サンバの巨匠の記念すべき初ソロ・アルバム!!
ギリェルミ・ジ・ブリート
幻のファースト・アルバム (リイシュー)
2006年に亡くなったサンバの巨匠ギリェルミ・ジ・ブリートの追悼アルバムとして同年にCD化された彼のデビュー作(ライス
EDR-327)が、この度廉価で再発されることになりました!
ギリェルミ・ジ・ブリートは1922年生まれ。50年代に偉大な作曲家ネルソン・カヴァキーニョと出会い、以来ネルソンが亡くなるまで30年以上に渡って、一緒にサンバの名作を作り続けてきました。
そんな時代の残された名盤が『クアトロ・グランジス・ド・サンバ』です。これはギリェルミとネルソンのほか、エルトン・メデイロスとカンデイアの4人が一緒に作ったアルバムでした。
このソロ・デビュー・アルバムは、その『クアトロ…』のすぐ後の1980年に、サンパウロのレーベルであるエルドラードに吹き込んだものです。
収録されたレパートリーのほとんどは、ネルソン・カヴァキーニョとの共作。「詩人の涙」「枯れ葉」など、サンバ史上に燦然と輝く名曲が並びます。もちろん初アルバムということで、ギリェルミも意欲十分。独特の優しさとロマンティシズム溢れる歌声をたっぷり楽しませてくれます。ショーロ風の伴奏もたまりません。
もはやサンバを語る上で外せない名盤の一つがさらにお求めやすくなりました。
ラジオ番組のために録音された素顔のカルトーラ
カルトーラ
未発表録音
以前にTS品番(サンビーニャ)から発売されていた同盤(TS-25013)は最高のサンバ作曲家カルトーラが晩年に残した貴重な録音集。長らく廃盤状態でしたが今回無事に復活しました。
カルトーラは言うまでもなくブラジル音楽の歴史にそれはそれは大きな功績を残した、偉大なサンバ作曲家。1908年に生まれ、当時リオ・デ・ジャネイロ市街地から一番近かったゲットーであるマンゲイラの丘に育った彼は、19歳でカーニヴァルに参加するために小さなサンバ・グループを結成し、それが母体になって現在最古のエスコーラ・ジ・サンバである(通称)マンゲイラが誕生しました。その後すぐにマンゲイラの音楽リーダーとなり、多くの作品を作曲。40年代まではエスコーラに所属していましたが、その後は隠匿生活に入り自身で歌う音楽に磨きをかけていきます。
50〜60年代には映画『黒いオルフェ』に出演したことも手伝って再評価されはじめ、当時レストランを経営していたカルトーラはその店でライヴ演奏を行います。そして70年代になるとその音楽家としての頂点を迎え、74年に初のソロ・アルバムを発表。80年に死去するまでには4枚のアルバムをリリースしました。
本作はサンパウロのラジオ・エルドラードの番組のために1979年頃に録音されたテープを編集したもので、亡くなる直前のカルトーラによる、ギター弾き語りが楽しめるアルバムです。カルトーラは坦々とこれまでの人生を語り、自作曲をギターをつま弾きながら歌う。穏やかな表情は、スタジオ録音のそれとは明らかに違う、まさに素顔のカルトーラと言えます。