1月31日(月) 今日は今月最後の出荷日。ちょうどインドネシアとアラブから荷物が届いたので、それも一緒に出荷しないといけないから事務所は大慌てだ。当社の商品のほとんどにはオビとか解説とかがつけられている。それらをつけるのは、もちろん手作業。だから、出荷日に荷物が入ってくると、急に忙しくなる。 ぼくのほうは経理仕事に追われた1日。支払いもあるし、伝票はまとめないといけないし、決算の書類も揃えないといけない。朝からそんな仕事に追われて、本格的な仕事にはほとんど手をつけられないのが毎月の最終日だ。 しかもこんな日に限って海外からのメールが多い。ヨーロッパではミデムという国際レコード見本市が終わったところなので、取り引き先の人たちがいっせいに帰国。メールを送りはじめたのだろう。帰宅してから自宅のコンピュータから返事を書いていたら、夜の10時を過ぎてしまった。中にはミデムで日本の取り引き先を探していたのに見つけられず、仕方なくぼくのところにメールをしてくる会社もある。最初から当社に言ってくればいいのに、ミデムに行けばもっと良い会社が見つかると思っただろう。でも、ぼくのほうだって意地があるから、こういう会社にはすぐに返事を出さない。あんまり選り好みしていると、良いことはないということです。 明日は海外への送金日。そして決算書類のまとめ。その後はプロモーターさんとの打ち合わせ。また忙しい一日になりそうだ。 |
1月30日(日) 今週は支払いや経理の締めなどもあって、終日には休めそうもない。そう思って、今日を完全休養にすることに決めた。と言っても、掃除や洗濯、食料の買出しなど、いつも通りやることはたくさんあるのだけど。 大宮のロフトに買い物に行ったついでに、WAVE大宮店を覗いてみた。当社から発売されたばかりのサミーラ・サイードの『わたしに力を』(ライス ALR-565)が面だしでディスプレイされていたのはありがたい限り。アラブ音楽に力を入れているとは思えないこのお店でも、このアルバムなら売れると判断してくれたのだろう。 サミーラ・サイードは確かに美人シンガーだが、けっこうベテラン。地元では数多くのアルバムを出している。スタイルはいわゆるアル・ジール。欧米のポップスっぽい伴奏だ。でも、だからといって単なる美人系売れ線歌手ではない。良く聞くと、歌はそこいらの伝統専門歌手なんかよりもずっとずっと上手いのだ。そういう意味で、普段はアラブ音楽なんて聞かない人にもぜひ聞いていただきたい。大宮店でも売れてくれたら嬉しいところだ。 |
1月29日(土) 午前中は経理仕事。午後は注文していたCD棚が届いたので、久しぶりのCD整理。今日はとりあえずヨーロッパからアラブ音楽までを整理した。来週は次のCD棚が来るので、今度はアメリカやラテン・アメリカのCDを整理することになりそうだ。 CDを整理していて思ったのが、余計なものがかなり多いこと。そのほとんどが評論家をやっているときにもらったサンプル盤だ。もう二度と聞くことがないと思われるものは、これを機会に処分することにした。書庫の整理も少しやったのだが、こちらにも処分しないといけないものがたくさんある。住宅事情が許せば、全部とっておいたほうがいいのだろうが、増えることはあっても減ることがないのがCDや本。このままじゃ寝る場所がなくなってしまうから仕方がない。 CDを整理していてもうひとつ気がついたのが、せっかく買ったのに聞いてもいないCDがけっこうあること。サンプル盤は仕事だからつまらなくても全部聞いている。でも、自分で買った輸入盤に封も切ってないものもあるのは困ったものだ。きっと、あまりにまとめて買いすぎて全部聞き切れなかったのだろう。いまはそれほど買っていないから、買ったものは全部ちゃんと聞いているが、10年ちょっと前は知らない音楽がいきなりたくさん紹介されたので、それを追いかけるのに必死だったようだ。 でも、CDの場合、こうして手元にあれば、いつでも聞くことができる。もしも買っていなかったら、永遠に出会うことのない音楽だったかもしれないのだから、やっぱり思い立ったら買っておいてよかったのだろう。いまから聞いたって、けっして遅くない。そう思って、整理しながら、今日は古いCDをずいぶん聞いた そうそう、ライスのアルバムだって、いつまでも廃盤にならないとは限らない。思い立ったときに買っておかないと、一生出会わないかもしれませんよ。いつまでもあると思うな、親とレコード。気になっているアルバムがあったら、早めに買っておいてくださいね。 |
1月28日(金) 朝は決算の準備。経理仕事もいよいよ大詰めだ。そして午後は外出して、まずはミュージック・マガジンに届け物。その後、打ち合わせを1本はさんで、渋谷のエル・スールへ。さらに夜はアトンの谷岡社長と小島さんと3人で新年会。普段は浦和からあまり出ないぼくには珍しくアチコチを歩き回った。おかげで帰宅したときは疲労困憊。でも、たまにはこういう日もいいものだ。 珍しく深夜にCDを聞く。今日は南インドのスブラクシュミ。もちろん追悼の意味もこめて、じっくりと彼女の歌声に耳を傾けた。彼女のアルバムも、もし機会があったら当社でも出してみたいと思う。 |
1月27日(木) 今週発売のルイス・ゴンザーガの『バイオーンの王様』(ライス BSR-566)がやっと工場から届いた。今日無事に各店に納入。これで週末には間違いなく店頭に並ぶことになる。ブラジル北東部音楽の王様の初の国内制作アルバムだ。シンク・オヴ・ワンの新作などを聞いて北東部音楽を知った人、あるいはレニーニのファンにもぜひ聞いていただきたい。ムチャクチャ面白いですよ。 以前も書いたけど、当社は12月決算。だから1月末には決算書類を全部出さないといけない。おまけにこの時期には、年末調整やらの作業もある。数字を見ただけでもイヤになってしまうぼくにとっては、一番いやな時期だ。さらに、いままでためていた役所関係の仕事もあったりして、今日はほとんどそんな雑用で終わってしまった。来週アタマくらいには全部終わらせてスッキリさせたいところだが…。 夜になって斎藤憐さんが書いた西條八十の評伝『ジャズで踊ってリキュルで更けて』(岩波書店)を読みはじめる。昨年の後半には服部良一の評伝も読んだし、その前には古賀政男の評伝も読んだ。おかげで最近、アタマの片隅にはいつも日本の音楽がある。時間ができたら、また流行歌のSP収集をはじめたいのだが…。 |
1月26日(水) 昨日の休みで少しリフレッシュ。朝早く起きて原稿書きなどに取り組んだ。カルロス・ゴンサルヴェス『ポルトガル・ギターのエッセンス』(サンビーニャ TS-5123)の解説を脱稿。今朝も何度か聞き返したが、聞けば聞くほど味わい深いアルバムだ。今週末には店頭に並ぶはずなので、もし見かけたらよろしくお願いします。 そうそう、今週末といえば、独自制作盤のルイス・ゴンザーガ『バイオーンの王様』(ライス BSR-566)も出る。今年はブラジル北東部音楽が来るとぼくは予想しているのだが、その前に<王様>の音楽くらいは聞いておかないと。これももちろん、すばらしい内容に仕上がっていますので、よろしくお願いいたします。 イギリスBBCのワールド・ミュージック・アワードが発表されたが、ティナリウェンだけでなく、ハレドも大賞を獲得していたようだ。ノミネート作品も含めて、当社が配給させていただいているものは他にもけっこう多い。これもヨーロッパの各レーベルと誠実にお付き合いしてきた結果だろう。これからもこんな姿勢は崩さず、頑張ってゆきたいところだ。 例の2枚組アルバムの制作作業はいよいよ大詰め。なんとか来週くらいにはプレス工場に入りそうだ。それが終わったら、今度は新録の自社制作盤の作業に入らないと…。忙しい日々はもうしばらく続きそうだ。 |
1月25日(火) 先週に続いて完全休養。肩がバリバリにこっていたので、行きつけのスポーツ・クラブで軽い運動やマッサージをすることに。久しぶりに汗をかけて、気持ちがいい。午後は池袋のジュンク堂で買い物を少し。自宅に戻ってから、食材の買出し、掃除、洗濯をすませたところで、もう夕方になってしまった。休みの一日は本当にアッという間に過ぎてしまう。 イギリスBBCが主宰するワールド・ミュージック・アワードでティナリウェンの『アマサクル』がアフリカ部門の大賞を受賞したようだ。 |
1月24日(月) 午前中は2月発売予定の新録アルバムの準備。午後はサンビーニャ・シリーズのアルバムの解説を途中まで書いてから事務所に。 当社ではアリオンとブッダ(ともにフランス)という民俗音楽の膨大なカタログを持っている会社の音源を、年に2回ずつくらいずつシリーズ化して紹介しているが、今度はブッダの音源から<ブラス・アラウンド・ザ・ワールド>というシリーズ名で8枚のアルバムを紹介させていただくことにした。ブラス・バンドは世界の各地に分布しているが、ポピュラー音楽の出発点というか、西洋音楽との融合の第1歩という役割を果たしてきた重要なスタイル。そんなブラス・バンドの音源を幅広く聞いてもらうのも面白いと思ったからだ。 幸い、ブッダにはキューバ音楽の故郷サンティアーゴ・デ・クーバの市民楽団とか、南インドのブラス・バンドとか、なかなかに聞き応えがある音源が数多い。アフリカ(初期のハイライフっぽい音)、トルコ(ジプシー楽団)、ルーマニア(ファンファーレ・チョカリア・スタイル)なども入って、内容もかなり幅広いものになりそうだ。 ちなみに担当は伊東くん。今日は遅くまで頑張ってリストを作ってくれた。来月中旬あたりにはお店に並ぶと思われるので、どうぞよろしくお願いいたします。 |
1月23日(日) とっても寒い日曜日。今日は自宅作業の予定だったので、ぼく自身はいくら寒くてもOKなのだが、2週続けて天気の悪い日曜では、せっかくのお休みに外出しようと思っていた人たちは気の毒だ。 昨日の続きで、新作アルバムの準備。本や資料を少し揃えないといけないことは昨日わかったのだが、今月はもう本を買うお金は残っていないので、とりあえずあるだけの資料を整理することに。調べないといけないことはたくさんあるけど、仕事がタイヘンなほうが気合が入る。今日は集中して、夕方までじっくりと調べものができた。 寒いので夜はおでんを作ることに。久しぶりだったが、けっこう上手く作れた。これでゆっくり熱燗でも飲む時間があったら、もっと良かったのだが…。 |
1月22日(土) 朝早く起きて、週末のメール・チェック。新しく取り引きしようとしている会社もあって、最近はメールの返事を打つだけでもけっこう時間がかかってしまう。 お昼からは事務所で昌くんと一緒に、3月初旬に予定しているライスの復刻シリーズの次のアルバムの準備。もうずいぶん前からやっている仕事だが、選曲と解説は中村とうようさんで、しかも当社としてははじめてのダブル・アルバム。さらに日英同時発売を目指していることもあったりして、これまでのアルバムとは勝手が違うこともあり、予定より思い切り時間がかかってしまっている。なんとか頑張って、ブックレットのほうは今日でだいたい構想がまとまった。そのアイディアを昌くん経由でデザイナーの吉岡さんに伝えてもらって、あとは週末に頑張っていただくことに。来週は音のほうを仕上げないといけない。 夕方に自宅に戻ってからは、そのアルバムに次に出ることになっている、ぼく自身のプロデュース作品の準備。こちらは新録ということもあって、復刻ものとは別の意味で手間がかかってしまう。音やジャケットのための写真はすでにほとんど出来ているので、あとはブックレットの中身と、解説の準備だ。これもかなり悪戦苦闘しそうだが、なんとか良いものにしないといけない。 ただし、今日の準備段階で、まだまだ勉強しないといけないことがたくさんあることが発覚。この先、タイヘンそうだ。 |
1月21日(金) 出荷やリストや経理関係の仕事などは昨日のうちに終わっているので、さほど慌しさはない金曜日。ただ、やらないといけないことはたくさんあるので、ゆっくりとはしていられない。 まずは来月ライスから登場するアイテムの最終確認と、新しく取り引きをはじめた英ミスター・ボンゴ商品のプロモーション企画、同じく来月予定している民俗音楽シリーズのアルバム選定など、先の仕事の準備をスタートさせた。それぞれ担当が決まっているので、ぼくは基本的な部分を決めて、あとはアイディアだけ出すだけ。ここから先は担当者にまかせるつもりだ。 当社がカヴァーするジャンルはいまや多岐にわたっている。そのすべてをぼくがチェックしてガミガミ言ってる余裕はない。そんなことをしていたら、ぼくが自分の仕事をする時間がなくなってしまう。それに、すべての商品をぼくの色に染めて発売するのも、あまり良いとは言えないだろう。音楽は基本的に趣味のものであって、いろんな趣味の人に対応する商品を出してゆくのがぼくらの仕事。レーベルと取り引きさせていただいている立場上、ぼくの趣味に合わないからといってそれを簡単に排除するわけにはゆかない。 ただ担当者たちは、それぞれはまだまだ初心者マーク。全然慣れていないのは事実なので、きっと不都合なこともあるかもしれない。ここはどうか長い目で見てあげてください。そのうちしっかり育てますので。 夕方から元ヴァージン新宿店のワールド担当だった村上さんと打ち合わせ。村上さんには新宿店時代にお世話になったのだが、このたびヴァージンをお辞めになって独立されるとか。だから、今日はお疲れさん会という感じだ。 その後、渋谷にアンティバラスを見に行こうと一瞬思ったのだが、終演までいたら電車で帰れそうもないようなので、やめた。最近はすっかり早寝早起きの生活が身についてしまったので、10時を過ぎると眠たくなる。遅い時間のコンサートなんて、とても見ていられない。公演の後に飲み会を予定している人もいたようだが、ぼくにはとんでもない話だ。最近すっかり付き合いが悪くなってしまった。 |
1月20日(木) 今日はリスト作成日。そろそろヨーロッパのレーベルも休暇が明けて動きはじめたみたいで、新しいアルバムの情報もいくつか入ってきた。今週のメインは、ポルトガル・ギターの名手カルロス・ゴンサルヴィスによる珍しいポルトガル・ギターのソロ・アルバム。ファドの伴奏楽器として知られるポルトガル・ギターだが、かつての名手たちはこつこつとインスト・ナンバーを作曲していた。そんなかつての作品を、80年代にアマリア・ロドリゲスの伴奏を務めていた名手ゴンサルヴィスがいまに再現したのがこのアルバムだ。伴奏はもちろんギターのみ。しっとり静かな音楽なので、BGMとして聞いてもよし。でも、じっくり聞くと、ファドの深遠な世界の一端に触れられるという、なかなかの作品だ。お店に並ぶのは2月になってしまうが、見かけたら聞いてみてください。 そうそう、注目作といえば、ワールド・ミュージック・ネットワークの<ラフ・ガイド>シリーズも最近は意欲作が多い。来月リリースされるのは、ダブとブーガルーとアイリッシュものの3枚。特にダブの入門編アルバムなんてこれまでなかったから喜ばれるかもしれない。キング・タビーの初期録音などもバッチリ入っています。 前々からよく耳にすることだが、ワールド・ミュージックを長年聞いていて輸入盤を買いなれている人の中には、当社から配給されるアルバムの多くに解説がついているのをもどかしく思っている人もいるのだそうだ。早い話、解説なんてついてなければ、もっと安く手に入るのではないかと…。でも、これは間違いだとういうことを、一度説明しておきたい。 仮に当社が解説なんてつけないでハダカの輸入盤としてお店に卸したとする。もちろん解説にかかるコストを削れるわけだから、卸価格は少し落ちる。でも、それくらい卸価格を下げたくらいでは、間違いなくそのハダカの輸入盤のほうが、解説をつけた商品よりも店頭価格は高くなってしまう。ヘンな話だと思われそうだが、これが事実なのだから仕方がない。 というのも、日本盤と輸入盤では、お店が上乗せする値段が違うからだ。解説がつけば日本盤扱いになって、お店の利率が下がる。でも輸入盤のままでは利率が高いので、店頭価格は高くなってしまう…。 解説もついていないハダカの輸入盤を、何も気にしないで買ってくれる人がたくさん入れば、お店だって輸入盤を安く売ろうとするのだろう。でも、買ってくれる人が少なくなったから、こういうことが起きてしまうのだ。要するに輸入盤というのは、いまやリスクの大きい商品であって、できたらあまり置きたくないというのがお店(またはその経営者)のホンネなのかもしれない。 そんな状況をなんとか打破しようと思って、当社としては輸入盤に解説をつけて売るということで、商品をできるだけ安く供給できるように頑張っているわけです。お店の担当者の皆さんもそんなぼくたちの意欲を理解して、協力してくれている。そんなぼくたちの努力を、輸入盤のファンの皆さんにも少しはわかっていただけたらと思うのです。 ちなみに、輸入盤に解説をつけて売っているのは、当社のような弱小会社だけじゃない。メジャーだってやっている。最近ではデイヴィッド・バーンの新作を日本盤で買ったら、中身は輸入盤だった。あのバーンの新作ですら、日本でプレスしたら採算が合わないということだ。いまの業界はそれくらい状況が厳しいのです。 |
1月19日(水) 昨日は久しぶりに休めて少しリフレッシュ。今朝はこころなしか少し身体が軽く感じられる。 原稿書きの仕事は、今週の分はいちおう一段落したので、今日から次のプロジェクトに本腰を入れることに。まだ内容は明かせないが、今月末発売予定のルイス・ゴンザーガに続いて次のライスの独自制作盤が来月にも登場する予定。それの準備にやっと本格的に取り掛かることになった。 独自制作盤は輸入盤やライセンスものにくらべたら、どうしても手間がかかる。いま日本のワールド・ミュージックのレーベルで、輸入盤のこまめな仕事もしながら独自制作盤も作るという会社が少ないのはそのせいだ。でも、ぼくは両方大好きというか、このふたつをバランスよくやってゆくのが良いのではないかと思っている。独自制作のアルバムばかりやっていると、人の作った音楽を聞かなくなるし、そうなると良いアイディアも浮かばない。輸入盤もこまめに聞いているからこそ、こんなアルバムがあったらいいなというアイディアも浮かぶわけなのです。 とは言ってみたもの、自社制作ものが入るとスケジュールはますますタイトになる。今週末もまた休日返上になりそうだ。 ユッスーのベルシー公演ライヴの2004年盤がやっと入ってきた。アフリカ70が関係したレア音源を収録したアルバムも無事入荷。ともに今週末あたりにお店に並ぶはずなので、アフリカ音楽好きの方はお見逃しないようにしてください。 |
1月18日(火) あまりに疲れたので、今日は一日完全休養することに決めた。昨年は無理して2度も倒れてしまったので、今年は気をつけないと。とにかく今日は休み。仕事に関わることは一切したくないという気分だったので、電話も受けず、メールもチェックせず、サンプルも聞かず、本も読まなかった。本当は聞きたいCDもあったのだが、資料が山積みになっている自宅にいると休みの気分にはならない。そこで久しぶりに外出することにしたのだが、天気が良いのでどこかをブラブラしようと思ったら、また浅草に来てしまった。そうなると夕食はお決まりの<あらまさ>。久しぶりにゆっくりお酒を飲ませてもらった。 |
1月17日(月) 資料が送られてくるのを待って一部書き残しがあった『ファド新世代』(ライス CNR-3003)の解説原稿が完成。同じく23日に発売されるトルコの楽器別ヴィンテージ録音シリーズの共通解説部分も書き上げる。これでぼくが担当している解説原稿はいちおう一区切りだ。今日は他にもやりたい仕事、やらないといけない仕事がたくさんあったのだったのだが、もうどうにも身体が動かない。思えばお正月の2日から休みなし。相当に疲れがたまったのだろう。 夜は弁護士さんと打ち合わせ。3年も係争中の裁判もやっと結審されることになったようだ。ただ、その後に控訴審があれば、またしばらく続くわけで、安心してはいられない。当社とはまったく関係ない裁判だが、ぼくが面倒を見続けないといけない事情がある。これもまた本当に疲れます。 |
1月16日(日) 朝早く起きて、解説原稿を書いたり、サンプルをチェックしたりの一日。2月リリースの候補作がいくつかあるのだが、どうしても1本に絞り込めなくて困っている。今日も何度か聞き返したのだが、ますます迷ってしまった。明日あたりには決定して、契約を交わしてしまおうと思っていたのだが。 朝から雨だったが、ぼくは雨の日曜日はけっこう好き。せっかくのお休みで遊びに出ようと思っている人には気の毒だが、ぼくのように日曜は必ず自宅作業という人間には、静かな日曜日が好ましい。外出したいという欲求も、雨だとないので、仕事に集中できる。今日もそんな感じだ。 以前お付き合いがあったフランスの配給会社から、フランスの某有名ワールド・ミュージック・レーベルと取り引きしないかという打診が夜に届く。日曜日にヨーロッパからメールなんて珍しいが、きっとわざわざ自宅から送ってくれたのだろう。実はライスUKはフランスの配給先を探しているのだが、その某レーベルは配給もやっているという話も。ひょっとして、一石二鳥の仕事になるかもしれない。OKという返事を打ってみたのだが、さあて結果が楽しみだ。 |
1月15日(土) 昨晩は帰宅した後もなかなか眠れず、おかげで今日は大寝坊。目が覚めたらもう9時だった。眠れなかったのは、帰宅して『ジョンの魂』を何度も聞いたから。疲れたけど、幸せな夜だった。 午後は打ち合わせが1本。帰宅して原稿書きを再開。なんとかブラジル歴代最高のフルート奏者ベネジート・ラセルダの『銀の笛』(サンビーニャTS-25028)の解説を書き上げた。ラセルダは、簡単に言うと、ショーロの歴史ではピシンギーニャの次に偉かった人物。コンジュント・レジォナールというスタイルを確立させ、今日のショーロの基礎を築いた。同時にすばらしいフルート奏者で、あの軽やかなブラジル的なフルート奏法は彼が生み出したといってもいい。これだけすばらしい業績を残した音楽家が、いまでは本国でもまったく忘れられてしまっているのだから、困ったものだ。このアルバムはそんな彼がコンジュント・レジォナールというスタイルを確立させる過程を追った内容で、なんとショーロだけでなく、サンバを歌うラセルダまで収録している。ややマニアックだが、ショーロの歴史に興味をお持ちの方なら楽しめる1枚だろう。 夜は自宅でリラックス。やはり他社発売で好きなアルバムを、お酒を飲みながら楽しんだ。美味しそうな鳥が手に入ったので、鍋を作ってみたのだが、これが最高の出来。新しくレパートリーに加わりそうだ。 |
1月14日(金) 朝はいつも通りの解説執筆。ただ思ったほど進まないのは、長い原稿を書いた後で体力を消耗してしまったせいもあるのだろう。原稿書きは、調子よく進んでいるときは気持ちいいが、なかなか進まないとストレスがたまる。今日はそんな感じだ。 今日書いていたのは、当社から16日に発売される『ファド新世代』(ライスCNR-3003)の解説。長い間アマリア・ロドリゲス一色だったファドに、アマリア亡き後いきなり多くの若手歌手たちが登場したことは、当社から発売したジョアナ・アメンドエイラなどをお聞きの方はご存知のはずだ。このアルバムは、そういったファド新世代歌手たちの最近の録音から編集した内容。レーベルを超えた選曲なので、これを聞けばいまのファド・シーンの全貌がつかめる。2枚組だが、選曲が良いせいか、すっきり聞けて、重くない。お好きな方はぜひお聞きください。16日にはお店に並んでいる予定です。 本を買いに大宮のジュンク堂に行ったのだが、思うところがあってその下の階にあるWAVE大宮店でも少し買い物。そこでジョン・レノンの『ジョンの魂』を買った。もちろんLP時代から何度も聞いたアルバムだが、LPはここ数年行方不明。ジョンのアルバムは最近すべて新しい装丁で再発されたと聞いたので、マスタリングをチェックする意味でも一枚くらいと思って、このアルバムを買ってみた。 いまさら『ジョンの魂』を買った理由がもうひとつ。最近、アルバム一枚をなめるほど聞き返すようなことがなくなってしまったせいで、LP時代にそういう経験をしたアルバムをなんでもいいから聞いてみたくなったからだ。当社の商品は、いくらすばらしい内容でも、ぼくにとってはあくまでお客様に供給するための商品であって、ファンという立場で楽しむことは難しい。もちろん自分でプロデュースしたり編集したりしたアルバムも同じだ。そこで、リラックス・タイムに楽しめるアルバムは自分の仕事と関係ないものに限られてしまうのだが、そんな時間に、1枚をじっくり何度も聞けるようなアルバムが、ここのところなくなっていた。一日に何枚ものサンプルを聞く生活をしていると、昔みたいに同じレコードを100回も聞くような時代に戻りたくなるときがあるのです。 夜はデザイナーの吉岡さんとカメラマンの木原さんと、ライスで来月あたりに発売する予定のアルバムのジャケット撮影。目黒駅で待ち合わせてインドネシア人学校に向かい、撮影を済ませた。終わった後は二人と駅前の居酒屋でいっぱい。3人で仕事するのは、本当に久しぶりだ。 |
1月13日(木) 今日は今年はじめてのリスト作成日。先週が年に一度のリストのお休みの日だったこともあって、今週は盛りだくさんの内容になった。今週のメインは、昨日まで作っていたルイス・ゴンザーガの『バイオーンの王様』(ライス BSR-566)と、ミスター・ボンゴの新作『ブラジリアン・ビート6』(ライス MBR-444)。ゴンザーガのほうは30日発売なので、あと2週間ちょっとで店頭に並ぶ予定だ(ボンゴの新作は2月13日発売)。どうぞ、よろしくお願いいたします。 ひとつ仕事が終わったら、もう次の仕事が待っている。今日から次のライス独自制作アルバムの仕事にとりかかった。ライスUKがスタートしてもうすぐ1年になるが、今度作るアルバムははじめての日英同時発売。解説が日本語と英語の両方がついているという、画期的な内容だ。しかも2枚組みデジパックという、当社としてははじめての装丁。2枚組だから、マスタリングも大変だし、デザインも手間がかかる。なんとか月末までに入稿して、来月末くらいの発売を目指しているのだが、さてどうなることか。 そんな大作アルバムの仕事をやりながらも、通常の解説仕事はちゃんとこなさないといけない。午後から来週発売予定のファド・アルバムの解説を執筆。こちらも2枚組だ。まだ調べるべきことは多いけど、他の仕事もあるし、なんとか明日くらいには書き上げないといけないのだが…。 |
1月12日(水) さすがに疲れたのか、今日はもうは新しい原稿を書く気力は残っていなかった。ただ、昨日書いた原稿の校正や曲目データの確認はしておかないといけないので、これに集中することに。これだけ長い原稿だと校正もけっこう時間がかかる。それ以上に時間がかかったのが曲目データの整理で、ゴンザーガの場合、40年代までは完璧なディスコグラフィがあるのに、それ以後だと資料によって録音年の食い違いがたくさんあるのに困ってしまった。 結局調べていてわかったのが、どうもバイオーンの大爆発の後、ゴンザーガの過去のSPがいくつか再発されたのだが、それがオリジナルSPとゴッチャになって、わかりにくくしているようだ。ブラジル音楽は、20世紀初頭あたりの録音のディスコグラフィはほぼ完璧に揃っているのに、50年代になると逆に分からないことが多くなっている。きっとこれはそういう理由なのかもしれない。結局、そういったことを確認するだけで4時間も費やす。経理帳簿もそうだけど、数字(録音年やレコード番号)ばかりが並んだ資料を見るのは本当に疲れる。 ゴンザーガの解説を書いていてひとつ心残りだったのが、歌詞の問題だ。ゴンザーガは北東部の内陸の牛追いたちの言葉で歌うのだが、これがどうしてもすべて聞き取れない。聞き取れても、辞書などには載っていない言葉が多くて、これまた困ってしまった。特にウンベルト・テイシェイラが歌詞を書いた曲は、たぶんダブル・ミーニングやトリプル・ミーニングがかなり使われている。普通に聞くと故郷を思うサウダージものの歌なのに、ダブル・ミーニングに気がつくプロテスト・ソングだったことがわかるような曲もあるようだ。このあたりまでもっと詳しくわかったら、面白かったのかもしれないが。 ゴンザーガの音楽をはじめて聞いたのは70年代後半。それから25年以上聞いているはずだが、それでもこうして集中して聞きなおして、はじめてわかったことも多い。それだけ懐の深い音楽家だっということだろう。勉強になりました。 |
1月11日(火) 今日も原稿書き。朝早くからはじめて、午後遅い時間にやっと書き上げた。合計21000文字くらい。今回も長い原稿になってしまった。 ぼくがこれだけ長文の解説を書くのは、当社ではライスの復刻シリーズ以外にない。実は今回作っているのは、ブラジル北東部音楽の王様ルイス・ゴンザーガのアルバムだ。いままでヒミツにしていたのは、藤原さんに依頼していたジャケット・デザインが仕上がるかどうか微妙なところで、発売日がズレる可能性があったからだが、ぼくの解説原稿と一緒に藤原さんのジャケットも無事に仕上がった。これで1月30日の発売は問題なさそうだ。 選曲も満足できるものになったし、解説も(自分でいうのもナンだが)かなりの力作。北東部音楽の決定版が出来上がったと自負している。月末にお店で見かけたら、ぜひ聞いてみてください。 連休を返上して2日半で原稿用紙50枚の原稿を執筆。しかもお正月の2日からまったく休みなしだから、相当に疲れがたまってきた。できたらこの週末あたりはお休みさせてもらいたいが、まだミックスやマスタリングの仕事が残っているし、どうなることやら。いつになったらゆっくりできるのだろうか…。 |
1月10日(月) 朝早く起きて、ひたすら原稿書き。今日も食材を買いにちょっと外出した以外は、ずっと自宅作業。パソコンに向かって、書きまくった。結局、夜8時まで頑張って、8割くらいは仕上がった。後は明日の朝に頑張ろう。 |
1月9日(日) 昨日作った選曲の再チェック。そして解説原稿書きをスタート。選曲作業を終える頃にはいつも解説で書きたいことはだいたい固まっている。あとはそれを文章にするだけ。ただ、その分量が多いから、どうしても時間はかかってしまう。今日は自宅を一歩も出ず、ひたすらパソコンに向かって仕事。まずは書きたいこと、書いておかないといけないことを、忘れないうちに書きなぐった一日だった。 |
1月8日(土) 朝早くに事務所に行って、経理仕事の再確認。10時には税理士さんがやってきて、12月の経理仕事が終わった。午後は自宅に戻って、ライスから発売されるアルバムの選曲作業の再確認。改めて音源を何度も聞きなおして修正を重ね、こちらもなんとか完成品ができあがった感じだ。また資料と照らし合わせなければいけない部分がいくつかあるが、とりあえず満足のゆく内容に仕上がりだ。 夜は音楽評論家の蒲田耕二さんと西川口で新年会。二人とも大人なので、遅くまで飲み倒すことはしない。午後10時には散会。でも、仕事のことを忘れられる、とても楽しい一夜だった。 |
1月7日(金) 昨日は早くもブラジル盤が入荷。アラブ盤の一部も入ってきた。来週早々には英ラスや仏アリオンなどからも荷物が入ってくるし、今年は新年から入荷が順調のようだ。今月発売のアイテムのいくつかは、遅れるといけないので昨年のうちに注文していたのだが、多くは年内に入荷していたので、いまサンビーニャでは未出荷商品が山のようになっている。来週中にはその大部分を出荷してしまいたい。 朝早くに会社に行って、経理仕事の一部を片付けたところで外出。今日はほとんど金策に追われてしまった。新年早々お金の心配というのもいやなものだが、会社をやっていると年に何回はこういうことがあるものだ。今年はこれ限りにしたいところだが…。夕方、あまりに疲れたので事務所に寄らず、直接自宅へ。 明日から世間ではまた3連休。でもぼくは3日ともばっちり仕事だ。久しぶりに長い原稿を書き上げないといけない。今日は無理しないで、早く寝ることにしよう。 |
1月6日(木) サンビーニャは今日が仕事はじめ。やっと全員が事務所に揃った。そんなぼくらに気合を注入してくれたのが、大量のファックスだ。取り引きさせていただいているお店もどこも年末年始で繁盛したようで、バック注文がたくさんいただいた。特にティナリウェンとラシッド・タハはベスト・アルバムに選ばれたこともあって売れ行きがいいようだ。嬉しいことだ。 当社は12月決算という珍しい会社なので、今日が棚卸し。当社ももう8年目に突入するので、リリース点数が増えるにしたがって在庫も多くなっている。棚卸しもだんだんタイヘンになってきた。 初日というわけではないが、今朝は4時半に起床。外国からのメールに返事を送った後、昨日までやっていた選曲仕事をしっかり終わらせてから事務所に行った。土曜日に税理士さんが来るので、今日は帳簿仕事を終わらせないといけない。そして決算の準備と、一番不得意な会社仕事が続く。午後はデザイナーの吉岡さんと事務所で打ち合わせ。1月は吉岡さんにお願いする仕事がたくさんある。本当は年末にやってもらいたかった仕事もあるのだが、他の仕事と重なってできなかったようで、今日から仕切りなおしだ。 夕方は早めに自宅に戻って、サンプルのチェック。面白いものもあるけど、決定的なものはまだ見つかっていない。昨年のいま頃はもうティナリウェンのサンプルが届いていたよな、なんて思いながら、ちょっと焦りも。でも、それじゃいけない。決定的なものがなければ、自分で作ればいいのだ。他力本願じゃなく、今年は自社制作盤でヒットを飛ばすことを目指すことにしよう。 2005年もサンビーニャをどうぞよろしくお願いいたします。 |
1月5日(水) 今日は原稿書きはやめて、選曲作業に集中。高校サッカーの準々決勝も見ないで、ひたすら候補作を聞き返した。ただ、いくつか差し替えしたおかげで内容的には随分まとまってきたのだけど、まだ何か足りないかも。あと、もうひと味欲しい感じだ。今日はもう思考が回らない。明日早起きして、アタマがフレッシュなところで再チェックすることにしよう。 夜はリラックス・タイム。年末に買ったCDを片っ端から聞くことにした。ただ、そうして仕事とは無関係のCDを聞いているのに、面白い内容でまだ日本発売されていないアルバムがあったりすると、思わず発売元にメールしてしまったりする自分がいるから、困ったものだ。 どんなCDを聞いていても、仕事から完全には離れられない。結局こういう仕事をしていると、音楽のまったく存在しない場所に行く以外、本当に仕事を忘れることはできないのかも。 さあ、明日からサンビーニャは営業開始だ。 |
1月4日(火) 今日は今年はじめての銀行の営業日。朝から海外送金の準備をして、ちょっと事務所に寄ってサンプル盤の整理をしたりした後、銀行が空いている午前中のうちに送金を済ませた。 午後は自宅に戻って解説原稿の執筆作業。今日はサンビーニャ印で発売されるブレンダの追悼作2枚と英ラスから出たジュリアン・ジャコブのセカンド・アルバムと、計3枚分を脱稿。昨年亡くなった南アフリカの新世代歌姫ブレンダは、代表作を集めたベスト盤のほうは面白い曲も多くてかなり楽しめた。はじめてこの歌手を聞くには良い内容だと思う。今週末か来週末にはお店に並んでいると思うので、見つけたらぜひ聞いてみてください。 昨日に続いて、今月末くらいにライスから発売される予定の編集盤の選曲。昨日より曲が少し絞れてきたけど、まだまだ考える余地がありそうだ。明日も継続して頑張ろう。 仕事が終わった後は、またもメデフを楽しむことに。ただ、なぜかそのときに読んでいる本がチェ・ゲバーラの南米旅行日記だったりするから、我ながら分裂症気味だ。でも、ぼくも若いときに南米一人旅をした人間だから(バイクではなくバス旅行だったが)、ゲバーラの本はとても楽しく読めた。話題になった映画は時間がなくてまだ観ていないけど、こうして本を読んでいるだけでも楽しい。ゲバーラは昔から大好きだったが、いまは昔以上に親しみを感じるようになった。 |
1月3日(月) 今日から本格的な仕事をスタートだ。気合を入れるために朝早く起きて、朝食後すぐにパソコンに向かう。まずは年末に終えられなかった解説原稿の続きだ。今日は1月16日にライスから発売されるサバ・ハバス・ムスタファのソロ・デビュー作『デンパサール・ムーン』(ライス KTR-608)と、サンビーニャ印で配給するコンゴの歌姫ムビリア・ベルの最新作『ベリッシマ!』(サンビーニャ TS-6019)の2本を脱稿。まだ誰も働いていない事務所にメール送信した。 午後からは1月末にライスから発売を予定しているアルバムの選曲作業。見逃すわけにはゆかない大学駅伝のテレビ中継をサイレントで見ながら、まずはザックリと候補曲を選び出した。ここから先は文献と照らし合わせて、エポック・メイキングになった作品を洗いなおさないといけない。この作業は明日も明後日も続きそうだ。 午後8時に仕事を終えて、後はリラックス・タイム。年末に買ったCDや本を真夜中まで楽しむ。中でもアオラさんから出た『メデフ〜サハラ、いにしえの唄〜』はすばらしい1枚だ。砂漠のブルースは当社が一昨年から昨年にかけて力を入れた分野だが、こうしてすぐに続編のようなアルバムが出てしまうのには驚かされるものの、まあ仕方がない。ポピュラー音楽というのはそういうものだ。当社はまた新しい何かを探さないといけないということだろう。 思うところがあって中村とうようさんの『アメリカン・ミュージック再発見』(北沢図書出版)を深夜に読み直す。ちょうどいま、この本と関係する仕事をしていることもあって、いろいろ勉強になった。巻末のクレディットを見たら、この本が出たのは1996年の年末。同時発売がぼくの最初にして唯一の本である『インドネシア音楽の本』だった。あれからもう8年も経っているなんて…。とうようさんに毎日叱られながらあの本をなんとか書き上げたのは、つい最近のことのように思っていたのだが。 |
1月2日(日) 今年のお正月は1日で終わり。昨晩そう決心して、今日は朝に自宅に戻って仕事をはじめることにした。母親はもう少しゆっくりしてゆけばいいのに、なんて言っていたが、今年はどうもそういう気分にはなれない。 お正月だというのに、メールをチェックしたらもう外国から取り引きのオファーが来ていたのにはビックリ。新年から仕事をしているのは、どうもぼくだけではないようだ。 それと、友人の荻原さんがやはりメールをくれて、2004年に当社が発売した商品の中で、ライスもの、サンビーニャもの、輸入盤ものに分けて、それぞれの<ベスト5>を送ってくれた。オビや解説がついたアイテムはともかく、ハダカの輸入盤まで当社が配給したものかどうかを知っているなんて、本当にビックリ。たくさんお買い上げいただいている方には、当社商品の独特の匂いが感じられるかもしれない。いずれにしても、荻原さん、ありがとう。本当に励みになります。 夜はゆっくり読書。BGMは一昨日買ったCDだ。思えば年末は、こんなにゆっくり好きな本を読んで好きな音楽を楽しんだ日はまったくなかった。でもリラックスできるのは、今日までだ。明日からまた仕事を頑張らないといけない。お正月はもう終わりました。 |
1月1日(土) 例年と同様、大晦日の夜に実家に戻ってお正月を過ごす。朝はお墓参り。午後はテレビでサッカーの天皇杯を見るのも、例年通りだ。そして夜には、これまた例年通り、今年の目標を考えてみたわけだけど、2004年があまりに良くないことばかりだったので、どうも今年は大それた目標は立てられなかった。とにかく世界が少しでも平和になるように。これより大きな願いはない。イラク戦争で亡くなった人々、あるいは年末のスマトラ地震と津波で被害にあった人たちのことを思うと、ゆっくりお正月気分に浸っている気分じゃなくなってくる。 サンビーニャに関して言えば、2005年はこれまで以上に大きな危機感を持って仕事に取り組まないといけない年になりそうだ。状況が悪いのは当社だけでなく、音楽産業全体が抱える問題だが、こんなときだけに、少しでも良い音楽を供給する努力を惜しまないようにしたい。おっとり構えている状況ではない。今年はもっとガツガツいかないと…。改めて気合を入れ直さないといけない時期がやってきた。 なんて、お正月のそれとは思えない日記になってしまったが、要するに今年も頑張るということです。2005年もサンビーニャをよろしくお願いいたします。 |