アフリカ音楽の定番がライス盤として正式リリース!
もはや説明不要のビッグ・アーティストと言えるサリフ・ケイタ。先に新作『ラ・ディフェロンス』(ユニバーサル)がリリースされ話題になるなど、相変わらず高い人気を誇るアフリカのアーティストですが、やはりサリフがもっとも脂がのっていたのは、ワールド・ミュージックが一番盛り上がりをみせていた80年代後半から90年代に掛けての時期であることは誰もが認めるところでしょう。そんなサリフの“よき時代”をコンパクトに楽しめるベスト盤は、すでに弊社からサンビーニャ名義でリリースしていましたが、より多くのファンに親しんで頂くため、この度ライス・レコードに格上げしてご紹介することにいたしました。
古代マリ帝国を建設したスンジャータ王の末裔として生まれたサリフはアルビーノ(白子)であったことから家族からは疎まれ世間からも迫害を受けました。そんな彼は歌を生業とすることを志しましたが、そのためには高貴な身分を捨てなければならず、そしてそれは最下層であるグリオーと同じになることを意味していました。
その後70年頃にマリの首都バマコで“レイル・バンド”のフロント歌手として活躍し人気を獲得、そして73年からはライヴァル・バンドの“アンバサデュール”に参加、その時代にヒットさせたのが彼の代表曲でもある「マンジュー」でした。そしてアンバサデュール脱退後はパリに移りソロとして活躍、そして87年にリリースされた最初のソロ・アルバムが、アフリカ音楽の不朽の名作『ソロ』でした。
この編集盤は、その『ソロ』から95年の『フォロン』までの収録曲を集めた2枚組編集盤で、特に『ソロ』についてはアルバムの全てのトラックがここに収録されているなど、非常にお買い得なベスト盤と言えます。そして『ソロ』と同様にフランソワ・ブレアンがプロデュースした89年の『コヤン』、ウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルがプロデュースした91年の『アメン』、そして『フォロン』までの主要曲がピックアップされるなど、全盛期のサリフの魅力を余すところなく収録しています。
まさにアフリカ音楽、そしてワールド・ミュージックの超定番として末永く聞かれ続けるであろう作品。是非多くのお店のアフリカ音楽コーナーにストックしてほしい1枚です。
なお、これまで単独作としてリリースしてきた『ソロ』(ライス
SAR-101)と、帯・解説付きシリーズとして発売していた『ベスト・セレクション』(サンビーニャ
TS-5008)は、本作の発売のために取り扱い中止とさせて頂きます。長い間ありがとうございました。