2月29日(日)

 新しい事務所に初出勤。日曜日だけど、書かないといけない原稿がいくつかあったので、会社までやってきた。実は、これがぼくのいまの最大の問題。なんと、いま自宅にはコンピュータも机もないのでした。何かちょっと仕事をするだけでも、ここにこないといけなくなった。自宅から歩いて25分。今日は暖かかったので、ちょうど良い運動という感じだけど、雨の日とかはどうすればいいのだろう…。
 お昼間の暖かい時間に事務所にやってきたのは、近くでお昼ご飯を食べるところをチェックしようと思ったから。でも、思い出してみれば、今日は日曜日。どこも閉まっていて、ぜんぜん参考にならなかった。でも、いままで事務所があった武蔵浦和や北戸田に比べると、浦和駅前は格段にお店が多いようだし、入り口を見ただけでもおいしそうな飲み屋さんも何軒も見つけた。そのあたり、これから少しずつチェックしてゆくことにしよう。

 午後はひたすら原稿書き。そして遅れているライスUKの仕事を進める。こちらも来週くらいには全部終わらせて、3月中のリリースを目指したいところだ。本当は2月リリースを予定していたのだが、決算や引越しに思った以上に時間を取られてしまい、進まなかった。これからは急ピッチの作業を心がけよう。
 
 遅れているといえば、ライス名物、編集盤シリーズの最新作。アマリア・ロドリゲスをやると言っておきながら、全然進められないでいたら、東芝からいきなりアマリアのベスト盤2枚組が出ていたのでビックリ。すわ、先を越されたかと思って、慌ててお店で曲目をチェックしてしまった。でも、ひと安心でした。何のヴィジョンもないムチャクチャな選曲。
 ぼくが作ろうとしていたものとまったく違う。これなら勝負になりそうもない。でも、また誰かに先を越されないように、この仕事も早く進めることにしよう。

 ちなみに、インターネットは月曜日の夕方くらいまで使えない。ぼくがいま書いている日記も、アップされるのは、それ以降(ひょっとして火曜日?)。きっと未読メールもたまっているんだろうなあ…。

 

2月28日(土)

 朝から引っ越し。まず最初に事務所にあった荷物を積んでもらって、次にぼくの自宅にある机や会社書類などをピックアップ。それらをまとめて新しい事務所に運ぶわけだけど、ぼくの方はその間に自宅の掃除と片付け。いままで置いていた大きな仕事机がなくなった分、ずいぶんスペースに余裕ができた。これでこれまでよりもゆっくり音楽を楽しめそう…。
 夕方に事務所に行ったら、ちょうど引っ越し屋さんの配送が終わったところで、ジャスト・タイミング。運んでもらった箱を開けて、机や棚にものを戻した。在庫棚は新しく買ったのだが、最近出荷作業に関わっていないぼくが当社の在庫を見るのは久しぶり。けっこうきれいに整理されたので、良い感じだ。そんな作業がなんとか区切りがついたのが、夜の8時。もう少し早く終わってたら、お疲れの一杯も良かったのだろうけど、みんな疲れていたようので、次回回しということに。明日はゆっくり休んでください。

 

2月27日(金)

 午前中に解説原稿を1本仕上げて、午後は銀行で支払い。さらに引越しのための準備をして、買い物を済ませて…。なんだか慌しい一日になった。事務所の方も、出荷をしながら引っ越しの準備だから、きっとタイヘンだろう。昨日に続いて、ダンボールが並んだ自宅は、ゆっくりCDを聞いていられる状態じゃない。食事も無理。あまり外食続きだと飽きてしまうけど、今日ばかりは仕方がない。明日は朝から、もっと慌しいことになりそう。頑張らないと。

 

2月26日(木)

 朝からリストの作成。ただし昨晩から準備を進めていたので、いつもより少し早めに終わることができた。そこで午後は引越しのための買い物を少し。また自宅にダンボールを持ち込んで、自宅から新しい事務所に持ってゆくものも整理。どうも思ったより持ってゆかないといけないものが多く、明日もやることはいっぱいありそうだ。明日は今月の最終営業日だから、昼間は支払いや帳簿の締めに追われてしまう。この分だと、明日の夜は徹夜になったりして…。
 
 家の中にダンボールが並んでしまうと、ゆっくりレコードなんて聞いていられない。食事も外で済ませて、珍しくテレビを少し見て、とにかく早く寝ることに。さあ、明日は頑張らないと…。

 

2月25日(水)
 昨日の午後からコンピュータがトラブルの連続。今日は朝からメールを受信できなくて、結局その部分が直ったのは午後になってから。朝8時から修理だけで5時間も費やしてしまった。いまでもメールの調子はいまいちだけど、何とか受け取れるし、送信もできるようにはなった。引越しするときには新しいコンピュータを買う予定なので、そうしたらこちらをゆっくり直すことにしよう。

 というわけで、進まないのが原稿書きなどの本格的な仕事。明日はリストも作らないといけないので、今日は遅くまで資料に目を通さないといけなさそうだ。サンプルも今日になっていきなり送られてきたし…。

 キューバ音楽ファンの最近の話題といえばベニー・モレーの4枚組ボックス。ぼくは昨年の末に入手したが、やっぱりすごく良い。ほとんどの音源はすでに他のLPやCDで聞いているはずだが、それでもこうして録音順に並べて聞くと印象がずいぶん違う。当社の復刻盤シリーズもいつもできるだけ録音順に曲を並べているが、アトランダムに並べたのではわからないことが、こうして聞くとたくさんわかるのだ。この4枚組がモレーの再評価につながることを確信する。

 

2月24日(火)
 朝起きたらメールのチェックというのがぼくの日常だ。昨日送った外国へのメールの返事が朝には大量に入っている。それらをチェックして、また返事を書く。こんな作業を朝一番にやるわけだけど、これが最近、かなり時間を食うようになってしまった。平均して30分。多い時には1時間もパソコンに向かっている。ほとんどが仕事の話だから、明日回しというわけにはゆかないし、しかも英語、ポルトガル語、日本語と、アタマを切り替えないといけないから、けっこうタイヘンだ。今朝はベン・マンデルソンとアルバム・プロデュースに関する具体的な打ち合わせをメールでやったので、それだけで1時間半もかかってしまった。

 ちなみに、いま当社が直接取引きをしてコンスタントに荷物を飛ばしてもらっている外国の会社は15社ほど。それらと日常的なやり取りするだけでも、バカにならない。今後はぼくひとりでなく、社内で担当分けをして、少しは負担を軽くすることを考えないといけないだろう。

 

2月23日(月)

 今朝の新聞によると、昨日は2月の最高気温を記録したところが多かったのだとか。たしかに2月でこの暖かさは異常だ。シャツに薄手のジャンパーで外に出れてしまうのだから。今日も天気は良かったけど、あまり暖かく感じられなかったのは強風のせい。駅前のビルが並んだところなんて、吹き飛ばされるかと思った。

 今日は郵便局や銀行などの事務仕事を朝のうちに終わらせて、後はだいたい自宅で原稿書き。キューバ系の音楽の解説ばかりを書いた(そのうちの一枚はコンゴ音楽のフランコです)けど、手をつけたのは3本なのに、仕上がったのは1本だけ。後は明日の朝になりそうだ。原稿に集中しようと思うと、何か連絡があって、止まってしまう、今日はその繰り返し。こういう日はなかなか仕事がはかどらない。こうなったら、また超早起きして、絶対に誰からも連絡のない時間に仕事を終わらせてしまうしかない。

 夕方は、後回しにしていた雑務仕事(まだ残っていた)を少し。引越しまでには余計な仕事を終わらせてないといけないことがたくさんあるので、今日はもう少し頑張らないといけなそうだ。ちょっと疲れが出てきました。

 

2月22日(日)

 昨日に続いて今日も良い天気。いつも通り朝早く起きて、昨晩山内さんと打ち合わせしたことを文章化したり、原稿書きなどをしたのだが、お昼頃にはまた暖かくなってきたので、我慢できなくなって少しだけ散歩をした。そしたら意外と風が強くて、スゴい土ぼこり。帰ったらドロドロ。おかげで洗濯物が増えてしまった。
 それでも、こうして外で運動ができたのは嬉しい。ついでに夕方には買い物ついでに大宮まで足を伸ばして、本屋さんとCD屋さんも少し覗いた。そしたらますます嬉しくなって、お金を使ってはいけない時なのに、前々から買おうと思っていた音楽用語辞典をつい購入。買い物をするとストレスが解消するというけど、これは本当だ。引越しを機会に、この辞典を事務所に置いて、ぼくや他の先生方の書いてくださった原稿で間違えた用語が使われていないか、しっかりチェックしてもらうことにしよう。

 夜は1000円のアルゼンチン・ワインと350円のブルー・チーズ(ともに税抜)をゆっくり楽しむ。BGMはブロッサム・ディアリー。酔いも回って、その後はノラ・ジョーンズの新作と、ついでビヨンセ! さらになぜかピーナッツ!! 最後は竹内まりや…。途中からウニくらげをつまみに焼酎をチビチビ…。今日はそんな夜でした。さあ、明日もまた早起きだ。

 

2月21日(土)

 休みだけど早起き。10時に税理士さんが来るので、その前に一仕事終わらせたかったからだ。税理士さんとの打ち合わせが終わったら、もう午後1時。それから月末に支払わないといけない請求書をチェックしていたら、午後4時近く。楽しみにしていたオリンピック代表の壮行試合を少し見て、夕方6時からはハワイ音楽の山内雄喜さんと久しぶりにアレコレ打ち合わせ。帰宅したらもう1時。長い一日だった…。

 それにしてもサッカーのオリンピック代表、予選を前に良い形で仕上がったようだ。来月初旬にUAEで予選がはじまるようだけど、この調子なら本選に行けるだろう。平山が入ったおかげで、マークを引き連れてくれるから、スペースができる。後半はそれを利用したプレイが多かったようだ。

 それにしても良い天気。暖かくなってきて、まさに散歩日和なのに、今日みたいに一日中家に閉じこもっての仕事だと本当にストレスがたまる。雑務仕事ばかりで、やりたい仕事になかなかたどり着けないのも、ストレスの一因だろう。決算、引越し、そして金策…。慣れない仕事ばかりで、もう疲れました。

 

2月20日(金)

 朝から帳簿整理。ちょっと前まで決算に追われていたせいで、1月分の帳簿を締められなかったのを、いま頃になってやっている次第。しかし、今月は早く本格的な仕事に手をつけたいのに、いつになっても雑務仕事が終わらない…。

 伝票を整理しながら、今度サンビーニャで出る『キューバ:グァンタナモとバラコアの音楽』を繰り返し聞く。帳簿が終わったら解説を書こうと思ったせいだが、これが何度聞いてもすばらしい内容で、今日もすっかり聞きほれてしまった。
 仏ブッダの世界音楽シリーズの一枚なので、当然フィールド録音。歌い演奏している人たちも、プロではないのだろうが、それでも、いやそれだからこそのすばらしさが、ここにはある。特に美しいのが女性が加わったコーラスで、その自然な盛り上がりぶりなんて、ぼくが知り合った頃のヴェーリャ・グァルダ・ダ・ポルテーラみたいだ。マリーザ・モンチがプロデュースした最近のアルバムではすっかり枯れてしまった彼らも、80年代はまだ元気で、涙が出るほど人間味溢れるコーラスを楽しませてくれたが、そんな極上のコーラスに匹敵する音楽がキューバにはいまも存在しているのだから、すばらしい。
 このアルバムは、キューバの基幹音楽であるソンが誕生する以前から存在する音楽を紹介する目的で発表されたもの。この手のアルバムはキューバでも出ていたが、それらにも入っていなかった音楽まで紹介しているのだから、ブッダもすばらしい仕事をやってくれたものだ。帳簿整理が終わったら、さっそく解説を書くつもりなので、来週にはお店に並ぶことでしょう。楽しみにしていてください。

 というわけで、やり残しの仕事だらけの金曜日。当然、土曜と日曜はばっちり仕事になりそうだ。せっかく良い天気の日が続いているのに、散歩もできないなんて、ツラすぎます。

 

2月19日(木)
 
 例の物件を無事契約。これで正式に新しい事務所に移れることになった。2月は27日まで通常通り営業して、引越しは2月28日(土)。3月1日(月)に電話やインターネットなどの整備をして、3月2日(火)から新しい事務所での営業をはじめることになりそうだ。今度の事務所では、狭いながらに社長室も作ってもらう予定。これでサンプルのチェックやリスト作成、会社の雑務など、いままで自宅でやっていた仕事の多くを事務所でできることになりそうだ。これまでより会社にいる時間が圧倒的に増えると思うので、お電話いただけば出れるかも。ただし機嫌が良かったらですが…。
 とは言ったものの、解説原稿書きは、よほど簡単なものでない限り、これまで通り自宅でやることになりそうだ。本やレコードなどの資料のほとんどがこちらにあるのだから、これは仕方ない。将来、もっと大きな事務所に移れることになったら、これらの資料も全部会社に移して、ぼく自身はもっともっと身軽になりたい。これがいまのぼくの夢です。
 最近つくづく思うのだけど、もう物に囲まれて生活するのはウンザリ。すごく大きな一軒家に住めるならともかく、普通の3LDKとかのマンションで生活するには荷物が多くなりすぎた。もう一生聞かないレコードや一生読まない本がいっぱいあるはずなのに、どうして捨てられないのか…。困った性格です。

 

2月18日(水)

 昨晩は韓国焼酎をストレートで飲んでしまったので、今朝は思い切り二日酔い。風邪は治ってきたと思ったのに、鼻とノドだけは一昨日より悪くなってしまったみたいだ。気をつけないと。
 今日は3・ムスタファズ・3の解説を書こうと思ったが、事情があって明日に回すことに。代わりにリスト原稿を作ったのだが、今日は調べることが多くてあれこれと手間取り、終わったのはやっと5時頃だった。まだこれからメールの返事とか、ある録音プロジェクトのための音源チェックとか、仕事は山ほどある。今日はいったい何時に寝れるのだろうか。
 
 夜の仕事の手を休めて、サッカーの試合を見ることに。なにしろ今日がワールド・カップの予選の初戦。予想したとおり、選手も監督もバリバリに緊張していたようだ。特にジーコ監督なんて、自分が選手としてやっていたワールドカップの試合よりもずっと緊張しているように見えた。
 それもそうだろう。勝って当たり前という試合ほどやりにくいものはない。負けてもともとと思っている方がリラックスできる。オマーンは思った以上にノビノビ試合していた。それから点を取られることもなく、1対0とはいえ、いちおう勝てたのだから、良かったと思うべきだろう。おそらくジーコや選手たちがこんなに緊張するのは今日だけ。後は波に乗ってゆけるだろう。これで一次予選は大丈夫でしょう。

 

2月17日(火)

 今週はイギリスのスターンズやラス、ワールド・ミュージック・ネットワーク、さらにフランスのブッダ、アリオンなどから入荷がある。それにブラジルからも入るはずだが、これだけ各社の荷物が揃うと、楽しみなのが同封されてくるサンプル盤だ。きっと今週末は、たくさんのアルバムを聞くことになるだろう。
 なんて書いていたら、さっそくブッダのサンプルが送られてきたので、聞いてみた。今回も何枚かあったが、なんと言っても驚かされたのは、コロンビアの黒人部落パレンケでの録音を集めたアルバムだ。ブッダはつい最近もキューバの東部グァンタナーモやバラコアなどにおける録音を集めたすばらしいアルバムも発表しており(ぼくですら一度も聞いたことがないベンベーやラダーという伝統音楽まで収録していた)、目が離せない。そこで今回も当然期待して聞いたら、コロンビアの方もキューバに匹敵する珍しい音源のオンパレードで、またまたビックリさせられた。ラテン音楽を本格的に聞いているファンにはぜひお勧めしたい内容だ。キューバは今月下旬、コロンビアは来月にはお店に並びます。ファンのみなさんは楽しみにしていてください。

 夕方は新宿で飲み会。久しぶりにタワー渋谷店の小樋山さん、新宿店の篠原さんに会って、韓国料理を食べながら焼酎などをゆっくり飲んだ。今年はトルコが来ると昨年末に言ってしまった小樋山さんは、なんとか<トルコを来させる>ために、トルコ音楽のリサーチをはじめた模様。プッシュしたい歌手がいるそうなので、その歌手の現在発売されているアルバムのサンプルをお届けした。また篠原さんにも、アフリカ関係のリサーチのためにサンプルを数枚お貸しすることに。普段はぼくがひとりでサンプルを聞いているが、こうして何人もの人が聞けば、違ったアイディアが出て面白いんじゃないかと思う。
 なんて言いながらも、飲んでる最中は音楽の話はほとんどナシ。今回は特に仕事話が少なめで、これなら誰でも参加できそうですねということから、次回は女性も誘いましょうということになってしまった。でも、いったいどなたをお誘いすればよいのでしょう。また考えないといけないことがひとつ増えてしまいました。

 

2月16日(月)

 先に物件を見た新しい事務所、無事契約の運びになりそうだ。木曜日に契約書にサインをして、今月末に引越しという段取り。そして来月1日から新しい事務所がスタートする。普通、事務所の引越しというのは、もっと時間をかけてやるものだろうが、当社にはそんな余裕はない。そうでなくても忙しいのに、またまた仕事が増えてしまった。
 引越し前には、電話とかインターネットとか、新しい棚とか机とか、準備しないといけないことも多い。ぼくの方も契約の前に、会社やぼく自身の印鑑証明を取りに行ったりしないといけない。お金もどこかで借りないと、とても足りない。おかげで今日は午後から金策に回ることになった。
 それでも出来るだけ早く引越ししたいのは、もうこれ以上自宅に仕事を持ち込むのがイヤになってきたからだ。いまの会社ではぼくが仕事をするスペースすらない。在庫がどんどん増えたおかげで、スペースを取ってしまい、おかげでどの仕事もスムーズに進まない。こんな状態がいつまでも続いたら、ぼくだけでなく、みんなおかしくなってしまう。とにかく一日も早い引越しを夢見る今日この頃なのです。

 

2月15日(日)

 今日も良い天気。ここのところ毎日天気が良いので、洗濯にはもってこいだ。今日は朝から布団も干してしまった。これだけ天気が良いと、外に出ても温かい。風邪気味でしばらく散歩は控えていたが、今日は我慢できなくなって、1時間以上も歩いてしまった。ウォークマンには、もちろん昨日出会ったすばらしいサンプル盤が。このアルバムがあまりに楽しく、散歩が長引いてしまった。

 午後からは解説原稿の執筆。そしてヒジャズ・ムスタファへのインタビュー。とりあえず質問を送ったのだが、彼のことだからすぐに返事をしてくれるだろう。それを元に、明日か明後日あたりには3・ムスタファズ・3の解説も仕上げないといけない。彼らのアルバム『ショッピング』は、ファンの方々はまだご記憶されているように、彼らのはじめてのスタジオ録音盤。それまではライヴ中心の活動だった彼らが、はじめてじっくりアイディアを練り上げて作った作品だ。それだけに、新鮮なアイディアがたくさんつまっていて、いま聞いても新鮮。ムスタファ氏自身も、久しぶりに聞き返してみて、そう思ったのだそうだ。ちなみにぼくはこのアルバムをLPで持っていて、CDを聞くのは今回がはじめて。そのせいか、ますます新鮮に感じられる。ベテランのワールド・ミュージック・ファンの方々も、ぜひもう一度お聞きすることをお勧めします。

 夜は久しぶりにゆっくりとCDを聞きながら読書。ついでワインを1本。近くの酒屋さんにも南ア産のワインが安く入ったので、赤と白と1本ずつ購入したのだが、今日は白を飲んでみた。チーズと合う、まずまずのお味でした。

 

2月14日(土)

 昨日の飲み会の日本酒が少し残った朝。でも、お酒のおかげで久しぶりにゆっくり眠れたので、土曜の恒例、今週の残務整理を軽快にこなすことが出来た。ゆっくり起きたので、仕事をはじめたのは11時頃。それから夕方まで夢中で仕事をして、晩御飯はこれまた土曜日の恒例、近くの家庭料理屋さんでいただいた。ただし、今日はお酒は控えめ。ウーロン・ハイ一杯で帰ってきた。
 そのお店で、今日がヴァレンタイン・デイなる日であることを知らされる。そういえば<義理チョコ>らしき郵便/宅急便が昨日も今日も来ていたっけ。ぼくもそろそろ45歳。チョコくらいでドキドキするような年ではなくなってしまった。それより、期待されているであろうホワイト・デイのお返しを何にするのかなんて余計な心配が…。

 夜はサンプル盤を何枚かチェック。その中で1枚、本当に久しぶりに心の底から楽しめるすばらしい内容の新録に出会って、遅くまでじっくり何度も楽しんだ。もちろん近いうちに当社で発売することになりそうだ。月曜日にさっそく問い合わせをしてみよう。

 

2月13日(金)

 3月新譜のインフォが大量に届いた一日。手紙やメールで新作の情報を知らせてくれるのは、どこもだいたい半月から1ヶ月前なのだが、それが今日は何社からも一緒に届いたからビックリ。しかも内容をチェックしてみたら、来月は3タイトルも重要作品が並んでしまうことになったからタイヘンだ。2月まではどこもほとんど開店休業状態だったのに、3月になると一気に新作を出してくる。その頃になればブラジルでも新作が出てくるし、当社の自社制作盤だって発売予定がある。なんだか急に忙しくなってきたみたいだ。

 もうひとつ良い知らせ。火曜日に見た物件、交渉がうまく進んだようで、来週には契約ができそうだという知らせが届いた。そうなれば、月末には晴れてお引越し。忙しくなる前に雑務はすべて終わらせたいと思っていたので、そうなってくれると有難い。

 夕方から浅草で飲み会。音楽好きの友人たちと、仕事の話抜きで、ゆっくりお酒を飲めた。こういう飲み会は疲れなくて良い。またそのうち続編を持ちたいものです。

 

2月12日(木)

 予定通り、朝早く起きて解説原稿を1本。続いてリスト原稿を仕上げる。でも早起きしてはじめた分、あまり遅くならないうちに終わらせることができた。夕方からは打ち合わせに出るので、いまのうちにやっとくべき仕事を終わらせようと、日記まで書いてしまっている次第。

 英エイスから、来週発売される3・ムスタファズ・3のアルバムが届く。当社がシキル・アインデ・バリスターの『ニュー・フジ・カーベッジ』(ライス GSR-604)を再発したのが昨年のこと。今年も、少しずつではあるがグローブスタイル・レーベルの重要アルバムを復活させてゆこうと思っている。ワールド・ミュージックの原点を忘れたくないという気持ちからだ。
 ワールド・ミュージックの原点と言えば、久しぶりに3・ムスタファズ・3を聞いて、やはりいまはもういないタイプのバンドであることを再確認させられた。どこが<いまはいないタイプ>かというと、レコード店においてどの場所においてよいのかわからないタイプの音楽である点だ。彼らは本当はイギリス出身。でも、イギリス音楽の伝統を受け継いでいるわけではないし、でもバルカンやアラブ音楽の要素を取り入れた曲をやってるからって、まさか<アラブ>に入れるわけにもゆかない。彼らのレパートリーにはラテン・スタイルの曲もあるし、リンガラ(と当時ぼくらは呼んでいたが、いまでは<コンゴ音楽>)っぽい曲もある。
 <ワールド・ミュージック>という言葉がちょうど出はじめた頃は、他のジャンルに属さない音楽は全部<ワールド>に入れておけば誰も文句を言わなかった。ムスタファズのアルバムがレコード店において居心地が良さそうだったのは、そんな時代だ。でも、<ワールド>すらが細分化されてしまったいまとなっては、そんないい加減さは許されない。ワールド・ミュージックのファンは、本来ジャンルなんて概念を超えたムスタファズのような音楽こそ好きだったはずなのに、いまでは逆にそれぞれの国の音楽のマニアの集合体になってしまったということだ。
 そんなグループのアルバムを、あえてこれから出そうというのだから、時代錯誤もはなはだしいと言われたら、それまでだ。でも、それでもぼくはまだムスタファズを好きなのだから、仕方がない。このアルバムが、ワールド・ミュージックならではの魅力はなんなのかということを問い直すキッカケになってくれればと思います。

 話は変わって、サンビーニャには今日から見習い社員が出勤。さっそく出荷作業の手伝いをしてもらった。伊東くんと言って、宮川くんと高校時代の同級生。大学時代は仏文科に学んだという、サンビーニャでは非常に珍しい学級肌(?)だ。しばらくしたら電話応対をするかもしれないので、どうぞお見知りおきを。

 

2月11日(水)

 建国記念日。朝から家でノンビリ過ごしたので、夕方にはやっと熱がおさまってきた。本当は解説原稿とか明日のリストの準備とか、やらないといけない仕事は山積みしているのだが、体調が悪いのに無理をするとロクなことがない。明日の朝早起きして頑張った方が能率が良いに決まっている。というわけで、メールを数本送るくらいで、とにかく身体を休めることに徹した一日だった。さあ、明日から頑張るぞ。

 

2月10日(火)

 ドイツのトロピカル・ミュージックに注文したCDが入荷。今週の日曜日に発売されるギリシャの男性歌手ヨルゴス・ダラーラスのアルバムがこれでやっと揃い、ひと安心だ。ついでにサンプルもたくさん送ってくれたので、また週末にはチェックしないといけないアイテムが増えた。今度はファドのアルバムも入っているようだ。
 トロピカル・ミュージックは、あのクラウス・シュライナーが社長を務めるドイツのインディ・レーベル。ぼくらくらいの年齢のブラジル音楽好きには忘れられない名前がシュライナーで、かつてブラジル音楽の本を書き、それが『ブラジル音楽のすばらしき世界』(ミュージック・マガジン 1979年)というタイトルで日本でも翻訳された人なのだ(その本の監修は中村とうようさん)。ちなみに79年といえば、ぼくがはじめてブラジルに行く前年。だからこの本はぼくにとってのブラジル音楽の教科書のようなものだった。久しぶりに取り出してみたら、あちこちに赤線が引かれたり、かなりじっくり読んだ痕跡が残されている。そんなシュライナーさんの会社と、20年ちょっと後にはこうしてこうして取り引きをしているのだから、世の中狭いものだ。
 トロピカル・ミュージックのカタログを見ると、シュライナーがブラジル音楽の本を書いた後、ブラジルだけにとどまることなく、かなり幅広い音楽を聞いてきたことがわかる。中でも驚くべきは、今回当社で発売するギリシャ歌謡最高の男性歌手ヨルゴス・ダラーラスのアルバムを3枚も出している点だ。ダラーラスのアルバムをギリシャ以外で発売しているのは、おそらくトロピカル・ミュージックだけ。貴重だとしか言いようがない。だいたい。ブラジル音楽とギリシャ音楽をともに好きな人間なんて、世界中探しても、かなり少ないだろう。そんな数少ない同好の人の会社とは、今後大事にお付き合いしてゆかないといけない。
 シュライナーさんには、ブラジル音楽の本でお世話になった、だからあたなは私の先生のひとりだと、取り引きがはじまった頃にメールを書いた。そうしてら、すごく嬉しそうに返事をくれて、さらに、昨年は久しぶりにブラジルに行って、バイーアのカンドンブレのアルバムを作った、という近況も知らせてくれた。そのアルバムももうすぐ発売されるとか。こちらも楽しみだ。

 午後には浦和駅周辺の物件をチェック。そしたら、駅から少し離れたところにちょうど良い広さの物件が見つかった。小ぢんまりした事務所だが、住宅地の中にあるせいか、とにかく静か。これまで見た中で一番落ち着く部屋だ。今月から社員もひとり増えて4人体制になるが、それくらいの人数にはちょうど良いスペースだし、小さいながらに社長部屋も作れそうなところも良い。これなら落ち着いて仕事ができそうだ。木曜日には交渉/契約の予定。どうなるか、楽しみです。

 

2月9日(月)

 大好きな月曜日。でも、どうも朝から気分がシャキッとしない。実は先週後半から少し熱っぽくて、仕事がなかなか進まないのはそのせいもあったようだ。今日も相変わらずそんな状態。先週よりも悪くなっているかもしれない。そこで今日は、念のために病院で診てもらうことにした。今週末からは大きい仕事もあるし、月末か3月はじめには外国旅行も計画している。そんな時期にインフルエンザとかだったらイヤだと思ったからだ。幸い、単なる風邪だったみたいで、薬をもらって帰宅。でも夕方にはもうひとつの打ち合わせのために外出したので、夜はまた疲れてしまった。この薬を飲んで寝たら、少しはよくなるのだろうか。

 打ち合わせで新宿に行ったついでに、タワー・レコードで新譜をチェック。でも予想した通り、買いたいと思う新譜アルバムはほとんどない状態だった。結局、今日は竹内まりやの持っていないアルバムを買っておしまいにしたけど、ワールド以外の洋楽では、ノラ・ジョーンズなどが出ている以外、売れ筋はない感じ。ぼくの場合、会社あてにサンプルが常に届いているので、新しく聞くアルバムはまったく困らないが、こうしてお店に来てみると、この時期の品の薄さはちょっと深刻だ。
 でも、考えてみれば、どこも目玉新譜を出さない時期があるということは、当社みたいな零細会社にとってはチャンスがあるということ。来年からは、この時期にかけてみるのもいいのかもしれない。たしかにお客さんは少ないけど、対抗馬も少ない。来年は当社のイチオシ商品が2月新譜で並んだりして…。

 

2月8日(日)

 本当はアマリア・ロドリゲスの選曲に手をつけようと思ったのだけど、どうしても目の前にたまった書類の山が気になって仕方がない。昨年から先送りしている事務関係の仕事に手をつけることにした。手間のかかる仕事ばかりでイヤになるけど、いつかやらないといけないものばかりだからしょうがない。我慢しながら、ポツポツと進めるけど、こういう仕事はどうしても疲れるのが速いから困る。まして一人での作業だから、何度もコーヒー・ブレイクが入ってしまいます。
 結局、今日も夕方でギヴアップ。食べるものを買い込んで、ワインを飲みながらオリンピック代表の試合を見ることに。こちらは昨日と一変して、実力が均衡した良い試合。緊張感を持って楽しめた。平山はヘッドの1点よりも、ハズしはしたけど終了間際の胸でトラップしてのシュートが印象的だった。ちゃんといるべき場所にいるから、ああいうシュートが打てる。確かに高校生とは思えない逸材だ。

 夜はじっくりファドのアルバムを数枚じっくり楽しむ。ミーシアやドゥルセ・ポンテス以外にも若手ファド歌手がたくさん出てきていることは、昨年知ったが、そのあたりをまとめて注文してみたら、みんなけっこう上手な人ばかり。今日は気に入った歌手のアルバムだけをじっくりじっくり楽しんだ。ほとんどが日本には全然入ってこないレーベルのアルバム。もう少しよく聞いてから、良さそうなものをライスから紹介させてもらうことにしよう。
 なんて調子で、日曜の夜のリラックス・タイムにまで仕事が入り込んでしまった。

 

2月7日(土)

 土曜日はここのところいつも残務処理。一週間でやり残した細かい用件をやっつけるのが仕事になってしまった。今日もそんな感じ。朝から外国からのメールの返事を書いたり、山となった資料を捨てたり棚にしまったり…。サンプル盤を整理したり、次の仕事に使うCDや本を整理したり…。ついでに掃除機をかけて、来週出すためのゴミの選別とかをしているうちに、夕方になってしまった。実は12月、1月と忙しかったので、先送りにしてしまった重要な用件も、まだまだ山積み状態。こちらには全然手がつけられそうもないから、困ったものだ。

 なんて、やらないといけない仕事が剥き出しになっている部屋にいると疲れが抜けないので、夕方からはちょっとだけ外出。いきつけの家庭料理屋さんで一杯飲みながらお刺身を食べることに。サッカーの日本代表の試合もそのお店のテレビで見る。4点取ったとはいえ、これだけ実力差があるのにフォワードが点を取れないと、ちょっと寂しい。まだシーズン前のせいか、久保は身体が切れていない感じだ。

 

2月6日(金)

 税理士さんが送った決算のデータをまとめてくれたので、最後のチェック。ぼくの計算間違いもいくつか発見されたので、午後はそれらを直す作業に没頭した。
 集計してみてわかったのが、会社をはじめて6年たって、だんだんと経費を使わないスリムな会社になってきたということだ。交際接待費や会議費なんてのはもとから大して使っていないが、今回は旅費交通費や通信費も前年より下回ったと聞いて驚かされてしまった。まあ、旅費交通費については、ぼくが外国に行く回数が減ったということもあるのだろうが、毎週新作アルバムの営業しているはずなのに電話代まで少なくなっているのにはビックリだ。それだけ要領が良くなって、無駄がなくなったということだろう。
 もともと使えるお金なんか大してない貧乏会社なのだから、無駄な経費は極力使わない方がいい。そうして浮いた分が人件費(社員たちの給料)に回った方が、良いに決まっている。今年はさらに余計な経費を切り詰めて、昨年の問題だった在庫過多を直すよう気をつけながら、さらにスリムな会社を目指すことにしよう。ぼくはサンビーニャをもっともっとスリムな会社にしたい(と同時に、禁煙の影響で一気に増えた自分の体重も元に戻したい…)。

 このあいだ見に行った物件のことで不動産屋から電話があり、仲介に入っているナントカ工務店が、物件の紹介インフォに書いてある以外に、契約更新手数料ももらいたいなんてことを言い出したのだそうだ。後からこういうことを言い出す会社なんて、きっと今後もトラブルを引き起こすに違いないと思い、さっそく断ってもらうことにした。物件そのものはとても良かったのだが、こんないい加減な会社と長い間付き合ってゆくのはゴメンだ。というわけで、物件探しはまたまた振り出し。明日から探しなおしです。

 

2月5日(木)

 今日は恒例のリスト作成日。でも今週は昨晩からインフォの整理をしていたから、あまり慌てないですんだ。今週のメインは、英BBC放送主催のワールド・ミュージック・アワードにおいて<ベスト・アフリカン・アクト>を受賞したセネガルのダーラ・Jだ。いまのアフリカ新世代を代表するラップ・グループである彼らのアルバムをとうとう日本で紹介できることになった。
 このアルバムは、もともとフランスBMG盤が輸入盤として最初に入ってきた。だからぼくはメジャー配給なのかと思っていたのだが、どうもフランスBMGはフランスにおける配給権しか持っておらず、だから日本ではBMGは出すことができないのだそうだ。で、インターナショナルな販売権を持っているのは誰なのかと調べてみたら、なんと当社の取り引き先である英ラス・レーベル。だからラスの日本における独占権を持っている当社が日本における配給権を持つことになるのだ。先にリリースしたトニー・アレンやスアド・マシのアルバムも、よくよく調べてから当社が発売権を持っていたのことを発見したのだが、ワールドものの権利関係は本当にややこしい。今回もそのことを確認するのに手間取ってしまい、やっとここで発売できることになった次第だ。
 ディープなアフリカ音楽ファンの間では定評のあるアルバムだが、フランス盤はコピーガードがかかっていたのに、イギリス盤はそれがない。当然イギリス盤の方が音も良いはずなので、この際だから大好きなファンは買い直すというのもいいかも。まだお聞きになっていないファンは、これを機会にセネガルの新しい風をじっくり味わってください。発売は2月22日の予定です。

 

2月4日(水)

 今日は大量入荷の日。ブラジル、イラン、トルコ、そしてダブルムーンの荷物がまとめて到着した。本当は先週入るだったものも多いのだが、アメリカやヨーロッパからやってくる荷物じゃないのだから、多少遅れても仕方がない。無事着いてくれただけでもありがたいと思わないといけない。
 しかし、日本中のCD卸をやっている会社で、当社ほどアチコチの国から輸入している会社は、そうはないだろう。銀行に送金を依頼に行くと、あまり縁のない国ばかりに送金する日は、不思議な顔をされる。ひょっとしたら税関でも、わけのわからないものを輸入している会社のブラック・リストとかに載せられているかもしれない。ちなみに今回着いたイランからの荷物なんて、いつも以上にしっかりチェックされていた。なにか危険物が入っていると思われたのだろうか。
 
 トルコのダブルムーンからやってきたのは、先にリリースした『イースト2ウェスト〜エスノ・エレクトロニック・テイルス・フロム・イスタンブール』(ライスDMR-439)ババズーラ&マッド・プロフェッサーの再注文分だが、この2タイトルも順調に売れている。特にババズーラなんて、同じ頃に発売したトルコ歌謡の最大の人気者タルカンに迫るんじゃないかと思うほどのロング・セラーだ。ダブルムーンは、日本で言ったらインディ系。そんなレーベルから登場した実験作が、トルコ歌謡の貴公子タルカンと同じくらい売れているなんて、もしトルコ人が知ったら、ビックリすることだろう。
 それにしてもトルコ音楽は、きっと日本人には親しみやすいのだろう、内容さえ良ければしっかり売れる。これほど望まれているのなら、もっと積極的に新しいアルバムを出していった方が良いのかもしれない。さっそく来月あたりからは、新しいシリーズを組んでプッシュしてみることにしよう。そう言えば、タワーレコード渋谷店の小樋山さんも<今年はトルコが来る>って言っていたし。

 

2月3日(火)
 
 朝5時に起床。解説原稿を1本仕上げて、午後からは打ち合わせに。帰宅したのは、夜の11時。もうヘトヘト。今日は本当に疲れました。

 ちなみに、今朝書いたのは『ラフ・ガイド・トゥ・モロッコ音楽』(サンビーニャ TS-19042)の解説。これが<ラフ・ガイド>シリーズでも特にすばらしい内容で、朝から仕事を忘れてじっくり聞き込んでしまった。
 モロッコは<アラボ・アンダルース>音楽の中心地。スペインから15世紀に受け継がれた高度な宮廷音楽の伝統を持ち、さらに70年代にはジル・ジラーラなど、ロック世代の新しい音楽を北アフリカで一番早くに生み出した(隣国アルジェリアのライはその影響を受けて生まれた)。さらにいまではイスラム神秘主義のトランス系音楽グナーワが注目を集めているし、地方のベルベル人による泥臭いコブシ音楽も信じられないくらいパワフルだ。こんなに多彩な音楽を持ち、さらなる発展を見せているモロッコだから、いま世界でもっとも注目されないといけない国のじゃないかと思う。
 アフリカ音楽では、『砂漠のフェスティヴァル』(ライス TUR-534)で聞けたマリの遊牧民音楽と、このモロッコ音楽がぼくの一番の関心事。今後も面白そうなアルバムが出たら、随時紹介してゆきたい。またなにか新しい情報があったら、ぜひ教えてください。

 

2月2日(月)
 
 昨日休んだおかげで、今日は少し体調が戻ってきたようだ。朝からなんとなく爽快な気分。そこで朝のうちに銀行に行って、外国送金を済ませることに。午後はその送金レートをもとに、最後の決算書類を作成。これで本当にお金の計算の仕事から離れられそうだ。

 決算が一段落ついたので、午後遅い時間には新しい事務所探しに出かけた。いくつか物件を当たってみたが、当たり前のことだけど、良いと思うところは高いし、安いところはそれなりに欠点がある。ただ、あまり高いところに引っ越して、家賃を払うために働くなんてことになりたくないから、適当なところで手を打たないといけないわけだけど、適当なところがどこなのか、自分にフンギリをつけるのは簡単ではない。どうしても考えてしまいます。
 とりあえず1件、南浦和の駅近くに良さそうなところがあったので、条件を少しでもよくしてもらえるよう、交渉してもらうことにした。いま時、保証金10ヶ月を何の文句もいわずに払う会社があるわけない。でも、それならいったいどこまでマケてくれるものなのか? 交渉の結果が楽しみです。

 今日も仕事らしい仕事まで手が回らない一日だった。こういう雑務処理みたいなことばかりやっていると、仕事らしい仕事をしたくてフラストレーションがたまってくる。これはこれで身体に良くないものだ。決算も終わったので、明日からは原稿を書いたり、イギリスでリリースする作品の英文解説をチェックしたり、たまっている仕事を進められるはず。今日はアラブものの新作サンプル(美人女性歌手ものが多数!)がいっぱい入ってきたので、CDチェックも本格的に再開しよう。昨日休んだせいか、久しぶりに仕事をやろうという気になってきた。

 

2月1日(日)

 今日から2月。本当なら新しい月のはじまりだから気合を入れたいところだけど、今日ばかりはどうにも疲れて、仕事する気になれなかった。予定を全部変更して、身体とアタマを休めることに。とにかくたくさん寝て、午後からは浅草に繰り出し、サウナに入ったり、古い映画を見たり、いきつけの居酒屋でゆっくり飲んだり…。家にいても、本を読んでも、人と話しても、仕事のことを思い出してしまうので、とにかくひとりになって、ノンビリ過ごした。

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