれたら、サイトにアップされるはず。関心のある人は<夜噺>のサイトをチェックしてみてください。 |
6月24日(土) 土曜の朝は早起きする必要がないので、昨日は深夜(というか早朝)までサッカー観戦。最後に残ったアジア勢である韓国とサウジアラビアを応援した。残念ながらともに決勝トーナメント進出にはならなかったが、残念だったのが韓国。スイスの2点めは、どう見てもオフサイドで、副審もそう判定したのに(そこで選手たちは止まってしまった)、主審が得点を認めてしまった。なんとも腑に落ちない判定だが、スイスが決勝トーナメントに行ったほうが集客率は良くなるということなのだろう。今回ホームなのは、ドイツだけでなく、ヨーロッパのチームすべて。ブラジルやアルゼンチンの主力選手もヨーロッパのチームで活躍している人気選手ばかりなのだから、こちらもヨーロッパ勢みたいなものだ。それだけに、ガーナやメキシコやエクアドルが決勝トーナメントに進出できたのは、エラい。 なんて思いながらも、決勝トーナメントには本当にすばらしいチームが揃って、いまから試合が楽しみだ。今日からが本当のワールドカップという感じ。さすがに深夜(というか早朝)の試合は厳しいけど、早い時間の試合だけは今日も楽しんでしまった。主催国のドイツ、すっかり調子をあげてきたみたいだ。 なんて書いてると、今日もサッカー三昧したみたいに思われそうだが、昨日の午後に休養してしまったので、仕事はいっぱいたまっている。お昼過ぎには解説を1本脱稿。午後は、昨日やるはずだった雑務仕事を片付けた。肩こりは少しおさまったけど、まだまだ疲れが残っている。明日は近くのスポーツ・クラブでサウナに入ることにしよう。 |
6月23日(金) どんな強い国だってまずは守ることを考えるブラジル相手に、2点を取らないといけないという<奇跡>以上の状況を求められ、本当に攻めちゃった(しかも本当に1点取っちゃった)んだから、4点くらい取られたって仕方がない。残念だったのはロナウドの1点めのヘディング・シュートだが、ここでロナウドのマークをはずしてフリーで打たせてしまったのは、わが浦和レッズの坪井選手でした。 しかし、ブラジルは強い。いくら決勝トーナメント進出を決めた後の消化試合と言っても、ロナウドやジュニーニョ・ペルナンブカーノらにとっては、レギュラー残留(と獲得)を目指す重要な試合。しかも本国じゃ、2連勝してるのに不満爆発のようだし、ブラジルの選手たちが頑張るのも無理はない。これがきっかけでブラジルが上昇気流に乗って、もしも優勝してしまったら、日本との試合はちょうど良い練習試合になったということになるのかも。その場合は、感謝されないとね。 早朝にそんな試合を見たものだから、今日はぜんぜん仕事が進まない。とりあえずやらないといけない重要なことを午前中に終わらせた後、午後はゆっくり休ませてもらうことにした。先週から休みなく働いているので、昨日当たりから肩こりがヒドい。ディスクワークばかりをしているのだから、当然だ。少しは体を動かさないと。 |
6月22日(木) 今日はリスト作成日。今週のメインは、ミスティック・レヴェレーション・オヴ・ラスタファリの30年ぶりの新作スタジオ録音と、10月に<フェスティヴァル・コンダロータ 2006>で来日するイランのケマンチェ奏者カイハン・カルホールのアルバムになった。 中でも古くからレゲエを聞いている(というか、古い時代しか聞いていない)ぼくには、故カウント・オッシーが率いたミスティック・レヴェレーション・オヴ・ラスタファリになじみ深い人たちだ。いわゆるナイヤビンギ音楽の最高峰。というより、その創始者とも言ってもいいのだろう。70年代にLP3枚組の名作『グラウネーション』とシングルLP『モザンビークの物語』の2タイトルを発表したが、特に最初の3枚組は当時ジャマイカ盤のLPを入手して愛聴した。そんなグループがカウント・オッシー没後30周年を迎えた2006年に復活アルバムを発表してしまったのですから、これはニュースだ。当時のメンバーの残党たちが中心にやっているようだが、あの、サン・ラーが間違えてレゲエをやってしまったような不思議な音楽性は、いまも受け継がれている。 余談になるけど、ジャマイカでこんな音楽、あるいはラスタファリアリズムなるものが生まれたのは、ハイチのヴードゥーやキューバのサンテリア、ブラジルのマクンバやウンバンダなどに相当するアフロ系混交宗教を生み出すことができなかったせいだ。ナイヤビンギ音楽ではパーカッションは貧弱だし、アフリカ的な大らかさなんて、まったく希薄だが、これがジャマイカの黒人文化の現実だった。ふくよかな混血性をよりどころとするラテン音楽をお好きな人には、たぶんイビツな音楽に聞こえるはずだ。 しかし、ぼくにはどうもそんなイビツさが、ときに親しみやすく感じられるときがある。世の中、健よかに育った音楽ばかりではない。イビツな社会に生まれたイビツな音楽のほうが多いのが現実だろう。アフリカの伝統をほとんど完全にもぎ取られたジャマイカで、それでもいきがって擬似アフリカ音楽をやっていたオッシーの貧弱なパーカッションのほうが、検証もせずにアフリカからの伝統を受け継いでいるとアタマから確信して自信マンマンでいる黒人音楽よりも、ぼくにはずっと親しみやすい。本当に正直な音楽だと思えてしまう。 |
6月21日(水) 今日も朝から原稿書き。午後から打ち合わせに出て、夜はタワー新宿店の篠原さんと池袋で串揚げを食べながら作戦会議。当然、仕事に関係する極秘事項ばかりなので、ここでは詳しく書けないが…。 ひとつだけ、当社の仕事とは関係ないことで興味深かったことがひとつ。マリーザ・モンチの新作は、2枚バラ売りになってしまったので、いまいち売り上げが伸びていないのだとか。どうして1枚にしなかったのか。2枚出すなら、もう一枚は来年まで取っておけば良かったのに…、という篠原さんの意見に、ぼくもまったく同感だ。 だいたい、あのアルバムが2枚になってしまったのは、彼女の意欲がそうさせたのではなく、むしろ迷いが出た結果じゃないかとぼくは想像している。サンバもポップな曲も、一枚のアルバムでゴッチャに聞かせてくれたのが本来のマリーザであり、それが彼女の新しさでもあった。そんな大雑把なことをいつまでもできなくなったのは、彼女の真面目さもあるのだろうけど、ぼくはファンとしてとても残念だ。 日本で演歌とポップス系歌謡曲が別物になってしまってから久しいが、ブラジルにおいてもそれは同様だ。伝統サンバ(とぼくが言うのは、エスコーラのそれではなく、ノエール・ローザらの戦前サンバ)の持つポップさを50年代後半から60年代前半に再構築させたのが、ボサ・ノーヴァだったが、結局はこの音楽が分岐点。その後はボサ・ノーヴァの持つポップなあいまいさが、時代についてゆけなくなって、MPBとサンバという別々の音楽が生まれた。アメリカにおけるロックと黒人音楽のような図式をブラジル音楽も取り入れてしまったということだ。ブラジルでは、30年代においてノエール・ローザとカルトーラが大の仲良しだったように、白人と黒人の音楽にそれほど大きな距離がなかった。それこそがブラジル音楽の本来の伝統であって、もっとも優れた点だ。そう思うぼくは、そんな分化してしまったジャンルにこだわらず、良いと思う音楽なら何でもゴッチャに取り入れてきたマリーザは、本来の伝統を取り戻してくれる歌手だと期待していた。でも、自分でそれらを<分類>するようになってしまったら、どうしょうもない。ぼくが残念に思っているのは、そういうことだ。 それにしても彼女の完全ソロ・アルバムなんて、何年ぶりだったのだろう。まだ若い彼女が、新しいアルバムを作るアイディアを生み出すのに、どうしてそんなに時間がかかってしまうのか。ぼくには理解できません。 |
6月20日(火) 自宅にこもって、ひたすら解説原稿書き。食事以外は、まったく仕事漬けの一日だった。こんなに忙しいとサッカーを見る時間もない。 |
6月19日(月) 昨日のサッカーを見終わって、夜寝る前にふと思ったのが、日本がクロアチアと引き分けたのは戦術だったのか、ということ。だって、クロアチアが日本に負けて2連敗しちゃったら、最後のオーストラリア戦は完全な消化試合。やる気が出るわけがない。クロアチアがオーストラリアに勝つか引き分けてくれて、はじめて<奇跡>が起こりえるわけで、そのためにクロアチアにも首の皮一枚残してあげる必要があった…なんてことを考える余裕が、ジーコや首脳陣にあるわけないよね(笑)。 でも、これでブラジルのメディアはうるさくなるに違いない。自分たちはもう決勝トーナメント行きが決まったんだから、ジーコに一回くらい勝たせてやるべきだ、なんて言う奴が出てくるだろう。ブラジル代表の監督をやっているパレイラより、ジーコのほうが人気も人望もある。でも、そうなったら、パレイラ監督にとってはどんな強豪相手の決勝戦よりもアタマの痛い試合になる。ブラジル代表としては恥ずかしい試合はできないし、もちろん八百長なんてしたくない。それに得失点差を考えると、日本が決勝トーナメントに行くには、クロアチアがオーストラリアに勝ったとしても、最低で2点以上差を付けて勝たないといけない。あんな好機をハズしまくる日本のフォワード陣が、多少手を抜いてあげたところで、2点も取れるのだろうか…。 そこでパレイラ監督は考えた。そうだ、この際だから日本にロビーニョを貸してあげよう。変装したら大黒と勘違いしてくれるかもしれない。大黒はまだそんなに試合に出ていないから、みんな覚えていないだろう。いや、どうせ貸すなら、使えないロナウドの方がいいかも。でも問題はあいつの体型だ。あの腹は変装してもバレてしまうかもしれない。日本代表にデブがいないのが問題だ…。 なんてバカなこと、パレイラ監督が考えているわけ、ないですね(笑)。 こんなことばかり書いていると、仕事しないでサッカーのことばかり考えてると思われそうだが、実はそうでもない。午前中に打ち合わせをして、午後から解説原稿書き。夕方までに3本を仕上げて、さらに夜には2本を大部分書いた。今日も14時間労働。でも、こういう楽しみのない日のほうが、かえってバカなことを考えてしまうものなんです。明日はもうちょっと余裕のある一日を送りたいなあ…。 |
6月18日(日) 昨日は遅くまでテレビを見ていたせいで、今日はすっかり寝坊。目が覚めたら珍しく午前9時だった。ゆっくり起きたついでに、せっかくの日曜日だから休みにしたかったが、今週はそういうわけにもゆかない。書かないといけない解説原稿が山のようにたまっているからだ。とりあえず今日は来週発売のライス盤の解説を書き上げて、さらに2本ほどを途中まで。夕方6時まで、頑張って仕事にいそしんだ。 ただ、仕事もそこまで。ここのところ忙しくて、自宅ではロクなものを食べていないこともあって、今日はちょっとだけ力を入れて料理を作ることにした。と言っても、ややこしいものを作る時間はない。ソラマメが美味しそうだったので、それでスープを作って、ハマグリやタコや白身魚などでイタリアンもの、スパニッシュもの、ポルトガルものを少しずつ。みんな旅行したときに食べて美味しかった料理をマネたものだ。そんな料理を食べながらワインを少し。10時からはじまるサッカーの試合を前にすっかり上機嫌になっていた。 そんな感じでワインを飲みながらクロアチアと日本との試合をテレビ観戦。別にどっちが勝ってもいいんだけど、平塚時代からずっと見ている中田英にとってこれが最後のワールドカップになるかも、なんて思うと、どうしても応援したくなる。今日もしっかりチームを鼓舞して、自身のミドルシュート2本もとても気合が入っていた。 しかし、日本も相変わらず決定力がないが、クロアチアもまったくよく似たチームだ。PKまでハズしたところで、今日はクロアチアには点が入らないと確信した。ヨーロッパの予選じゃ負けなかったというけど、今日の出来はそれほどでもない。前回のブラジル戦のほうがずっと良かった。 それでもクロアチアは前回のオーストラリアよりもずっと優れたチームだと思う。日本はまだ格下との戦い方は知らないが(だからオーストラリアにあんな負け方をする)、格上との戦いでは意外な力を発揮する。オーストラリア戦より今日のほうが少しはマシに感じられたのは、そのせいだろう。で、結果は引き分けだけど、そうなると圧倒的に格上のブラジル戦は期待が持てるということになるのだろうか。ジーコ監督が率いる日本代表の最後の試合がブラジル戦というのも、神様は面白い組み合わせを考えてくれたものだ。どうせ負けてもともと。勝敗なんかより、日本らしいサッカーを1試合くらいしっかり見せて欲しいと思う。 |
6月17日(土) 朝早く起きて事務所に行って、税務関係の仕事を整理。10時から税理士さんとのミーティングを済ませて、これでいちおう今月の税務仕事は終了だ。後は月末の支払いまで、ぼくが一番嫌いな数字を眺める仕事はしなくて済む。 そんなわけで、今日は午後早い時間に仕事を終わらせて、午後3時からはサッカー観戦ザンマイを決め込んだ。3時と7時からの再放送を見て、夜10時と午前1時の生中継をも観戦。一日4試合、しかもこんなにすばらしいサッカーをまとめて見れるなんて、ワールドカップならではだ。今日、特にすばらしかったのがポルトガル。フィーゴもデコもすっかり好きになった。とにかく、すっかり堪能。たまっていたフラストレーションを解消できた。 |
6月16日(金) 朝から事務所に行って、ひたすら税務関係の書類の整理。金曜日はどうしてもこんな雑務仕事になってしまうが、今日は特にややこしい仕事で、すっかり消耗してしまった。 そんなディスクワークの後、午後遅い時間に新宿で打ち合わせをひとつ。その後、パーカッションの浜口茂外也さんと久しぶりにお会いして、焼き鳥屋さんで飲んだ。浜口さんと知り合ったのは、まだライターをやっていたときに『レコード・コレクターズ』で取材させていただいたとき。とても楽しい方で、話がはずんだので、その後もときどきお会いして飲みに行っている。今日もほとんど音楽の話に終始。いろいろな貴重なお話をお聞きできて、とても楽しかった。 |
6月15日(木) ブラジルを代表する7弦ギタリスト、ジーノが5月27日に亡くなっていたことを、商品リストを作るためにブラジル関係のサイトを見ていて知った。しばらく前から入院していたことは聞いていたのだが、とうとう亡くなってしまった。享年は88歳だったようだ。 ジーノに最後に会ったのは彼の80歳の誕生日。エポカ・ジ・オウロのメンバーが全員揃ってボタフォーゴのレストランで開かれた誕生日記念コンサートでのことだ。ジーノはすっかりご機嫌で、<まだまだ俺の下半身は若いときと同じだ>とウソぶいていたが、結局人前で演奏を聞かせたのはあの頃まで。少し後には体調を崩し、その後はずっと調子が悪かったらしい。ジーノはけっして話しかけやすい人ではなかったが、元気なうちにもっと話を聞いておけばよかったと思う。これで黄金期のベネジート・ラセルダ楽団のメンバーは全員亡くなってしまった。 そんなブラジルのサイトを見ていて気になったのが、ジーノを讃えるあまりに、ジーノが7弦ギターを最初に弾いた人だと書いている人が多かったことだ。実際、そう思い込んでいるショーロのファンがブラジルでも多いらしいが、こんな間違えた賞賛の仕方じゃ、かえって本人に失礼だ。 ジーノはブラジルで最初の7弦ギタリストではない。ぼくの知る限り(というか、レコードに残された音源を聞く限り)、ピシンギーニャの伴奏をしていたトゥーチこそが最初の7弦ギタリストだ。そんなトゥーチの影響で1920年前後には他にも7弦ギターを弾く人がいた。たしかピシンギーニャの兄弟も弾いていたのではないかと記憶する。 当時、ブラジルで7弦ギターが生まれたのは、ショーロの成熟と足並みをそろえてのことだった。当時のショーロのメイン・ソロ楽器は、何と言ってもフルート。そんなショーロのフルート演奏は、C管のフルートがポピュラーになってから、圧倒的に洗練されたものになった。伴奏するギタリストが7弦めをつけたのは、そんなC管フルートのせいだと思う。トゥーチは7弦めのをCにチューニングした(これはジーノも同じだ)。これは6弦ギターではEまで弾けないところを、トニックのCまで演奏できるようにするためだ。こうすることで、フルートの伴奏をするときに、普通のギターのオクターブ下のフレーズも弾けるようになる。これがショーロの演奏をより奥行きの深いものにできる、というのが、トゥーチのアイディアだったはずだ。 ちなみに、当初6弦ギターを弾いていたジーノが7弦を演奏するようになったのは、1950年代になってからで、たぶん初代7弦ギタリストのトゥーチが亡くなった直後だと思う。おそらくジーノはトゥーチの伝統を受け継ごうと思ったのだろう。そんなことは、きっと本人も生前に誰かに話していたはずだ。 ジーノの功績は、最初の7弦ギタリストだったことではなく、ショーロの新しいスタイルだったコンジュント・レジォナールにおける7弦ギターの演奏を確立したことにある。これはジーノだけでなく、相棒だったメイラとカニョートという3人の音楽家の共同作業によってだったが、中でもジーノの功績は大きかった。トゥーチはひとりでギターを演奏することを好んだが、ジーノは必ず6弦ギターと一緒に演奏した。そんなアンサンブルの中の7弦ギターの演奏スタイルを生み出したのは、間違いなくジーノだ。そういう意味で、ジーノが現代ショーロの7弦ギターの直接の祖であったことは間違いない。 そんな偉大なジーノさんの冥福を心からお祈りいたします。 |
6月14日(水) まだ体調はいまいち。でも土日を出張で使ってしまったせいで、雑務仕事がたまりにたまり、とてもこれ以上休むわけにはゆかない状況だ。それに雑用を早く片付けないと本格的な仕事ができないので、ますますストレスがたまる。ここのところトラブルが多く不完全燃焼の日々が続いているので、本格的な仕事に対する欲求がどんどんたまっている。とにかく、それができる環境をできるだけ早く作らないと。 そんなわけで、今日は珍しく夜まで仕事を頑張って、明日のリストの準備を進めた。そんなわけで、今週のメインはすでに決定している。さまざまな歌手たちがヌスラット・ファテ・アリ・ハーンに捧げて作った追悼歌を集めた『ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンに捧ぐ』だ。 ヌスラットが亡くなったのが1997年だから、来年でもう10周年。そんなヌスラットに捧げる歌を、カッワーリー歌手たち以外がこれほどたくさん作って録音していたことを、ぼくはこの2枚組アルバムではじめて知った。歌っているのは、すべてイスラーム圏の歌手たち。地元パキスタンにインド、アゼルバイジャンなどの近隣諸国から、西アフリカのセネガルまで、多彩な<コブシ系歌手>たちが綴るヌスラット追悼集だ。しかも冒頭に収録されているヌスラット本人の音源がまた実にすばらしくて、何度も聞き返したくなってしまう。久しぶりにヌスラットをとことん聞き直してみたいと思ったほどだ。 ちなみに、いまレコード店を眺めると、ヌスラットが亡くなった後に発売された追悼アルバムのほとんどはすでに廃盤。最後の名作ライヴ2枚組も店頭から姿を消してしまったようだ。そんなときだけに、皆さんにもう一度ヌスラットを思い出してもらいたくて、こんな追悼集を出そうと思った次第です。7月16日の発売予定。店頭に並んだら、ぜひチェックしてみてください。 |
6月13日(火) 今日も体調はいまいちだが、ライス盤の解説原稿の入稿日なので、朝から頑張って仕事。なんとかお昼過ぎには仕上げることができた。午後は雑務仕事をやって、夜には打ち合わせが1本。帰宅したらもう10時過ぎだ。せっかくワールドカップをやっているのだから少しくらいはサッカー中継を見ようかと思ってテレビをつけたが、瞼があまりに重く感じて、すぐに消してしまった。そんなわけで、今日も11時前に就寝。自分の時間をほとんど作れなかった一日でした。 |
6月12日(月) 急な週末出張のせいで、すっかり疲れてしまったようだ。普段、電車なんかにほとんど乗らないせいもあるのだろう、満員電車に乗るといつも風邪をうつされる。今回もそんな感じだ。昨晩から寒気がしていたが、今朝は熱が出てしまった。こんなときはジタバタしてもはじまらない。まずは疲れを取ることだ。そう思って、温かいおかゆを食べて、後はひたすら眠ることに。夜に日本代表の試合があったのだが、これもボーッとした中で見たので、あまり楽しめなかった。明日からはやらないといけないことがたくさんある。なんとか体調を戻さないと。 |
6月11日(日) 打ち合わせやらなんやらでアレコレ仕事をこなした出張から自宅に戻ってきたのは、やっと午後10時過ぎ。ヘトヘトに疲れての帰宅だった。これほど疲れると、日記を書く余裕はない。 |
6月10日(土) 今日と明日は関西方面に出張することに。仕事の打ち合わせなので、内容はここでは書けないけど、ちょうど仕事がたまっているときなので、あまりタイミングの良くない出張だ。昨晩は夜遅くまで仕事をしたせいで、行きの新幹線では熟睡。でも、電車でいくら寝ても疲れは取れない。いちおう本を持ってきたのだが、この調子じゃ読むことはなさそうだ。 |
6月9日(金) 一昨日、電話で抗議したIMSから返事がきて、ジュリー・ロバーツの日本における配給権がこちらにあることを認めて、あちらでは配給を取りやめてくれることになったのだそうだ。これでやっと一安心。IMSに対してすごく怒っていた発売元の英ラスも、これで安心してくれるだろう。 さあ、今日からサッカーのワールドカップ。今晩からサッカー漬けの毎日になるはずだったが、でも週末に急用が入ってしまい、今日は頑張って雑務仕事を全部終わらせないといけなくなってしまった。おかげでせっかくの開幕試合は、ほとんど見ることができず。せめてビデオに録画しておけば良かったのだろうが、そんなことしてもいつ見れるかわからないし…。残念です。 |
6月8日(木) リスト作成日。今週のメインは、前作が好評だったトルコ・ダブルムーンのオリエント・エクスプレッションズの新作と、バーデン・パウエルが亡くなる直前に残した秘蔵録音集(限定発売)、そしてファイズ・アリ・ファイズというパキスタンのカッワーリー歌手のアルバムになった。最初の2枚が7月2日、残りが9日の発売だ。 その中でもご注目いただきたいのがファイズ・アリ・ファイズだ。これはヌスラット・ファテ・アリ・ハーンに捧げて作られた作品で、彼のヨーロッパ・デビュー作でもある。すばらしくパワフルな歌声を聞かせてくれる若手歌手で、ぼくも2004年のウォーメックスで見てビックリさせられた記憶があるが、これもライヴ・アルバム。全編、まさに熱唱の連続という感じの内容だ。しかもこのファイズさん、今年の10月に行われるコンダロータ・フェスティヴァルで来日を果たすというから、楽しみ。まずはこのアルバムを聞いて、コンサートにも駆けつけてください。 ヨーロッパではそこそこ新作も出ているが、困ったのが最近のブラジル音楽だ。サッカーのワールドカップが近づくと、とたんに新作が少なくなる。4年前もそうだったが、特に有名な歌手たちは、人々がサッカーに熱中してしまうこの時期に新作を出したがらないのだろう。12月は中旬から1ヶ月近くクリスマス休暇を取って、その後2月のカーニヴァルも休んで、今年はワールドカップでも休む。これで経営がちゃんと成り立っているのだから、ブラジルのレコード業界はうらやましい限りだ。 |
6月7日(水) 昨日のトラブルが尾を引いて、仕事がなかなか進まない。そんなときに、またトラブル発生。今月18日に当社から発売されるジュリー・ロバーツのアルバムを、ユニバーサルIMSも輸入しようとしていることが判明して、困ってしまった。アメリカではMCAから発売されるこのアルバムは、アメリカとカナダ、ヨーロッパやアジアやアフリカの一部の国を除いて、英ラスが権利を買い取った。だから、ラスの商品を日本で独占配給している当社に権利がある。このことは、イギリスのユニヴァーサル・インターナショナルも認めてくれているのだが、それでもIMSはアメリカから輸入して売ろうとしているのだから、どうなっているのだろう。 たぶん悪気があってのことではなく、ユニバーサル本社がそんな契約をしたことをIMSはチェックしていないのだと思う。でも、並行輸入の禁止をあれほど訴えたのはメジャー会社で、自分たちはそのメジャー会社なのだから、自分が間違えて並行輸入しないように、もっと気を使っても良いのではないだろうか。自分で決めた法律を自分で破ってしまったら、こんなに格好悪いことはない。 そんなわけで、今日はIMSに直接電話。配給をやめてもらうようお願いした。担当者が不在で、明確な返事はもらえなかったが、これでもやめないようなら、次は法的手段に出るしかないのもしれない。まったく面倒な話だ。 そんなわけで、今日も余計なことにエネルギーを消耗。不完全燃焼な一日でした。 |
6月6日(火) 今日もひたすら原稿書き。ただ、小さなトラブルがいくつも発生したせいで、なかなか仕事に集中できない一日だった。 トラブルのひとつがクレディット・カード。使ってもいないお金を引き落とされそうになったという話はよく聞くが、まさかそれが自分にも降りかかってくるなんて…。間違いなのか、誰かが故意にやったのかは、いまだにわからないけど、こちらは解決するために電話をかけまくって、相当のエネルギーを消耗。もうクレディット・カードを使うのはやめようと思ったほどだ。 そしてもうひとつが、労働保険。先月に銀行からちゃんと振り込んだのに、労働基準監督局から電話があって、まだ入金されていないと文句を言われた。こちらはちゃんと振り込んでいるのだから、悪いのは銀行に決まっているが、それでも先方は銀行よりも、まずぼくを疑う。本当に払ったんですか〜という調子だ。しかもあまり何度も電話してくるので、途中で面倒になって、そんな保険やめてやらあ、罰金の請求でも何でも送ってきやがれ、なんて言いそうになった。ただ、よく考えてみれば、被保険者はぼくではなく、社員たち。いきなり保険を失ってはかわいそうなので、なんとか思いとどまったが、本当に面倒な話だ。それから先方は銀行にも連絡したらしく、支払いが成されていたことを確認して、お詫びの連絡をしてきたのだが、それでも消耗されたエネルギーは戻ってこない。役所は催促するのが仕事だから、それをやってりゃ食べてゆけるんだろうけど、こっちはそんなことに関わって仕事が進まないと、収入がなくなってしまう。経理部が存在する立派な会社ならともなく、こちとら社長自ら経理をやっている超零細企業なんだから、もう少し考えて対応してくれてもいいのではないだろうか。 そんなわけで、今日は完全に不完全燃焼。ストレスがたまるだけの一日だった。 |
6月5日(月) 昨晩、日本代表の試合の後にオランダとオーストラリアの試合まで見てしまったせいで、眠たい月曜日。でも、しっかり休養が取れたせいで、体調は十分。朝から元気いっぱいに仕事ができた。解説原稿は2本脱稿。その後はサンプルをチェックしながら、今後の発売予定を検討。夕方からは打ち合わせに出て、帰宅は12時過ぎ。それでも疲れを感じることなく頑張れた。 これほど元気いっぱいなのは、送られてきたサンプルCDRを朝に一枚聞いたのだが、これが超強力で、すっかりブッとんでしまったから。すばらしい内容の新録アルバムは、ぼくにとっての元気の元だ。発売予定は来年早々のアルバムなので、まだこの欄で紹介するわけにはゆかないが、もしもこれを当社が発売できることになったら、来年はすばらしいスタートを切れそう、なんて思うほど。新録アルバムで、これほどワクワクさせられるのは、本当に久しぶりだ。発売が決まったら、すぐにご紹介いたしますので、お楽しみに。 |
6月4日(日) 完全休養の日曜日。以前は日曜日もほとんど仕事をしていたが、疲れがたまってどうしょうもなくなってしまうことが多かったので、いまは出来るだけ休むことにしている。そうでもしないと、洗濯や掃除などがまったくできなくなってしまうということもあるのだが。 そんな家の用事は午前中に終わらせて、午後は久しぶりにネットでショッピング。ユニークなSP店のサイトを見つけたので、安いものを30枚ほどゲット。スペインのサイトでニーニャ・デ・ロス・ペイネスのボックス・セットも買った(このサイトは蒲田耕二さんから教えてもらいました)。ニーニャは、当社ですでに編集盤を作ってしまったので、いまさらボックスを聞いても<復習>するくらいしかないだろうけど、SPのほうは将来、自社制作盤で使うことになるかもしれない。なので、何を買ったかは、書きません。いずれにしても届く日がいまから楽しみだ。 夜は最近買ったLPやSPをまとめてチェック(最近、仕事以外ではほとんどCDを聞いていない)。ついでにサッカーの日本代表の試合も見ちゃったりして、久しぶりに遅くまで起きていた日曜日だった。さあ、楽しい休みも終わって、明日からはまた仕事。でも、ゆっくりできたので、仕事に対する意欲が沸いてきた。 |
6月3日(土) 朝から自社制作版の選曲作業の続き。普段は会社仕事があるので、ぼくが自社制作アルバムの仕事に集中できるのは、会社が休みの日だけだ。だから、なかなか進まない。本当は3日くらい、これだけに集中できる日があればいいのだが。 午後に新しいアルバイト君の面接。22歳の若者が来月から仕事してくれることになった。今度こそ、頑張ってもらいたいと願っている。初出勤の日にはこのページでご紹介します。 夜は久しぶりに古い友人たちと飲み会。ブラジル音楽関係の友人たちと会うのは本当に久しぶりで、11時頃まで飲んでしまった。ぼくは大人数の飲み会が苦手で、ワールド関係の集まりはほとんど参加していないが、ゆっくりお話ができる少人数の会ならけっこう好きだ。久しぶりにブラジル音楽の話をたっぷり出来たせいで、すっかりストレス解消ができた。 |
6月2日(金) たまっていた雑用仕事を終わらせるのに精一杯だった金曜日。月末と月はじめは、経理関係の仕事が増えるので、どうしてもこうなってしまう。こういう日は、日記に書くような話を思いつきません。 |
6月1日(木) 今日はリスト原稿の作成日。これで6月の発売スケジュールはこれでほぼ完成したのだが、いまいち不完全燃焼だ。 というのも、毎年5月と6月は、普段はワールドものなんてほとんど出さないメジャー会社がこぞって新譜を出す。そのあおりを食って、当社のような弱小会社が出すアイテムへの注文が少なくなってしまうことが最初からわかっているからだ。もしメジャー会社が出す新譜が、当社には出せないほどすばらしいものだったら、それも仕方ないが、実際は全然そうでもないから、アタマにくる。きっと今年も、なんのアイディアもない薄味のハワイアン編集盤とかが売れてしまうだろう。こんなときにどんな意欲作を出したって、お店には並ばない。おまけに6月はサッカーのワールドカップがある。前回は期間中、お店に閑古鳥が鳴いていたのが忘れられない。今回は自国開催だった4年前ほどは盛り上がらないと思うが、それでも心配です。 そんなわけで、5〜6月に発売を予定していた当社の自社制作盤は、ぜんぶ7月以後に回すことにした。 |