ア−ティスト
シェワル・サム
タイトル
ハス・アラベスク
オ−ダ−番号
AYR-5184
定価(税込)
2,625円
         

美形女性歌手が歌うトルコ音楽アラベスクの歴史


 トルコの伝統系音楽を中心に紹介する専門レーベル“KALAN”から注目すべき作品が登場しました。これまで“トルコの演歌”などと称され、若い音楽ファンからは敬遠されがちだった(?)トルコ音楽アラベスクですが、今回はKALANがその歴史にメスを入れた意欲作を発表。しかもここでヴォーカルを担当しているのは、3年前に弊社から『イスタンブールズ・シークレッツ』(ライス KLR-741)というエレクトロニック・ミクスチャー作品をリリースした女性歌手シェワル・サムで、その彼女がアラベスク初期の名曲たちに挑んだという本作は、久々にワールド・ミュージック・ファンに本気で聞いて欲しい内容と言えます。
 そもそもアラベスクとは“アラブ風”という意味の言葉ですが、アラブ音楽をまるまるコピーしたものではありません。もちろんそこにはアラブ音楽の要素もありますが、それよりもトルコの古典音楽や民謡がその音楽的な基盤になっていて、そこに西洋のクラシックやジャズ、ロック、カントリー、インド音楽、ギリシャ音楽(そしてもちろんアラブ音楽も)など、実に様々な音楽のエッセンスが加わった混成音楽なのです。そんなアラベスクが産声をあげたのは60年代後半〜70年代前半ごろと言われていますが、その創成に大きく携わった一人が、いまも現役で活躍しているオルハン・ゲンジェバイ(1944年生まれ)でした。ただ、アラベスクは80年代に一世を風靡した男性歌手イブラヒム・タトルセスの登場以降、そのスタイルは現在聞かれるようなダンサブルなものへと変化してゆきました。
 このアルバムでは、そんなタトルセス登場以前に人気を博した初期のアラベスク・ナンバー(もちろんゲンジェバイ作品もあります)に焦点を合わせ、なおかつ当時のアレンジで聞かせるというコンセプトで作られた作品。元々女優だったシェワル・サムはルックスも当然抜群なのですが、その歌唱力も非常に高いものを持っており、当時のアラベスクが持つ強いトルコ風味をしっかりと再現できている点にまずは注目。そしていまのアラベスクと比べるとその音楽性に柔軟性があり、様々な音楽の要素を取り入れ新しいジャンルを作り出そうという当時の勢いが感じられる楽曲が目白押し!これなら若い音楽ファンにも興味を持って聞いていただけることでしょう。
 加えて、本作にはアラベスクの歴史について書かれたトルコ語のライナーノーツがブックレットに掲載されているのですが、今回は特別にその日本語訳を付けて出荷します。これまで謎の多かったアラベスクの歴史を詳細に知ることができるという特典が付いているわけです。
 まさにトルコ音楽がもっとも元気のあった時代を再現した作品。これは話題になりそうです
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 なお、以前の作品ではアーティスト表記を“シェヴァル・サム”としていましたが、より現地の発音に近い“シェワル・サム”へと変更いたしました。ご了承ください。

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