ア−ティスト

プエルト・プラッタ

タイトル
キャバレーの女
オ−ダ−番号
IAR-382
定価(税込
2,415円
ア−ティスト

シティ・ヌールハリザ

タイトル
ルントゥラ・ティムール
オ−ダ−番号
SRR-219
定価(税込
2,310円

まさにドミニカ共和国の“ブエナ・ビスタ”!
知られざるバチャータの<黄金時代>


 カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島の西側(東側はハイチ)を占めるドミニカ共和国の音楽と言えばメレンゲとバチャータ。メレンゲは1980年代にダンス・ミュージックとして大爆発し、世界中に伝わりましたが、バチャータが国際舞台に登場するのは90年代。バチャータの英雄と言われるファン・ルイス・ゲーラがグラミー賞を獲得した時でした。しかし彼がパフォーマンスしていたのは“ポップ・バチャータ”ともいうべき、かなり洗練されたものだったのです。
 バチャータは50年代にはその様式が生まれ、60年代になってはじめて録音されるようになりましたが、当初は田舎や貧乏人の音楽として蔑まれた音楽で、メインストリームのメディアで取り上げられることはありませんでした。
 ギターを中心に失恋や人生の悲しみをうたうその様式はアメリカのブルースにも例えられ、そこにボンゴやマラカスなどのシンプルなパーカッションが加わるさまは、まさにその源流といわれるキューバのボレーロやソンのようで、メキシコのランチェーラをも思わせるラテン音楽の叙情が息づいています。
 90年代以降はエレクトリック化し、ダンス・ミュージックとして人気の出たバ
チャータですが、ここで紹介するのは全編アクースティック編成で聴かせる<黄金時代>のバチャータ。プエルト・プラッタは現在でもその<黄金時代>のバチャータやそのルーツであるドミニカン・ソン/ボレーロを聴かせる83歳(!)の現役男性歌手。これがデビュー・アルバムとなる、まさに“ブエナ・ビスタ”!
 そしてもう一枚がやはり<黄金時代>である70年代の録音を中心に集めた編集盤です。
 バチャータの録音がはじまった60年代初頭のイナタい伝説的な歌手からスタート。キューバやメキシコのボレーロの影響から脱しきれていないバチャータの揺籃期〜過渡期を経て、そのスタイルの多彩な歴史的エピソードを追いながら、現在のバチャータの元祖となるエレクトリック・ギターを取り入れた1990年の重要曲までたどります。
 バチャータという音楽の最初期から現在までのバチャータを体系的に楽しめる編集盤は、もちろん世界ではじめて。さらにライナーノーツには、音楽の歴史はもちろん、歴代の歌手たちの詳しい紹介なども完備されているから貴重です。
 これはまさに『バチャータ歴史物語』!
 ラテン音楽の知られざる歴史を追体験できる一枚です。
 チーチャに引き続き、どんどん面白い発掘が続くラテン音楽。ファンは見逃し厳禁です。

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