元マドレデウスの、あの歌姫が帰ってきた!
ここ日本でも大きな人気を誇るポルトガルのアンサンブル、マドレデウス。〈室内楽とフォーク・ミュージックの融合〉を目指し、1990年発表した『海と旋律』はそのタイトル・トラックがホンダ自動車のCMに使用されたこともあり、大ヒット。本国のナショナル・チャートでも長い間1位をキープするなどゴールド・ディスクを獲得しました。
その後も順調に活動を続け、10枚近いオリジナル・アルバムを発表し、その他にもライヴ盤やリミックス・アルバムなどもリリース。その間に6度も来日し、日本のファンを喜ばせました。
しかし2007年、看板役だった歌姫テレーザ・サルゲイロが脱退。ソロ活動に専念するようになります。
そんなテレーザは1969年、首都リスボンの近郊の町アマドラ生まれ。16歳でリスボンに引っ越し、カフェや居酒屋でうたいはじめます。その声に魅了されたマドレデウスの中心人物が彼女をスカウト。1987年に彼女を加えてマドレデウスが結成されます。その後は前述したとおりですが、彼女はその活動のかたわら、ヴィム・ヴェンダースの映画『リスボン物語』で主演をつとめ、また結婚・出産など経験し、またさまざまな作品でゲスト・ヴォーカルとして招かれ、より大きな歌手へと変貌してゆきます。
ソロ・デビューは2005年の『オブリガート』。そこではカエターノ・ヴェローゾやカルロス・ニュネス、日本のcobaなどのゲストが参加した豪華盤でした。その翌年にリリースした『ボサノヴァと私』はタイトルどおり、ボサ・ノヴァの名曲をうたいワールド・ミュージックの範疇を超えたファンをつかみました。そして同年『La
Serena』をリリースし、2年ぶりに発表したのがこちらの作品です。
前作でも共演した楽団ルシターニア・アンサンブルと共同制作。同楽団はヴィオラ抜きの弦楽3重奏に、ギター、アコーディオン、パーカッションで構成。全編で麗しいアンサンブルを聴かせてくれます。そんなサウンドにテレーザも円熟味を増した透明な声で応えます。取り上げているのはポルトガル・スペインの伝承曲が中心。インストも挟んで、意欲あふれる完成度の高いアルバムに仕上がりました。
ファンには待望の1枚。女性ヴォーカル・ファンなら迷わずゲットでしょう!
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(公式HP)