ア−ティスト
サリム・ハラーリ
タイトル
ユダヤ・アラブ音楽の至宝 第5集
オ−ダ−番号
BDR-5155
定価(税込)
2,625円
         

待望の第5集はマノ・ネグラやONBもカヴァーした伝説のシンガー!


 いまだ宝物が眠っているアラブ音楽。特にアルジェリアやチュニジア、モロッコなどのいわゆるマグレブ地方の音楽は、アラブ古典音楽の中心を担っていたエジプトに比べ、まだまだ紹介しきれていません。
 そんな状況の中、弊社で配給しているルネース・マトゥーブ『大統領閣下への手紙』(ライス CRR-5104)はミュージック・マガジン誌で2009年のベスト・アルバム10にも選出され、好意的評価を多くいただきました。
 マトゥーブはアルジェリアで発展したアラブ・アンダルース音楽である〈シャアビ〉の伝統を独自に受け継ぎ、自身の血肉としましたが、そのアラブ・アンダルース音楽に大きく寄与したのがユダヤ人だったことはすでにご承知通り。
 この度紹介するサリム・ハラーリはもちろんユダヤ人。1920年にアルジェリア北部、第4の都市アンナーバで生まれました。24歳ときに渡仏しましたが、彼がユニークなのはまずパリのフラメンコ・クラブで有名になったことです。サリムが目指したのは国境を超えたスターだったのです。その勢いに乗ってヨーロッパ・トゥアーを経験し、各地を巡ることで自身のルーツに目覚めマグレブの歌をうたうようになり、“女王”ウム・クルスームまでが賛辞を送る存在となります。戦後になるとナイトクラブの経営にも乗り出して大成功。49年にモロッコに移りクラブを持ちますが、これも大当たり。王族も訪れるという名店となったのです。しかも同時に歌手としてのキャリアもしっかりと築き上げました。
 そこで大金持ちとなった彼は60年代前半にはすっぱりと引退。隠居生活を南仏で送っていましたが70年代初頭に復活。90年代には引退し2005年に亡くなりました。
 そんないかにも“芸人”的な幅広いキャリアから様々な音源を集めたのがこちら。エキゾチックなパーカッションを投入したアラブ・アンダルース音楽から、ケレン味たっぷりな泣き節をきかせるスローなナンバーまで、サリムの美声で聞かせます。
 ポップなヒット曲も多かった彼は後続のミュージシャンにも親しまれ、マノ・ネグラやオルケストル・ナシォナル・ドゥ・バルベス(ONB)なども彼のカヴァーを手掛けています。
 どんどんと発掘されるアラブ・アンダルース音楽の宝物。アラブ系音楽に興味をもつすべてのファンにおすすめします。

試聴はこちら (myspace)

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