UKの名門レーベル“リアル・ワールド”の過去の名作を再発!
新シリーズ“リアル・ワールド・ゴールド”第3期 完結篇!

 ピーター・ゲイブリエルによって1989年に創立され、現在までワールド・ミュージック・シーンを牽引してきたレーベルが、イギリスのリアル・ワールド・レコーズ。23年間に200タイトルもの作品を発表してきた同レーベルには数々の名盤が存在していますが、残念ながらその多くは現在廃盤となっていました。そこでそんなタイトルをトータル約30タイトル選出し、復刻してゆこうというのが、本シリーズ“リアル・ワールド・ゴールド”です。すでに第1期分は4月に、第2期分は9月に発売しご好評を頂いてきましたが、ついに最後となる第3期分が登場することになりました。今回も税抜定価1700円というお手頃価格でご提供。いままで以上に重要な作品が目白押しですので、是非ご期待ください。

 

これがリアル・ワールド盤での最高傑作!

 本シリーズの第1期、第2期にもリリースされたヌスラット・ファテ・アリー・ハーン(1948−1997)。その人気、実力を考えれば当然ですが、ワールド・ミュージックを語るときにまっ先にその名が上がるヴォーカリストでしょう。またワールド・ミュージック・ブームを牽引したひとりでもあります。先に本シリーズで発売された2枚の作品はカナダ出身のギタリスト、マイケル・ブルックを制作パートナーとして迎え、アンビエントやブレイク・ビーツの要素を取り込んだ、ある意味で実験作とも言える内容でしたが、本作は生のままのヌスラットのカッワーリ−が存分に楽しめます。それもそのはずで、本作がヌスラットにとってリアル・ワールドの1作め。まずは挨拶がわりにガツンとその音楽を披露したのでしょう。以前にも国内盤が2度もリリースされた評価の高い名作です。

ヌスラット・ファテ・アリー・ハーン/カッワーリーの王者 1,785円(品番:PPR-1722)

最も有名な北欧伝統系バンドの最新スタジオ録音盤

 日本でもしっかりとしたファンが根付いている北欧音楽ですが、このヴァルティナは北欧の伝統系バンドの中でも最古参の部類に入り、同系統のバンドでは最も有名な存在です。1983年にフォンランドの南東部、カレリア地方で結成されたヴァルティナは1991年にレコード・デヴュ−。そのファースト・アルバムでいきなりプラチナ・セールスを記録し一躍人気バンドの仲間入りを果たしました。彼(女)らの魅力はフロントに立つ3人の女性ヴォーカルによる伝統歌唱と、それを支える伝統を感じさせながらもポップなサウンド。これまでもWEAなどからも国内盤がリリースされ、昨年には来日も果たしました。そんなヴァルティナの最新作がこちら。2005年に発売されたものですが国内盤では初登場。ファンの間では良い時代のサウンドに戻ったと高い評価を得ています。

ヴァルティナ/ミエロ 1,785円(品番:PPR-1723)

さりげなくも完成度の高いルンバ・ロック

 こちらは本シリーズ第1期めでご紹介、という言い方もはばかれる偉大なアーティスト。パパ・ウェンバはユッスー・ンドゥールやサリフ・ケイタと共にアフリカを代表する音楽家です。ルンバ・ロックという新しいスタイルを提唱し、90年代にはリアル・ワールドから3枚のアルバムを発表しました。本シリーズ第1期めで紹介した『エモーション』(ライス PPR-1707)はリアル・ワールドの2作めにあたりますが、本作はその次作にあたる98年発表の第3作めです。『エモーション』ではポップなデジタル・アレンジを駆使した先進性の高いサウンドでしたが、ここではより普段のウェンバに近い、力の抜けたスカっとしたアフロ・ポップを披露。前作の楽曲をまた異なるアレンジで聞かせるなど、さりげなく完成度を高めた作品です。こういうさりげなさが案外、愛聴盤になったりしますよね。

パパ・ウェンバ/モロカイ 1,785円(品番:PPR-1724)

以下よりご紹介するアルバムは〈サンビーニャ・インポート〉での発売ですので、日本語解説は同封いたしません。予めご了承ください。

壮大ながらもときに繊細なサウンドを楽しませる4作め

 リアル・ワールドの顔とも言うべきアフロ・ケルト・サウンド・システムは、同レーベル内で唯一ピーター・ゲイブリエル以上に売上を残したグループ。また毎回、多くの豪華なゲストを招くため、「ワールド・ミュージックのスーパーグループ」とも呼ばれていました。それだけに第1期と第2期を通じてすでにファースト、セカンド、サード・アルバムと紹介しています。そして本作は4枚めのアルバム。2003年の発表にされました。これまで以上にエレクトロニクスを導入しながらも“ケルト風”や“アフロ風”のサウンドをはずすことなく、壮大ながらもときに繊細なサウンドを楽しませます。ゲストにはレーベル・メイトであるケニア人アーティスト、アユブ・オガダや、この手の作品には欠かせないジャー・ウォーブルが参加。ファンには安心のクォリティです。

アフロ・ケルト・サウンド・システム/シード 1,785円(品番:PPSI-1725)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

インド系女性歌手の記念すべきリアル・ワールド・デビュー盤

 10代より女優として活動した後、インド音楽とテクノ・ポップを融合させたバンド、モンスーンで活躍して80年代初頭に高い人気を得ました。バンド解散後はソロとなり数枚のアルバムを経て90年代にリアル・ワールドに所属。3枚のアルバムを発表しました。近年では映画『ロード・オヴ・ザ・リング』のサントラなどにも参加し、精力的に活動を行っています。第1期の『ムーンサング:ア・リアル・ワールド・レトロスペクティヴ』(PPR-1706)は彼女のリアル・ワールド盤からのベスト編集盤でしたが、こちらは記念すべきその第1作め。当時、国内盤もリリースされ話題となりました。当然、『ムーンサング』とは収録曲が重なりますが、アルバムの出来はこちらに軍配が上がります。素敵な声。

シーラ・チャンドラ/ウィービング・マイ・アンセスターズ・ボイシス〜遠き彼方の記憶 を呼び覚ます10の歌声 1,785円(品番:PPSI-1726)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

UKレゲエ/ダブのプロデューサーといったらまずはこの人!

 こんなアルバムも出してしまうのがリアル・ワールドらしさ。もしかしたら本シリーズで最も知られている名前かもしれません。エイドリアン・シャーウッドはUKレゲエ/ダブ・シーンを語る際には欠かせないプロデューサー/エンジニア。10代でレゲエのディストリビューターを運営し、21歳で彼のその後の牙城となるレーベル、On-Uサウンドを設立。そこで制作したいくつも作品が評判を呼び、さまざまな録音でプロデューサーやリミキサーとして活躍。そこで手がけた作品のいくつかはポップ・チャートの上位に食い込む成果を上げました。そんなエイドリアンがソロ名義でリリースした最初の作品がこちら。なんとその長いキャリアにも関わらずリリースされたのは2003年でした。もちろん発売当時は国内盤もリリースされ、大きな話題に。全編でユーモラスながらもディープなダブを楽しませます。

エイドリアン・シャーウッド/ネヴァー・トラスト・ア・ヒッピー 1,785円(品番:PPSI-1727)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

ちょっとメランコリックで若々しいアフロ・ポップの隠れ名作

 上のエイドリアン・シャーウッドが組んでいたタックヘッドというバンドに在籍の米国人ギタリスト、スキップ・マクドナルドとの共演盤『コール・マイ・ネイム』(PPR-221)も話題となったモーリタニア出身のSSW、ダビー・トゥーレ。80年代に日本でも大人気だったアフロ・ポップ・グループ、トゥレ・クンダのメンバーの甥にあたる彼はその叔父の活動に触発され、トゥーレ・トゥーレというグループを結成。そのファースト・アルバムからはシングル・ヒットも生まれました。それを作曲したのがダビーで、その素質に目をつけたのが他でもないリアル・ワールドだったのです。本作はそのソロ・デビュー・アルバム。しかもいきなりセルフ・プロデュースだったのですから驚きです。彼の魅力はなんと言ってもその作曲能力。ここでも少しメランコリックで若々しいポップな楽曲を連発。隠れた名作です。

ダビー・トゥーレ/ディアム 1,785円(品番:PPSI-1728)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

インド、ペルー、ギリシャ、チベットetc...世界各国の名女性歌手をコンパイル

 本シリーズでは唯一のコンピレイション。タイトルどおり世界各国の才能溢れる女性歌手を集めたもので、前述のシーラ・チャンドラや、アフロ・ペルーの歌姫スサーナ・バカ、ギリシャ屈指のディーヴァ、エレフセリア・アルヴァニターキ、第2期で好評だったチベットの亡命歌手ユンチェン・ラモ、インド南部の主要民族タミル人の血をひくスシェーラ・ラマーン、本作でインタナショナル・デヴューを果たしたマリのアシタン・ママ・ケイタ、フラメンコの若き歌姫エストレージャ・モレンテなどなどリアル・ワールド独自の審美眼によって全12曲が選出されています。そのそれぞれの楽曲にどこか憂いを感じさせるのはイギリス産らしさと言えるかもしれません。またこのシリーズでリリースされているアーティストも多いので、サンプラーとしてもご活用いただけます。

ヴァリアス/ギフティッド〜世界の女性歌手たち1,785円(品番:PPSI-1729)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

ピーター・ゲイブリエルが惚れ込んだオハイオ出身のSSW

 第2期のラインナップの中でも特別に異彩を放っていたジョセフ・アーサーは、アメリカ・オハイオ州出身のSSWです。ルー・リードもお気に入りとの噂もありますが、すでにお聴きの方はご存知のとおり、彼の音楽に、例えばアフリカ音楽やラテン音楽の影響があるからリアル・ワールド所属というわけではありません。最近ではベン・ハーパー、ダーニ・ハリスン(ジョージ・ハリスンの息子)と共にスリーピース・バンド“フィストフル・オヴ・マーシー”を結成しロック・ファンに知られる存在ですが、首領のP・ゲイブリエルがこのデビュー作を聴いて惚れ込んでリアル・ワールドから再リリースされ、さらに新作も出すようになりました。アメリカの(地方の)憂鬱を写し取ったリアルなローカル・ミュージック。どうぞP・ゲイブリエルのように惚れ込んでください。

ジョセフ・アーサー/ビッグ・シティ・シークレッツ 1,785円(品番:PPSI-1730)※こちらはサンビーニャ・インポートで発売ですので日本語解説は同封いたしません。

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