ア−ティスト

ステリオス・カザンジディス

タイトル
アナトリアの歌
オ−ダ−番号
AYR-5079
定価(税込
2,625円
         

ギリシャ歌謡の帝王が残した幻のアナトリア古謡集


 ギリシャ歌謡ライカの帝王と言えば、50〜60年代を中心に活躍したステリオス・カザンジディス(1931−2001)です。弊社で発売しているヨルゴス・ダラーラスの先輩に当たるのがこのカザンジヂス。ライカというギリシャ現代歌謡のスタイルを築き上げた人でもありました。
 そんな彼が全盛期の1960年代に残した異色かつ貴重な音源を中心に編集されたのがこのアルバムです。タイトル通り、アナトリアの地に残されたギリシャ音楽の古謡を再現した内容です。
 トルコとギリシャが戦争になって1922年に多くのギリシャ人たちがギリシャに返還されるまで、トルコのアナトリアには多くのギリシャ人たちが住んでいました。彼らはトルコ人たちと共存し、独自の文化を築き上げます。そこで誕生したのがレンベーティカと呼ばれる音楽でした。
 そんな時代のアナトリアにおいて、レンベーティカはギリシャ人だけでなく、トルコ人たちにも親しまれました。このアルバムに収められているのは、そんな両者の蜜月の時代に親しまれた楽曲です。その多くは作者不明ですが、ギリシャにおけるポピュラー音楽の原点となっただけでなく、トルコにおけるポピュラー音楽の創成にも大きな影響を与えました。
 そのようなアナトリア古謡の数々をギリシャ歌謡の帝王カザンジディスがこれほどまとめて録音していたなんて、当時のトルコとギリシャの関係を思えば奇跡的だとすら思えます。しかもそんな音源が、ギリシャではなく、トルコで発売されたのですから、ますます驚き。衝撃的な事件と言っても過言ではありません。
 カザンジディスは1952年にデビュー。この音源が作られた60年前後はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いを持っていました。そんな時代に残されたオリエントの香り高い作品の数々を収録したアルバムですので、つまらないわけがありません。
 ギリシャ音楽の原点を知るための一枚として、多くのファンの皆さんに楽しんでいただきたい作品です。

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