ヴェールを脱いだ中央アジアのマドンナが放つトルコ録音第２弾！

　ワールド・ミュージックに残された数少ない秘境の地ウズベキスタンの歌姫として活躍、現在はトルコに亡命して音楽活動を続けているユルドゥス・ウスマノヴァ。日本では昨年発売されたトルコ録音作『デュニア〜世界』（ライス AYR-5153）が大好評だった彼女が、待望のトルコ録音第２弾作品をリリースしてくれました。
　＜シルクロードの国＞ウズベキスタンの絹の名産地として知られるマルギランで、絹工場で働く両親のもと1963年に生まれたユルドゥス・ウスマノヴァは、“国際女性デイ”でうたっていた所を見出され、その後ウズベキスタン国立音楽学校に入学して声楽をしっかりと身に付けました。そしてウズベキスタンがソ連から独立した1991年にポピュラー歌手としてデビュー。母国語のウズベク語だけでなく、周辺のトルコ語、ロシア語、ペルシャ語、アラビア語、カザフ語、タタール語などによる言語の歌を数多くリリースし、中央アジア一帯で絶大な人気を博すまでになりました。ちなみに彼女はこれまでに2000万枚ものアルバムを売り“中央アジアのマドンナ”の異名も付けられています。
　そんな彼女が2008年にトルコに移り住み、リリースしたのが前作の『デュニア〜世界』でした。なんでも彼女は、2005年にフェルガナ盆地で起きた反政府デモを、ウズベキスタンのカリモフ大統領が武力で制圧した事（いわゆる“アンディジャン事件”）に異議を申し立て、それに怒った大統領が彼女を国外追放にしたことが亡命の理由なのだとか。ただ故郷を離れていても民衆は彼女の歌をいまも強く求めていて、亡命先のトルコで音楽活動を続けているのです。
　前作のジャケットでは顔の下半分を布で覆い、いかにも異国からの亡命者のような印象を与えていましたが、本作ではまさにその“ヴェール”を脱ぎ、素のユルドゥスをさらけ出したような内容となりました。トルコ〜中央アジアの民謡、ラテン音楽、アラベスク、さらにエレクトロニックなものまで、様々な要素が加わったポップ・サウンドをベースに、彼女自身の作詞作曲によるトルコ語のナンバーを、その華麗で優雅な歌声で聞かせてくれます。
　さらに現在トルコ・ポップス・シーンでもっとも高い人気を誇る男性歌手セルダル・オルタチがゲスト・ヴォーカルで参加した曲も収録し、アルバムに華を添えてくれました。
　デビュー20周年を迎え、ますます艶っぽさが増してきたユルドゥス。そんな中央アジアの歌姫の動向に目が離せなくなってきました！

試聴はこちら (ユルドゥス・ウスマノヴァのFacebook)

1. Bir Sans Ver
2. Belli Belli
3. Dolunaydir Yanliz Sirdasim
4. Hoppa Hoppa
5. Diyemem
6. Devam Devam
7. Bilmedin
8. Sana Sigindim Huda'm
9. Ana Yurdum
10. Mutlu Gunlerden Kalma
11. Dolunaydir Yalniz Sirdasim