ア-ティスト
セルダ・バージャン
タイトル
ハルクム
オ-ダ-番号
AYR-5235
定価(税込)
2,625円
         

サイケデリック・フォークで名を馳せた女性歌手 円熟の2011年作を発表!!

 かつて“トルコのジョーン・バエズ”と呼ばれ、トルコのフォーク・ミュージック“ハルク”のシーンにおいて燦然と輝く存在として長年活躍してきた女性歌手セルダ(・バージャン)が注目すべき作品をリリースしてくれました。
 セルダは1971年にレコード・デビュー。彼女はフォーク・ギターやトルコの弦楽器サズ(バーラマ)の弾き語りを基本とするフォーク・シンガーで、レパートリーにしているのは反体制的な内容の歌詞の、いわゆるプロテスト・ソングが中心でした。ちなみにそのような音楽性を持つフォークのことをトルコでは特に“オズギュン”というサブ・ジャンル名で親しまれています。
 そんな彼女を世界的な知名度に押し上げたのが、70年代に発表した作品群で、ここで彼女はフォーク・ミュージックにプログレッシブ・ロックの要素を取り入れて、さらにサイケデリックなエフェクターを加えてより前衛的なサウンドを披露。プログレ・ファンやレア盤ファンなどから高く注目され、2007年にはPヴァインから76年作がCD復刻され大きな話題を呼びました。
 そして現在でもオズギュンの歌手として現役バリバリで、いまだトルコの老若男女から高い支持を受けて活躍しているセルダの最新作がこちらです。その存在感は70年代当時のままという感じの若々しい彼女ですが、ここで聞かせるサウンドはトルコをもっとも象徴する弦楽器サズと土着的な打楽器による伴奏が中心で、伝承曲のほか、かつて活躍したアーシュク(吟遊詩人)たちのナンバーなどを取り上げ、伝統性溢れるコブシ回しを加えたヴォーカルで楽しませます。トラックによってはドラムズや打ち込みの音も聞こえますが、70年代のようなアグレッシヴなものではなく、現代性を持たせるための軽い味付け程度といった感じです。
 トルコの長い歴史を感じさせるサズの奥深い音色と、年齢を重ねより味わいを増したセルダの歌声が見事に融合した作品。いまのセルダだからこそ醸し出せるベテランの魅力が詰まった本作は、まさにいま聞くべき現在進行形のターキッシュ・フォーク作品と言えるでしょう。

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