3月31日(水)
 今日は休みの予定だったけど、銀行送金の日なので出勤になった。どうせ会社に来てしまったから、ついでに仕事もしてしまうことに。おかげで明日やる予定だったリストの原稿はほぼ完成。これで明日はほかの仕事ができる。

 海外に行くたびに持って歩いていたノート型パソコンが、一昨日をもって起動しなくなった。寿命が来たということのようだ。最近、充電しにくくなっていたり、初期化できなくなったり、弱っている兆候はあったのだが、でも実際に止まってしまうと寂しい。たぶん修理に出せば直るのだろうが、悪いところを全部直したら修理代は安くすみそうにないし、そろそろ新しいのを買って2台を使い分けるようにした方がよいのかもしれない。近くの電気屋の割引券(5パーセント!)が今日までなので、いま迷っているところです。

 本当は、パソコンよりもっと欲しいのがDVDプレイヤー。これまでDVDはパソコンで見るだけだったけど、最近コレクションも増えてきて、ちゃんとした画面で見たいものも出てきた。まあ、コレクションと言っても、当社で売っている商品のサンプルが中心だけど、それでも都はるみさんとが、ぼく自身が買ったものも少しはある。でも、いまどき、DVDプレイヤーも持っていない人は珍しいんだろうなあ…。

 

3月30日(火)
 さすがに疲れたので、今日はお休みにした。せっかくだからゆっくりお花見でもしようと思ったのだが、ついてない時はこんなもの。今日に限って天気が良くない。しかも、天気予報では午後から雨とのことなので、洗濯もできない。最低の休日になってしまった。

 でも、音楽評論家の蒲田さんと久しぶりに飲み会ができたのは嬉しかった。蒲田さんとはなぜか西川口で待ち合わせることが多いのだけど、今日も同じパターン。風俗街として知られる西川口には、安くておいしい居酒屋さんも意外と多い。しかも蒲田さんもぼくも家からあまり遠くないから、いざとなったらタクシーでも帰れるということもあって、ここになってしまうのだ。今日は東口の魚料理中心の居酒屋さんで軽くいっぱい。ほろ酔いになったところでお開きにした。話題は相変わらず音楽中心。蒲田さんは、ぼく以上に当社発売のアルバムを熱心に聞いてくれているので、お話していると勉強になることが多い。

 夜はゆっくりラムリーとサローマのLPなどを楽しむ。最近、アナログ・プレイヤーを直したので、LPを頻繁に聞くようになってきた。やっぱりCDよりLPのが聞いてて落ち着きます。

 

3月29日(月)
 先に入荷したトルコ盤のサンプルの中で、実はスゴいアルバムがふたつあって、ここんところこっそり愛聴させてもらっている。ともに当社で発売している最高の古典歌手ミュニール・ヌーレッティン・セルチュークのアルバム。ひとつは3枚組。もうひとつは未発表ライヴで、ともに超レアな内容だ。事情があって、当社のホームページで紹介されるのは5月くらいになってしまうが、3枚組の方なんて、まさに決定盤。スゴとしか言いようのない内容だ。出たら、買いたいと思うマニアも多いに違いない。

 なんて感じで、復刻もののすばらしいアルバムはいくつか出ているものの、新しい録音の新作となると、なかなか面白いのが出なくて困っている人も多いようだ。それだけに期待されているのが、来月当社から出るティナリウェンなのだろう。『ミュージック・マガジン』の次号では、ティナリウェンを中心とした<砂漠音楽>が大特集されているらしく、久しぶりに中村とうようさんが長い原稿を書かれているのだそうだ。一緒にグナーワ・デフュージョンなども紹介されているようだけど、確かにいまのアフリカ/アラブ音楽で注目すべきはこのあたりの音楽なのだろう。特集がどのような反響を呼ぶか、いまから楽しみです。

 

3月28日(日)
 今日も良い天気だったけど、朝からお仕事。ブラジルのレコーディングについては昨晩だいたい片付いたので、今日は原稿書きに精を出した。今日書いたのはターラブのアルバムとエチオピア音楽の編集盤の解説だけど、特にエチオピアの方では歴史書まで読みはじめてしまったから、たっぷり時間がかかった。でも、こうして知れば知るほど、ますます不思議に思えるのがエチオピアの歴史。そしてそのポピュラー音楽の成り立ちだ。仏ブッダの<エティオピーク>シリーズの中で買い逃していたアイテムは全部ヨーロッパの卸屋さんに注文したので、それが届いたらもっと腰を落ち着けてこの国の音楽について勉強してみようと思う。

 帰宅したのは夜の9時。荻原さんからいただいた焼酎が残っていたので、それをチビチビやりながら、アマリア・ロドリゲスのLPをいくつか楽しんだ。当社が今月発売したファドの若手女性歌手ジョアナ・アメンドエイラはかなり評判が良いらしく、すでに何人かの方にお褒めの言葉をいただいたが、やっぱりジョアナだけを出しているのではいけない。女王アマリアのアルバムも早く出さないと。新しいレコーディング・プロジェクトがふたつあるので、そちらを先に片付けないといけないが、なんとかゴールデインウィークあたりの発売を目指して頑張りたいと思う。内容はだいたい決まっているのだが、解説を書き上げるための時間を作らないといけない。

 

3月27日(土)
 昨晩はヴァージン蒲田店のMさんと飲み会。久しぶりに音楽談義で盛り上がった。彼と話すのはほとんどロックのことばかりだけど、ぼくにとってワールド・ミュージックよりもロックの話の方が、仕事が関係ない分、楽しかったりするときもある。もちろん、最近のロックのことなんかわからないので、ニール・ヤングの70年代は結局どれが一番面白かったか、なんて古い話に終始。そんな話を11時頃までして、12時過ぎには帰宅した。蒲田はちょっと遠いかなと思ったけど、京浜東北線でまっすぐ行けるので、あまり距離を感じない。帰りはゆっくり寝てきたので、ますます良かった。電車で寝たなんて、本当に久しぶりだ。

 今朝は少し二日酔い気味だったけど、あまりに天気が良いので早起き。昨日と違って冷たい風が吹かないので温かいし、この調子じゃ桜が一気に咲いてしまいそうだ。まさにお花見日和。こんな日に朝から事務所でひとり仕事をしているのは、正直言ってツラいです。

 ただ、そんなことを言ってもはじまらない事情もある。そろそろ月末なので帳簿を整理しておかないといけないし、書かないといけない原稿もたまっている。それに一番心配なのが、来月のブラジルでのレコーディング。2週間後にはスタジオ作業がはじまってしまうというのに、まだ全然準備が進んでいないからタイヘンだ。曲目も決まっていないセッションもあるほど。実は日本でも同時進行でもうひとつレコーディング・プロジェクトがあるのだが、こちらの方もまだ選曲段階で、考えないといけないことも多い。とてもお花見どころではないのです。

 

3月26日(金)
 天気の良い金曜日。この調子だと桜がすぐに満開になってしまいそうだ。この週末は見ごろになったら普通に土日休みの人には嬉しいところだろう。ぼくは週末仕事だから花見どころではないけど、会社に来るときに駅の近くの遊歩道を通れば、いちおう桜は見れる。今年はそれで我慢しましょう。

 桜の季節と言えば、もう10年ほど前、インドネシアのグサンさんが来日されて東京ではじめて大きなコンサートを開かれたのが、桜のシーズンだった。その時はぼくも舞台監督として仕事に関わらせてもらったのだが、全部の公演が終わったあとに鎌倉に桜見物に行ったときのグサンさんの穏やかで嬉しそうな表情が忘れられない。<日本人はサクラを><インドネシア人はジャスミンの花を><花を愛するそんな気持ちは同じ>という意味の歌詞を、インドネシアのスカルノ初代大統領が作った、なんて話をグサンさんから聞いたのは、この時だっただろうか。あれ以来、桜を見るとどうしてもグサンさんの顔を思い出してしまう。
 今日は入荷も少なかったせいもあって、穏やかな一日。おかげで、いつもは土曜日にやっていた雑務をほぼ終わらせることができた。これで明日と明後日は本格的な仕事に集中できる。うれしいことだ。ここ3日ほど原稿を書いていないので、久しぶりに書きたい気分が沸いてきているし、この週末は少し頑張れそうだ。

 なんて言いながらも、実は今晩は元ヴァージン・メガストア新宿店のワールド担当だったM氏と久しぶりに飲み会だったりするから、困ったものだ。ヴァージン新宿店がなくなった後、M氏は蒲田店に移られたのだが、今日はその蒲田店で会うことになっている。とても楽しみです。

 

3月25日(木)
 木曜日はリスト作りの日。やっとブラジル盤のリリース攻勢がはじまったみたいで、これまでの倍近くのインフォが送られてきた。しかも今日になって送られてきた情報もあったりして、ますます混乱。でも、ネタがなくて困っていた時期に比べたら、多すぎて困るほうがいい。来月末あたり、ブラジルの輸入盤コーナーにはけっこう面白そうな新作アルバムが揃いそうです。

 ティナリウェンのアルバムを制作している会社からメールがあり、ティナリウェンの女性コーラスのひとりウヌ・ワレット・ウマル(Wounou Wallet Oumar)さんが3月21日に亡くなったことを知った。肝臓疾患でバマコの病院に入院していたのに、そのまま帰らぬ人になってしまったようだ。フランス人やイギリス人の制作スタッフたちもみんなでお葬式に参列するためにマリに行ったらしい。ちなみに来月当社から出るアルバムでは彼女のソウルフルな歌声を聞くことができる。ティナリウェンの最大の魅力のひとつが女性コーラス。それくらい重要な仕事を担っていた人だけに、とても残念な知らせだ。心からのご冥福をお祈りしたい。

 

3月24日(水)
 今日も休みの予定だったが、今日は社員の給料支払日。仕方なく出社して、銀行支払いをしてきた。他にもお役所仕事がいくつかたまっていたので、昼間に外出できる今日のうちに片付けることに。仕事らしい仕事はしていないのに、会社の用事だけで午後が終わってしまった。

 今年に入ってサンビーニャは大不振。しかも引越しでお金を使ってしまったものだから、ぼくの給料はまだ一度も出ていない。それでも、社員の給料を含め、支払いはキチンとしたいと思っているから、今日も金策のためにあちこち走り回った。こういうなれない仕事の後はどうも疲労感が大きい。

 夜はウィリー長崎さんの初アルバム『海上の道』(ソニー)の発売記念ライヴを見るために原宿クロコダイルに向かう。ご存知のように、このアルバムのプロデュースは中村とうようさん。しかも『ミュージック・マガジン』主催のライヴということもあって、会場は顔見知りでいっぱい。久しぶりの同窓会みたいな感じだった。ライヴの後はエル・スールに行って、アナログ盤漁り。そしたらとうようさんや長崎さんもやってきて、ビックリ。その時、ぼくはアフリカ盤のアナログ盤をチェックしていたのだが、そこで見つけた一番珍しい盤を眺めていた時、とうようさんが横にやってきて、自分も持っていないアルバムだと盛んにいうので、お譲りすることにした。珍しいのはわかるけど、今月はもう9000円もするレコードは買えない。とうようさんがお持ちになるのなら、借りようと思えばいつでも借りられるわけだし。

 ぼくの方はファド・アルバムを少し購入。アマリア・ロドリゲスとヴィニシウス・ジ・モラエスの共演なんて珍しいアルバムも発見!!

 

3月23日(火)
 火曜日はお休みに決めたので、事務所には行かず、個人的な用事を終わらせることに。というのも、こんなにアレコレ仕事がたまっているのに、無謀にも4月9日から20日までブラジルに行くことにしてしまったので、ビザを取ったり、あちらでの仕事の準備をしないといけなくなってしまったのだ。もっとも、今回行うブラジルでのレコーディングは前々から決まっていたもので、飛び入りの予定ではない。むしろ、ほかの仕事がなかなか進まないので、こんなにタイトな気分になってしまったのだ。

 ブラジルでは、もしレコーディングが早く終わったら、一日か2日、ゆっくり休みたい気分。リオ付近の海沿いの町でゆっくりできれば最高なんだけど。

 

3月22日(月)
 月末になると、どうしても会社の用事が増える。今日も午後から外出して、打ち合わせをアレコレ。帰宅したらもう夕方で、その後は仕事にならなかった。でも、夜は家にいられたので、再びファドの本を読みながらレコードをチェックすることに。ファドの歴史なんて、これまであまり考えたこともなかったので、とにかく新しい発見が多い。考えてみれば、ファドについてそれほど詳しく書かれた文献は、少なくとも日本語では読んだことがない。ポルトガル語で書かれたものもありきたりといえばありきたりな内容だが、それでも、例えばブラジル人のジョゼー・ラモス・チニョロンが書いたファドについての本は刺激的だった。どこがどう刺激的なのかは、今後ファドについて長い文章を書く機会があったご紹介したい。

 

3月21日(日)
 今朝も目が覚めたのは8時半。いつもよりも2時間半も遅い。目覚めもかなり悪いし、やっぱり夜更かしは良くない。これっきりにしよう。昨日と一転して最高の晴天だったから、なおさらそう感じる。こういう日は朝早く起きて外を散歩したりすると、空気もきれいで、すごく気持ちが良いのだ。

 とにかく会社に行って、今日はじっくり原稿書き。書きかけになっていた解説原稿を仕上げ、月曜入稿の英文原稿をチェックした。火曜日を休みと決めたので、月曜日には仕事の区切りをしっかりとつけないといけない。そうなると、その前日の日曜日はすごく忙しくなる。みんなが遊んでいるときに仕事というのもイヤだけど、混んだ場所に行くのももっと嫌いなので、これでいいのかもしれない。

 気合を入れるための、来月発売が決定したティナリウェンのアルバムを久しぶりに聞いたら、改めてすばらしい内容であることを確認。プロモーションに気合を入れようという気分になった。今月末にはトルコ・ダブルムーンの新作オリエント・エクスプレッションズの『ディヴァン』も出るし、当社が力を入れているアルバムが目白押しだ。店頭に並んだ時には、どうぞよろしくお願いいたします。

 

3月20日(土)
 昨晩はエル・スールの原田さんと飲み会。近くの<なるきよ>さんというお店で味しい料理をつまみながら日本酒を楽しんだ。でも、楽しみすぎて、終電までの予定が、結局3時まで。さらにエル・スールに戻って焼酎まで飲みはじめちゃたからタイヘンだ。でも、それから1杯くらいずつ飲んで、両者ダウン。もうお互いに若くないので、無理はききません。

 そんなわけで、今朝目が覚めたのは、やっと8時半。こんな時間まで寝ていたのは久しぶりだ。きっとバチが当たったのだろう、朝起きてメールをチェックしようとしたら、ネットが全然つながらない。電話もつながらない。直そうと努力したけど、全然ダメで、結局会社にやってきて仕事をやることにした。で、そうしたら今度は急に雨が降ってきて、まもなく雪に。それも大きなボタン雪だ。帰る頃にはまた雨に戻ったけど、すっかり濡れてしまった。

 こういう日は、また外出したりすると何が起きるかわからない。昨日エル・スールでLPやCDを買い込んだので、帰宅してからは外に出ないで、家でじっくり音楽を聞くことにした。今日聞いた中で一番良かったのは、なんといっても8800円も出して買ったP・ラムリーとサローマのLP(キャピトル・ワールド・シリーズの1枚)。これまでも同店で何度か見かけたけど、どうせ持っている曲ばかりだろうと思って買わなかった。でも、買って聞いてみたらビックリ。知らない曲が半分も含まれていたのだ。それらを何度も聞いていたら、彼らの他のアルバムも聞きたくなって、LPやCDなどを引っ張り出すことに。そうしているうちに気が付いたのだが、サローマはCD一枚分くらいの未復刻音源があったんですね、しかもほとんど初期音源で…。初期のサローマは、どの曲も本当にすばらしい。これは近々ライスでやることになるかもしれない。

 夜はファドの歴史について書かれた本(ポルトガル語の本を3冊も持っていた)を読みながら、ファドの初期音源を聞こうと思っていたのだが、そちらに手をつけられたのは、やっと11時。結局この本やCDも楽しくて、3時くらいまで読んだり聞いたりしまったのだが、夜更かしが2日続くなんて、どれくらいぶりだろうか。だいたい、こんな調子で明日の朝は起きられるのかどうか…。

 

3月19日(金)
 今日は入荷がなかったので、後回しになっていた仕事を片付けることにした。中でも重要だったのが、送らないといけない注文がかなりたまっていたので、それらをまとめて送ること。注文を送ること自体はたいして手間がかかるわけではないが、送り先のカタログやホームページを見ながらサンプルも注文しようとすると、少し面倒になる。会社によっては膨大なカタログを持っていて、一通り聞くのもタイヘンそうだが、少しずつでもサンプルを注文しながらチェックして、優れたアルバムの入荷漏れがないかを調べるのが、ぼくらの仕事だ。きっとどのレーベルにも、まだまだ埋もれた名作アルバムが存在するんじゃないかと思う。

 そうして送られてきたサンプルを聞くのも、けっこう時間がかかる。今日は午後からたまっていたアルバムを少しチェックしたのだが、しばらく聞いていなかったトルコ盤のサンプルの山の中に面白いアルバムがいくつもあったことを発見した。特に古典もののアルバムは、解説付きでないとなかなか売りれないので、後回しになっていたのだが、これがすばらしい作品のオンパレード。思わず家に持ち帰ってじっくり聞きたくなるアルバムが多い。このあたり、来週あたりから少しずつ紹介してゆくことにしよう。

 『砂漠のフェスティヴァル』は毎年1月にマリで行われるが、その主催者がいま頃になって今年のプログラムを送ってきた。それによると、今年は1月6日から3日間の開催。ティナリウェンら地元のグループはもちろん、アリ・ファルカ・トゥーレやウム・サンガレら、マリの人たちはみんな今年も出演していたようだ。さらにビックリしたのは、ロバート・プラントとジャスティン・アダムスまで今年もちゃんと出ていたこと。彼らは本当にこのフェスティヴァルが好きなようだ。ロバート・プラントが<砂漠のブルース>をどのように好きなのか、ぜひ一度聞いてみたい気になる。あちこちで大々的に発言してくれると、宣伝になって良いのだけど。プラントさん、来日の予定とか、ないのかなあ。

 夕方からは、久しぶりに本屋さんやレコード屋さんを回るつもりなので、今日はもう帰宅することにした。まず池袋のジュンク堂に行って、買いたい本のチェック。次に久しぶりに渋谷まで足を伸ばして、タワー渋谷店やエル・スールを覗いてみるつもりだ。何か面白いアルバムが出ているといいんだけど。

 

3月18日(木)
 昨晩は久しぶりに自宅でゆっくり過ごせたので、今朝は快調。恒例のリスト作りもスムーズにできた。今週のリストのメイン(ライス・シリーズ)は、ティナリウェンの新作(4月11日発売決定)と、先にこの欄で紹介したサンバのスリッカ姉御の初ソロ・アルバム。さらに<ラフ・ガイド>のケニア音楽編(最新の動きまで入っている!)、トルコの実力派女性歌手ギュルベン・エルゲンの新作もサンビーニャ・シリーズで発売することにした。カーニヴァルも終わってやっと普通に戻ってきたブラジルからも注目新作が出始めたようで、そのあたりも紹介。それとインドネシア、トルコなど、今週も盛りだくさんのリストだ。

 トルコといえば、遅れていた荷物がやっと到着。在庫切れになっていたタルカンなども、ちゃんと入ってきた。サンプルもたくさんあるので、チェックしないと。面白いものがあったら、来週のアタマあたりに紹介できるかもしれない。

 もうひとつ、やはり在庫切れしていた『砂漠のフェスティヴァル』(CD)も入ってきた。ロバート・プラントが1曲歌っているせいか、予想以上に売れているこのアルバム。今回はたくさん入荷したので、しばらく在庫の心配はなさそうだ。

 

3月17日(水)
 今日もぼくはお休み。でも朝にちょっとだけ事務所で仕事をして、午後はゆっくりと休ませてもらった。もう2ヶ月くらいで45歳(四捨五入すると50歳!)になるぼくだから、たまには休まないと体がキツい。というわけで、今日は久しぶりに仕事を離れた一日。散歩したり、梅の花を眺めたり、仕事と関係ない太田裕美のCDを聞いたりして、ゆっくり過ごした。

 

3月16日(火)
 今日はぼくだけお休みの日。珍しく一度も事務所に来ることなく、一日自宅で過ごすことになった。と言っても、まったく仕事をしないわけではない。外国との取引先との交信は休むわけにはゆかないし、チェックしておきたいサンプルもたくさんある。かえって自宅にいる時のほうがサンプル・チェックには好都合なので、今日もたくさんCDを聞いてしまった。

 外国との交信と言えば、良い知らせがひとつ。発売延期になっていたティナリウェンの問題が解決して、無事当社で発売できることになった。4月前半には店頭にお届けすることができそうだ。今回の問題の発端は、アルバムの制作者のひとりが勘違いしてフランス・ユニヴァーサルとインタナショナル契約をしてしまったこと。だから日本での権利も、当社ではなくユニヴァーサルにあるということになってしまった。それを再び当社に戻してくれたのが、当社の取引先である英ラス社のイアン・アシュブリッジ社長。なんでもイアンさんは英ユニヴァーサルの重役でもあって、当社が今回の件で困っていることを知り、フランスのユニヴァーサルに話をつけてくれたようだ。本当に持つべきは友だ。ありがたい限りです。

 ティナリウェン関係としては、『砂漠のフェスティヴァル』のDVDもやはり4月発売が予定されている(ロバート・プラントももちろん出演しています)。アフリカの砂漠音楽は、これから大きく盛り上がりそうだ。

 

3月15日(月)
 今週末に当社から発売されるジョアナ・アメンドエイラがお店筋ではかなり好評のようだ。サンプルをお送りしたお店からの反響は軒並み良く、取りまとめをしてくれたチェーン店もあった。アマリア・ロドリゲスが亡くなる前後にポルトガルでは何人かの女性ファド歌手が登場したが、その中でぼくはこのジョアナ・アメンドエイラが一番好きだ。なにより歌い方が自然で、本当の意味で実力を感じさせてくれるからだが、そんな彼女をこうしてプッシュしてくださるお店が多いのはありがたい。今週末にはお店に並んでいますので、試聴機に入っていたらぜひ聞いてみてください。

 月曜日は朝から細かい仕事が多くて慌しい。今日もそんな感じ。事務所を引っ越したおかげで市役所や銀行や法務部が近くなったのはありがたいが、その3つを一気に回った今日は、どこに行っても待っている人がいっぱい。本当にイライラさせられた。
 だいたい、市役所も銀行も、人を待たすのを当たり前だと思っているんじゃないかと思えるから、ますますアタマにくる。口では<お待たせしてすみません>なんて言っても、まったく改善しようとしないのだから、口先だけだと言われても仕方がないだろう。もしも銀行や役所が、夜とか週末とかも業務をしれてくれるなら、そんな時間に多少混んでいても文句はない。でもこちらが仕事を休んでわざわざ行かないといけないのに、その上待たせたりするから、ハラがたつわけだ。しかも、ハンコがひとつ足りないとか、身分証明書がないから、とかいう細かい理由で、平気でももう一度来てくれなんて言う。そういう時は、お前らいったい何様だと思ってやがるんだ、と言いたくなる。昨年だったか、どこかの銀行での対応があまりアタマに来たので、書類を全部破り捨て、この金はお前にくれてやるよと言って帰ってしまったことがあった。銀行や役所の悪口を言い始めたら、いろいろありすぎてタイヘン。とても全部は書ききれない。今度また続きをやりましょう。

 夜は山内雄喜さんと打ち合わせ。来月からはじまる新作アルバムの曲目を決めるためで、アルバムの冒頭のほうに関しては、これでだいたい決まった感じだ。今度もかなり面白い内容になりそう。ハワイ音楽ファンの方々は期待してください。

 実はこのアルバム、本当は昨年に作るはずだったのに、山内さんが忙しくて、どんどん先延ばしになってしまっていた。この夏に出るアルバムの仕事がやっと落ち着いてきたとのことなので、やっと制作に入れることになった次第。だから、このアルバムは夏には絶対に間に合わない。たぶん出るのは秋口。他のハワイアンのアルバムの店頭展開が終わった頃に店頭に並ぶので、かえって目立つかも。こんな時期に出るハワイ音楽アルバムが一枚くらいあってもいいでしょう。

 

3月14日(日)

 日曜日でしかもすごく良いお天気。こんな日に仕事に行かないといけないなんて…という気分だが、やることがたまっているのだから仕方がない。朝から事務所でひたすら原稿書き。そして帳簿の整理など、会社仕事を少し。でもBGMにハワイアーナの新作があるから、今日も気分がいい。ハワイアーナは、昨年のボサ・アルバムは個人ベスト10に入れるほど楽しませてもらったが、今回もこのユニットらしいほんわかムードが楽しい、なかなかの一枚だ。まきちゃんは前作以上にリラックス。山内さんも自分がメインより、こうして裏方に回った仕事の方がリラックスしていて楽しそうだ。このアルバムもこのまましばらく聞き続けることでしょう。

 さあて、今晩はサッカー。オリンピック代表のバーレーン戦だ。昨日のJリーグの開幕戦は見逃したので、今日は早く帰って見ることにしよう。

 

3月13日(土)

 昨日は午前さま。それでも今日は早起きして、事務所に向かった。さすがに昨晩のお酒は残っているけど、今日もやらないといけないことがたくさんある。土曜日恒例の残務仕事。でも、アトンの小島さんにいただいたハワイアーナの新作『スウィング・スイート』(4月11日発売予定)のサンプルCDRを聞きながら、今日はリラックス・モードで仕事をすることができた。

 帰宅後は、昨日タワー新宿で買ったCDをチェック。新作はあまり出ていなかったが、都はるみのライヴDVDとか、古い作品をチェックできたのが良かった。はるみさんのDVDは2本買ったが、両方ともすばらしい歌いぶり。特に昨年の日生劇場でのライヴなんて、買って良かったと思った。それに新作ではアオラさんから出たヒュー・トレイシーのシリーズの2枚がさすがの内容。太田裕美の30周年記念シングル集の第2弾(今回は後期の音源)も丁寧な仕事ぶりがうれしかった。おまけにジョアン・ジルベルトの日本ライヴもいちおう購入したのだけど、これについてはコメントを避けましょう。

 さあ、明日も朝から仕事。昨晩はあまり練れなかったから、今日は早寝をすることにしよう。

 

3月12日(金)

 今日到着するはずだったブラジル盤が、空の天候が悪かったとかで飛行機が飛ばなかったらしく、結局着かなかった。おかげで今日は入荷ゼロ。ブラジル盤が入ってきたらもう一度出荷をしようと思っていたのに、肩透かしという感じだ。どうも今年に入ってから、入荷が予定とおり進まないことが多い。天候の都合とかなら仕方ないけど、ブラジル盤なんて、出荷そのものが遅かったわけだし、どうもみんなタルんでいるんじゃないか、という感じだ。来週の月曜日あたりにカツを入れないと。

 山内雄喜さんと上原まきちゃんのユニット、ハワイアーナのアルバムを出しているアトンさんより、引っ越し祝いが届いた。いわゆる観葉植物というもので、たぶん谷岡社長さんがお選びになったのだろう。さすがに女性らしいセンス。おかげで殺風景だった事務所にちょっと潤いが感じられるようになった。どうもありがとうございます。

 夜は久しぶりの飲み会。タワー渋谷の小樋山さん、タワー新宿の篠原さん、メタ・カンパニーの内山さん、アトンの小島さん、チカルスタジオの田中さんと、計6人が揃って韓国料理屋さんで飲むことになった。男女3人ずつだから、まるで合コンみたい、なんて話も出たけど、ぼくは大学生活なるものがなかったので合コンなんて経験なし。でも、たまにはこういうのも面白いものだ。ちなみにこの6人で一番の酒豪は、間違いなくアトンの小島さん。飲みはじめたら、本当に止まらない。今日も強力…。二人だけで二次会にオカマ・バーに行ったのだけど、運悪く満員で、仕方なくお寿司を少しつまみながら日本酒を飲んでお開きにしたのに、それでも終わったのは3時近くだ。もしもオカマ・バーに行ってたら、きっと朝まで付き合うことになっただろう…。帰宅したら3時半。こんなに遅くまで飲んだのは、今年になってはじめてでした。

 

3月11日(木)

 さすがに2日休むと疲れが取れていて、朝は快適な目覚めだ。こういう朝は最高。家から会社まで、少し走ってしまった。昨日も暖かかったけど、今日はさらに南風が強くなって、汗ばむほど。午後なんて、思わずビールを飲みたくなってくる。来週は桜も咲くようだし、お花見で一杯なんてのもいいかもしれない。

 今日は毎週恒例のリスト原稿。今週もサンビーニャは注目作が目白押しだ。たとえばワールド・ミュージック・ネットワークの<ラフ・ガイド>シリーズの新作はイタリア、それも若い世代のアンダーグラウンド・シーンにスポットが当てられている。また同時発売でケニア音楽の特集も出すらしいけど、ともに日本で聞ける音源はごく一部、というのがスゴい。当初はありきたりな選曲で、本当に<ラフ>な編集盤が多かった<ラフ・ガイド>シリーズだが、いつまでもそうだと思っていると、大間違い。最近では簡単には聞けない音源を取り混ぜた充実作がどんどん増えてきている。新しいものほど内容は面白いので、どれでもいいからひとつ聞いてみてください。この値段でこの情報量はうれしいと思うはずだから。

 ブラジルから、ヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテーラの女性コーラス、スリッカ姉御のソロ・アルバムのCDRが届いた。プロデュースはパウローン。モナルコの息子マウロ・ジニースも参加して、大ベテランの姉さんを助けているようだ。ぼくが彼女と知り合ったのは、もう19年も前。もともと迫力のある歌声が持ち味の人で、レコーディングでも声が大きいから、いつも一番後ろで歌ってもらっていたのだが、このアルバムでは初ソロ・アルバムを意識してるのか、いつもよりずっと丁寧な歌いぶり(といっても、まだまだ迫力満点だが)。そんな変貌ぶりが可愛らしく思えた。そんな歌声も含めて、なかなかに味わい深いホンモノのサンバ。サンバ・ファンには喜んでもらえそう一枚だ。日本で紹介できるのは4月中旬になってしまうが、発売されたらチェックしてもらえるとありがたい。

 

3月10日(水)

  今日もお休み。お昼の後にちょっとだけ会社に行って、メールや郵送物のチェックをしたけど、今日は40分で終了。後はゆっくり休ませてもらった。

 昨日と今日、ゆっくり聞いたのがベニー・モレの4枚組。続いてオーティス・レディングの全アルバムだ。キューバ音楽至上最高の歌手であるモレーのすばらしい歌声を聞いていたら、急にオーティスを聞きたくなり、CD棚から引っ張り出してしまった次第。両者にどういうつながりがあるのかわからないけど、とにかく今日は本当にスゴい歌をタップリ聞いた気分。これほど満足ゆくまで音楽を聞いたと実感できる日は、最近では珍しい。  

 寝る前には、今月ライスから発売されるジョアナ・アメンドエイラという女性ファド歌手のアルバムをしんみりと聞く。これが彼女のデビュー作なのだが、なんと彼女は80年代生まれで、まだハタチちょっというから驚きだ。というのも、歌の方は信じられないくらい見事な成熟ぶり。これだけ聞いてそんな若いとはとても思えない。こんな娘がいきなり飛び出してくる土壌も、偉大なアマリア・ロドリゲスが残した最大の遺産なのだろう。

 

3月9日(火)

 今週から火曜日と水曜日を自分の休みにすると決めたので、今日は休むことに。もちろん会社はやっているし、取引先からの問い合わせももあるから、完全に休みというわけにはゆかない。そこで、早い時間に個人的な用事をすませて、午後遅い時間に事務所に行ってメールや郵便物、伝言などをチェックすることにした。午後3時過ぎに事務所に言ってみると、予想したとおり、20本ほどのメールが入っている(そのほとんどが外国からのもの)。それに返事を書いいたら1時間半くらいかかってしまった。でも、自分にしかわからない用件ばかりなので、こればかりは仕方がない…。

 

3月8日(月)
 引越しはしたものの、新しい住所は取引先などに知らせただけで、法務的な変更届は全然まだ。ほかにも銀行とか郵便局とか、届けを出しいないところがたくさんあったので、今日まとめてやってきた。で、ついでに新しい口座をひとつ開けることにした。当社の通信販売用に使っていただくためだ。ほかのページで紹介されていると思うけど、これからは郵便振替だけでなく、銀行振り込みでも送金できることになりました。以前からそうして欲しいというご要望は聞いていたのだが、手続きが面倒でなかなかできなかった。でも、これでなんとかなりました。長いことお待たせして本当に申し訳ありません。

 今日はワールド・ミュージック・ネットワークとアラブものが入荷。しばらく在庫が切れていたハニーンがやっと入ってきた。<ラフ・ガイド>シリーズの新作も無事入荷。今回はアルゼンチンとインドのモハメッド・ラフィ、それにマヌーシュものの編集盤だが、どれもけっこう面白い。インドはラター・マンゲーシュカルとか、女性ものに人気が集まりがちだが、男性のラフィもたまには聞いてみてください。インド風クルーナーの美声にうっとりしますよ。

 明日か明後日にはトルコから大量の荷物が届く予定。新譜のサンプルもいっぱい入っているようなので、いまから楽しみだ。面白そうなものがあったら、このページでも先行紹介するつもり。こちらもお楽しみ。

 

3月7日(日)

 今日も朝から出勤。ただ、日曜だから気が抜けたのだろうか、起きたらもう8時。あわてて準備して事務所に着いたら9時。ぼく的には、大遅刻だ。実は今週の雑務が昨日だけではぜんぜん終わらず、今日も片付けないといけない仕事が山積み。返事を書かないといけない外国からのメールも多いし、書きかけの解説原稿もあったりして、今日は大忙しだったのだ。このままゆくと、終わるのはまた午後8時過ぎか。そうなると、うちに帰って、ご飯を作って食べて、寝るだけになってしまう。実は昨晩からオーティス・レディングの全アルバムを順番に聞いているのだが、その続きも聞けなくなると、ちょっと寂しい。

 ところで、引越しして変わったことがひとつ。それはお昼ご飯だ。これまでお昼は自宅で作って食べることが多かったのだが、いまはそういうわけにゆかない。そこで最初は、近くに安く食べられる定食屋さんを探したのだが、いちおう見つかったものの、お昼時間はすごく混んでいるし、午後1時を過ぎるとすいてはいるんだけど、今度はメニューの半分くらいが終わってしまっている。また、人が食事をしている横でタバコを吸うような無神経な奴が多いこともあって、すぐに嫌になってしまった。そこで一昨日くらいに思いついたのが、お弁当を持ってくること。しかも、コンビニで買った弁当ではなく、自分で作った弁当を持ってくるようになった。

 もちろん、朝起きてからお弁当を作る時間なんてあるわけがない。そこで思いついたのが、晩御飯を作りながら、翌日のお弁当も作ってしまおう、ということだ。どうせご飯は炊くわけだし、ガス台で煮物や炒め物を作っている間に、グリルで何かを焼いてもいい。やろうと思えば2食分くらい一緒に作ることができると思ったわけだ。まさかこの年になってお弁当を作ることになるとは思わなかったが、これもやってみるとけっこう楽しい。独り者をながくやってると、人間マメになるものだと、我ながら呆れてしまうが…。

 

3月6日(土)

 会社は休みだけど、ぼくは朝早くに普通に出勤。午前中は税理士さんがやってきて帳簿のチェック。午後は今週やり残した仕事の整理に追われる。前から日記に書いているとおり、土曜はいつも残務処理で終わってしまうのだけど、先週が引越しでそれができなかったため、今日はいつもよりやることが多い。大急ぎでやったんだけど、帰宅したのは、やっと8時過ぎ…。

 でも、長い間ずっとひとりで自宅作業をしてきたせいか、こうしてひとりでいると仕事がはかどるのも事実だ。特に書き物の仕事は、ひとりじゃないとダメ。だから、引っ越しても、原稿書きだけは自宅でやることになるのではと思ったのだが、でもそれはなさそうな感じだ。というのも、自宅よりもこちらの方が格段に静か。それに本とかレコードとかがあまり手元にない分だけ、考えることも少ない。その分、書く作業そのものは早く進む。たぶん一番良いのは、ここでだいたい書いてしまって、どうしても調べたい部分だけ自宅でやる、という方法だろう。全部を自宅でやるよりも、その方が仕事がはかどりそうだ。

 仕事の合間にちょっとだけ散歩。今日は天気が良いし、外を歩いていても本当に気持ちがよい。そんな感じでブラブラしていたら、近くのあるお店の店員さんにすごく素敵な女性がいるのを発見。さっそくお店に入って、ちょっとだけ買い物したのだが、そこで聞いたところ、その女の子は学生さんのバイトなのか、週末だけの出勤らしい。いいじゃないですか、それって。これから週末に出勤する楽しみがひとつ増えました。

 

3月5日(金)
 入荷がひとつもない静かな金曜日。でも引越し後の身の回りの整理をするには、こういう日も必要だ。元の事務所にはまだ捨てるものが山ほどあるし、こちらにも整理しないといけないものがたまっている。ぼくの方は、ずっと調子がイマイチだった自宅用のパソコンを直さないと。それに明日は税理士さんが事務所に来るので、帳簿をまとめるのも今日の仕事のひとつだ。特に後者はかなり時間がかかる。今日はいったい何時に帰れることやら…。

 大阪でショーロの振興に熱意を燃やしているフルート奏者の熊本尚美さんからお知らせ。この4月にオス・ショーロ・ノ・シンコというグループでコンサート・ツアーを敢行するのだそうだ。いただいた情報によると、熊本さん以外のメンバーは、全部ブラジル人。それもショーロ・ファンなら当然ご存知のショーロ専門レーベル、アカリの中心人物たちが全員揃って来日するというから、豪華なコンサートだ。熊本さん自身も、昨年アカリからショーロ・アルバムを発表しているが、それが縁で今回の日本ツアーの企画も生まれたのだろう。4月17日の仙台公演から28日の大阪公演まで、5ヶ所8公演。アカリのミュージシャンたちは、本場でもめったにナマのステージをやらないが、そんな人たちによる現在最高のショーロが聞ける貴重なコンサートだけに、ぜひ成功させてもらいたいものだ。かげながら応援しています。ツアーの詳細はここを参照してください。

 当社から困ったお知らせをひとつ。来週発売予定だったティナリウェンが、制作元の問題で発売延期になってしまった。もともと音楽ビジネスの経験が浅い人たちが集まった若い会社による仕事で、だからこそ意欲あふれる企画が生まれたのだが、やっぱりツメの段階で甘いところがあったようだ。音楽の方はすばらしいだけに、無事発売できることを願いたいが…。

 さあて、話題はサッカー。今日はオリンピック予選のUAEラウンドの最終戦だ。地元UAEとの、文字どおりアウェーの試合だけに、注目したい。周りがみんな敵だと思うとかえって燃える、なんて肝が据わった選手が日本代表にいてくれたら面白いのだが…。

 

3月4日(木)

 昨日は朝から歩き回ったせいか、帰宅後は疲れがドッと出て、早い時間からオネムちゃん。サッカーのオリンピック予選は途中までしか見られなかった。夜の10時半試合開始なんて、早寝早起きが習慣になってしまったぼくには遅すぎる。

 今日は恒例のリスト作成日。今日のメインは、何といってもトルコのダブルムーンの新作オリエント・エクスプレッションズの『ディヴァン』(ライス DMR-442)だ。発売日は3月28日に決定。今回も世界でダブルムーンだけしか考えらえられないユニークなサウンドだけど、このあたりの音楽はぼくよりサラーム海上さんが詳しいから、今回も解説は彼にお願いした。できあがるのがとても楽しみです。他にもファイルーズのソノ・カイロ時代の録音とか、20世紀初頭のブラジル音楽の再現とか、イラン音楽最前線とか、今週のリストも盛りだくさんの内容。実はもうひとつ、今月末発売で話題必至のアルバム(とDVD)があるのだけど、あまり全部言ってしまっても面白くないので、出てのお楽しみということにしよう。

 

3月3日(水)

 事務所は平常営業。ブラジルが先週カーニヴァル休暇だったせいで、水曜日恒例のブラジル盤の入荷はなかったが、それでもそれなりに出荷するものもあるようだ。で、ぼくの方は、予定通り、久しぶりの休日。うれしい一日だ。ただ、たまの休みだとどうしてもヤボ用がたまっていて、ゆっくりできる余裕はない。今日も早起き。朝から電車に乗って動き回りしながら、これじゃ仕事の日よりもずっと忙しいじゃないかと思ったり…。本当は本屋さんやレコード屋さんめぐりをゆっくりしたいんだけど、それができるのは来週になりそうだ。そろそろ新作アルバムを聞きたくて、耳がうずいている。

 午後はちょっとだけ事務所へ。受信メールをチェックしたり、この日記を書いたり…。この後は自宅に戻って、やっと少しだけゆっくりできそうだ。読みたい本もあるし、夜にはサッカーのオリンピック予選もある(今日はレバノン戦)。少しは休みらしい時間を過ごそう。

 

3月2日(火)

 今朝も7時半に出社。というふうに書くと、すごく早いように思わそうだけど、これまでも朝6時に起きて、7時には仕事をはじめていたのだから、そこに通勤時間25分(徒歩)を加わっただけ。これまでと生活パターンは変わっていない。片道25分の徒歩のおかげで体調もすごぶる良いし、引っ越してきてよかったとつくづく感じている。

 実は通勤なるものも、ぼくにとっては久しぶり。だからすごく新鮮だ。というのも、6年前に当社をはじめた時は、事務所を構える余裕がなくて、ぼくの自宅マンションが事務所兼用だった。そして3年ほど前に小さなマンション(アパート)に事務所を構えたのだが、移ってはみたものの在庫があまりに多く、ぼく自身が仕事をする場所は取れなくて、ひとり自宅での仕事が続いた。だから当社がはじまってから6年というもの、ぼくは<通勤>をしていない。そしてさらに思い出してみれば、会社をはじめる前の10数年間はフリーの原稿書きをやっていたので、この間も<通勤>はない。ということは、今回の事務所移転によってはじまったぼくの<通勤>は、実に20年ぶりということになる。ぼくがいかに新鮮に感じているか、わかってもらえるでしょう。

 新事務所における入荷第一弾はトルコのダブルムーンからの荷物。バック注文のほかに新作アルバムも送ってくれたんだけど、これがすばらしい内容で、いま楽しませてもらっている。当然、ライスで発売します。近いうちに詳しい内容を発表しますので、楽しみにしてください。

 

3月1日(月)

 新事務所での最初の営業日。ただしコピー機や電話/ファックス/インターネットと、まだ整備できていなかったものを整えるのに時間がかかって、実質的な仕事はあまりできなかった。ぼくはさらに仕事用のコンピュータを初期化して、新しくソフトを入れなおす作業も。最後にノートンのインターネット・セキュリティを入れたのだが、この更新ヴァージョンだけでも1時間以上かかってしまった。でも、これで明日から大丈夫。バッチリ仕事ができます。

 嬉しかったのは、最近当社の解説原稿を書いてくださっている友人の荻原和也さんからお祝いの焼酎が届いたこと。一升瓶の焼酎なんて久しぶりだが、みんなでゆっくり楽しませてもらうことにしよう。

 朝7時半に出社。帰宅したのは、ちょっと遅くなって8時半。お風呂に入った後、なぜか無性にライ・クーダーを聞きたくなり、久しぶりに『チキン・スキン・ミュージック』に手を伸ばした。そのアルバムの3曲めか4曲めだかに「いつも優しく」という曲が入っているのだが、その間奏にライはハワイの「カナカ・ヴァイヴァイ」を演奏する。そこにきたところで今日は妙に感動して、思わず涙までこぼしてしまった。ちょっとお酒を飲んだせいもあるのだろう。でも思い出してみれば、このアルバムを聞き込んだ1970年代後半において、ぼくはまだハワイ音楽を深く知らない。でも最近は山内雄喜さんと一緒に仕事させていただいているおかげで、ハワイ音楽のレコードをずいぶん聞かせてもらっている。その後で聞いたから、ハワイ音楽に親しんだ分だけ、違って聞こえたということなのだと思う。

 昔聞いて感動したアルバムも、いろんな音楽を聞き込んだ後になって聞き返すと、また違った感動を覚えることがある。一粒で二度おいしいというのは、このことだ。これもレコードを買って、ずっと保持していたおかげであり、やっぱりレコードはちゃんと買っておかないといけない、ということです。当社のアルバムも、カタログに残っているいまのうちにちゃんと買ってくださいね。

 土曜日と日曜日はどうしても仕事になってしまうので、代わりに火曜と水曜を休みにしようと思ったのだが、明日はやることがたくさんあって、どうも休めなさそう。水曜日に期待です。

 

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