ア−ティスト

ファイルーズ

タイトル
望み
オ−ダ−番号
MQR-5206
定価(税込
2,625円
         

アラブ歌謡の女王ファイルーズが復活! 奇跡の新作がリリース!


 これは大ニュース!
 まさに“アラブ歌謡最後の大物”もしくは“生ける伝説”とでも形容したくなる偉大な女性歌手ファイルーズ。長年に渡ってレバノン音楽シーンの女王の座に君臨し、間もなく75歳を迎えようとしている彼女ですが、まだまだ現役に拘って歌手活動を行っており、ついには8年ぶりとなる新録音作品をリリースすることになりました。
 ファイルーズは1935年11月21日にレバノンのキリスト教徒の家庭に生まれました。そして14歳にはラジオ局の専属歌手としてデビューを果たし、以後レバノンだけでなくアラブを代表する歌手として活躍するようになりました。ちなみにファイルーズという名前はアラビア語で“トルコ石”の意味で、名付け親は後に人気を博すようになる女性歌手マジダ・エル・ルーミーの父で作曲家/歌手のハリーム・エル・ルーミーでした。
 当初ファイルーズは作曲家/アレンジャーのラハバーニ兄弟とタッグを組み、シャンソンやアメリカン・ポップスの要素を取り入れた斬新なアラブ歌謡を作りだして大きな人気を獲得しました。ちなみにラハバーニ兄弟の兄アーシーとは結婚もしていて、56年には息子のジアードも授かりました。しかし79年に離婚した後はラハバーニ兄弟とは音楽面でも縁遠くなるようになり、代わりに音楽的主導権をとるようになったのが、彼女の息子ジアードでした。そしてそのジアードがプロデュースし、ファイルーズの不朽の名作として知られているのが、83年制作(発表は87年)の『愛しきベイルート』(ライス RIR-598/現在は入手困難)で、ジャズやボサ・ノーヴァ、欧米ポップスなどの要素をふんだんに取り入れた新しいスタイルをそこで提示。世界中に大きなセンセーションを巻き起こしました。
 その後、活動のペースこそ落ちましたが、コンサートやアルバム発売を時折行うなど、現役を貫いてきたファイルーズが、2002年の『Wara Kif』以来となるスタジオ録音作を発表。それが本作『望み(原題:El Fi Amal)』でした。プロデュースは息子のジアードが担当。ジャズやボサ・ノーヴァ、シャンソン、アメリカン・ポップスの要素を随所に散りばめたセンスの良いアラビック・サウンドを、アラブと西洋の両方の楽器を用いて作り出しています。そして歌うファイルーズも70を越えた歌手とは思えない若々しい歌声を、全盛期と変わらないアラブ風のコブシを交えて聞かせ、健在ぶりを大きくアピール。ナンシー・アジュラムをはじめとするアラビアン・ポップス“シャバービー”が全盛のこの時代ですが、女王らしい堂々としたそのスタイルは、シーンに一石を投じてくれる事は間違いないでしょう。

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