東欧のジプシー/フォーク・ミュージックの影響をたっぷり吸い込んだクレツマー・ヴァイオリニスト
別項で“新世代”音楽家を紹介しておりますが、こちらもぜひ注目していただきたい新世代です。
ジェイク・シュルマン=メントは80年代半ば生まれのニューヨーカー。おもしろいことに彼もまた別項の新世代と同様に、クラシック音楽を学んだ後に、自身のルーツがある伝統音楽に出会い、その音楽に邁進しているところです。ロックやジャズなどよりポピュラリティのある音楽ではなく、伝統音楽を選ぶのが新世代の特徴かもしれません。
シュルマンの場合、そのキッカケはユダヤ人の成人式である「バル・ミツヴァー」で演奏の機会をもつことでした。その際に同年代の楽器を操れる友人を誘ってクレツマー・クァルテットを結成。ニューヨークはユダヤ音楽の重要な発信地のひとつですが、その界隈で最年少バンドとして評価を得てゆきます。その後、ニューヨークのクレツマー・シーンを牽引するトランペット奏者、フランク・ロンドン率いるバンドの他に数々の有名クレツマー・バンドに参加、共演を果たしてゆきます。その他にも自身でいくつものバンドを組織し、アレンジャー、プロデューサー、コンポーザーとしての才能も開花。さらにハンガリーやルーマニア、ギリシャなどに演奏旅行し、当地でフォーク・ミュージックのリサーチも行ない、その影響を取り込んで個性を伸ばしてゆきました。
そんなシュルマンの初めてのソロ・アルバムが本作です。彼はヴァイオリンの演奏の他に、ベース、トランペット、アコーディオン、ツィンバルを伴奏に味のあるヴォーカルも披露しています。ほぼ半数がオリジナル曲で、もう半分は東欧のジプシー/フォーク・ミュージックを含む伝承曲が占めます。その荒削りな部分をわざと残したような若々しい彼のパフォーマンスと、整合性よりもグルーヴを大事にしたようなアンサンブルが彼らの魅力。これぞ新世代と呼べるみずみずしい作品です!
試聴はこちら(オリエンテ・ムジーク公式HP)
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