ア−ティスト
ヴァリアス
タイトル
ポルスカ・ルーツ
オ−ダ−番号
INR-7002
定価(税込)
2,835円
 
         

いま音楽に刺激を求めるなら、ポーランドに飛べ!


 ライスから発売されている『バルカン・ビーツ3』(INR-813)やフィッリ・ディ・マードレ・イニョータの『フェズ・クラブ』(INR-794)を制作したドイツのレーベル“EASTBLOK MUSIC”から、注目すべき編集盤が登場しました。
 “EASTBLOK MUSIC”は東ヨーロッパの国々のポピュラー・ミュージックを中心に紹介する専門レーベルとして知られていますが、その中でも近年注目度がグングンとアップしているポーランドの新世代音楽家たちを紹介する編集盤がこちら。その名も『ポルスカ・ルーツ』です。“ポルスカ”とは本来ポーランドの事ですが、クラシックの世界では北欧スウェーデンの舞曲のスタイル名としても知られています。ただこのアルバムで聞けるのはそんなクラシックの方のポルスカではなく、ポーランドに息づく伝統音楽を継承しつつ、様々な音楽を吸収して発展を見せる今のポーランドのポピュラー・ミュージックを指しています。
 なんでもポーランドは冷戦時代よりレゲエやパンクが盛んに聞かれていた東側唯一の国だったのだとか。そんな下地があったため、その後ダブやエレクトロニカなどといった新世代音楽が入ってきた時もすんなりと受け入れられたのだそうです。しかし音楽に関してはもともと古い歴史を持っているポーランドだけに、そんな外来の音楽をただ模倣するだけではなく、そこに自国の伝統音楽(マズルカやポロネーズなどが有名)の要素を加え、独自のスタイルを作り出す事も忘れていませんでした。ここで聞けるのは、そんな外来の音楽に影響を受けつつ、ポーランドらしいスタイルを持っている若手音楽家/グループたちのベスト・トラックです。
 このアルバムで紹介されている中でもっとも日本で知られているのは、今年ライスから最新作『インフィニティ』(JAR-5086)がリリースされたワルシャワ・ヴィレッジ・バンドでしょう。本来かなり伝統色の強いサウンドを持つ彼らですが、ここではややエレクトロニックなサウンドのものが2曲選ばれています。
 その他は日本ではまだまだ無名の音楽家たちばかりですが、これまで“閉ざされた東側の国”のイメージが強かったポーランドだけに、ここで聞ける開放的で刺激的なエレクトロニック・サウンドや未来型フォーク・ミュージックにビックリされるはず。しかも自国の伝統もしっかりと受け継ぎ、独自性を見出している点は、ワールド・ミュージック・ファンなら聞き逃す訳にはいかないでしょう。
 ポーランド音楽のいまを知る良い手引き書としても是非本作をご活用ください。

試聴はこちら (EASTBLOK MUSICホームページ)

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