ア−ティスト
アマジーグ
タイトル
マルシェ・ノワール
オ−ダ−番号
HMR-2054
定価(税込)
2,100円
         

グナワ・ディフュージョンの中心人物のソロ・デビュー作
いよいよ正式に国内発売決定!


 これまでオルターポップから国内盤が2作出ているほか、2006年には来日公演も行うなど、日本でもファンの多いグナワ・ディフュージョンですが、残念ながら現在は活動休止状態。そんな中、同バンドのリーダーを務めてきたアマジーク・カテブが注目のソロ作品をリリースしてくれました。
 モロッコ発祥の音楽として知られるグナーワは、西アフリカ土着の信仰を元にスーフィー(イスラーム神秘主義)の思想が絡み合った音楽性を持ち、神秘的なサウンドやダンスを伴って神に近づこうというのがその基本的な構造。そんなグナーワをモティーフに、ロックやダンスホール・レゲエの要素を取り入れ、フランスやアルジェリア、モロッコの音楽シーンで一躍人気を博したのが、アルジェリア出身のアマジーク・カテブを中心に結成されたグナワ・ディフュージョンというグループでした。
 アルジェリアのカリビア地方出身のベルベル人として生を受けたアマジーク・カテブは、マグレブ文学の巨匠として知られるカテブ・ヤシーヌ(1929−89)を父に持ち、亡命したその父を追って16歳で渡仏しました。そしてフランス南東部の中心都市グルノーブルで1990年代前半にグナワ・ディフュージョンを結成し、93年に『Legitime difference』という自主制作盤でシーンに登場。その後『スーク・システム』(オルターポップ ARPCD-5123)などのヒット作を残しましたが、2007年の『ファッキン・カウボーイズ』(オルターポップ ARPCD-3124)を最後に活動を休止してしまいました。
 そして今回ソロとしてフランスのレーベル“IRIS MUSIC”から新作をリリース。バンドを休止してもアマジーグの創作意欲はますます増すばかりで、ここではなんと亡き父ヤシーヌが残したフランス語やアラビア語の詩を元にアマジーグが音楽を付けたという、一風変わったコラボレーションの形をとっています。もちろんそこにはアマジーグらしいメッセージ性が込められていて、これまでのグナーワをベースにしたミクスチャー・サウンドだけでなく、アルジェリアのシャアビ、攻撃的なラガ・マフィンなど、多彩なアレンジを用いてその熱い思いを聞かせてくれます。そしてそれはソロ作品ならではのフットワークの軽さといえる部分なのかもしれません。
 マヌー・チャオ、ラシッド・タハ、ティナリウェンといったアーティストにも共通する強いメッセージ性が込められた1枚。2011年、最初で最大の注目作といえそうです。

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