8月31日(火)

 ひと月で一番忙しい末日。朝から支払いなどに追われて、他の仕事に手をつけられたのはやっと夕方。明日の朝に書く解説原稿の準備を少ししたところで一日が終わってしまった。今日はサンプル盤を聞くヒマもほとんどなし。ましては自宅で好きな音楽を楽しむなんて余裕はまったくなかった。

 

8月30日(月)

 やりたいことはいっぱいあるのに、なかなか進まない一日。月末になると、支払いやら帳簿のしめやらに追われて、どうしても本格的な仕事に手が回らなくなる。おまけに今日は午後に打ち合わせも…。帰宅したら疲労困憊で、もう仕事をする体力は残っていなかった。夜は少しだけお酒を飲んで、買っただけで聞けないでいたCDを少し楽しむ。モリッシーの新作に妙にハマッてしまった。

 

8月29日(日)

 実は9月に新しいレコーディング・プロジェクトを予定しているのだが、今日は一日中そのための準備。古い音源を久しぶりに引っ張り出して、それらを片っ端から聞きながら、プロデュースのアイディアを練った。内容はまだヒミツなので詳しいことは書けないが、この調子だと9月中旬から後半にかけてはかなり忙しくなりそうだ。

 

8月28日(土)

 昨晩は久しぶりに自宅でゆっくりテレビなどを見てしまったので、今日はちょっと遅いお目覚め。雨で涼しかったこともあって、ゆっくり惰眠をむさぼった。まだ病み上がりだから、意識して睡眠をしっかりとらないといけない、ということもあるけど、こんなに気持ちよく眠れたのも久しぶりだ。

 午前中に掃除や洗濯を済ませて、午後は再びサンプル・チェック。そして夜は音楽評論家の蒲田さんと打ち合わせ。蒲田さんには、ライスUKで発売するアルバムの解説の翻訳をやっていただいているのだが、今後のリリースに向けた作業の予定などをいまのうちに話し合っておこうと思って、お会いしていただくことにした。年末までにあと2〜3タイトル、蒲田さんに翻訳をお願いすることになりそうだ。
 打ち合わせの後は、当然飲み会。話が盛り上がって、結局11時近くまで飲んでしまった。今月は体調が悪かったこともあって、こんなにお酒を飲んだのは本当に久しぶり。すごくリラックスできた。

 

8月27日(金)

 金曜日は一週間分の雑用を片付ける日。ただ、今週は前半に雑用をやってしまったので、あまり残っていない。午前中に事務所でその残りをやっつけて、午後は自宅でサンプルのチェックと原稿書きを少し。ヨーロッパの各社がいっせいに新作のサンプルを送ってくれるのはありがたいが、一度にまとまってしまうと膨大な量になってしまう。チェックするだけでもタイヘンだ。

 大昔、音楽評論家をはじめる前には、レコード会社からサンプルをもらえる評論家の先生方が羨ましかった。でも、実際にやってみたら、膨大な量のサンプルを聞かないといけない生活が思ったほど楽しいものではないことがわかった。だいたい当時、サンプルは全部カセット。だから簡単に飛ばし聞きができない。しかも、自分で選んで買ったものだけを聞いていた時代とは違って、好みじゃないものもたくさん送られてくる。『ミュージック・マガジン』で<ラテン>のディスク・レビューをずいぶん長くやらせてもらったが、当時はリリース点数がいまよりずっと多かったこともあって、かなりツラい仕事だった。多ければ面白いものが多くなるわけではない。むしろ逆で、つまらないものがただ増えただけという場合が多い。なにしろランバーダ関係だけで一度に5枚もアルバムをレビューしたことがあったのだから…。
 いまは同じようにサンプルを聞いても、その中から良い内容のアルバムを探すだけで、<評論>をする必要がない分だけラク。でも、コメントを書いていくら、という仕事ではなく、つまらないものを選んだら、結局は売れなくて、そのまま社員たちの生活に影響してくるわけだから、違った意味で責任重大なのかもしれない。面白いアルバムだって、最近は売れないことが多いのだから、つまらないものじゃ、どうしょうもない。知られざる面白い音楽を探す仕事は、いつの時代もタイヘンです。

 ポルトガルから送られてくるサンプルに、最近アンゴーラの音楽が急に多くなってきた。なんでも首都リスボンにはアンゴーラ人を中心に旧植民地の人たちが流れ込んでいるらしく、だから新しい音楽マーケットが生まれているようだ。これらは、そんな故郷を離れたアンゴーラ人に向けて作られたアルバムなのだろう。
 ポルトガル語圏ということで、アンゴーラはブラジルともつながりが深い。今回送られてきたサンプルには、ベーシックをアンゴーラで録音し、そのテープをブラジルに持って行ってオーヴァー・ダブやミックス、マスタリングをやって仕上げる、といった感じで作られた手の込んだアルバムもあった(なんとカエターノとの仕事で知られるジャッキス・モレレンバウンがチェロを弾いている!)。当然、音楽のほうもこれまでのアンゴーラ音楽よりずっと洗練されていて、言葉もわからない人がきいたらアンゴーラのそれとは思えないだろう。世界では、ぼくらの知らないところでまだまだ新しい試みが行われているということを知れるサンプルだ。
 もちろん、まだまだ試行錯誤の段階の音楽ではある。でも、成熟の局地でもうこれ以上発展の仕様のない音楽に比べたら、ずっとスリリングだ。ぼくはこういう音楽のほうが昔から好きなのだろう。こういう出会いがしたくて、つまらないものが大半のサンプルにも耳を傾ける、なんて生活を続けているのかもしれない。
 このアンゴーラのアルバムも近いうちに日本で紹介したいと思っている。そのときにはまたこの欄で詳しく紹介することにしよう。

 

8月26日(木)

 木曜日はいつものようにリスト作成日。今週はいつも以上に注目盤が並んだので、かなり豪華な内容になった。
 まず久しぶりに当社の自社制作がライスで登場。このページでも何度か触れてきた山内雄喜さんの新作の発売日がやっとやっと決定した。タイトルは『ハワイアン・マスターピース』(ライス OSR-706)。10月3日の発売だ。タイトルとおり、ハワイ音楽の永遠のマスターピースと言える名曲ばかりを収録したアルバムで、山内さんとしては原点回帰の一枚。ただ、<マスターピース>と言っても、じっくり時間をかけながら好きなように作った一枚という感じの内容だ。ファンの皆さんはご期待いただいて大丈夫と太鼓判を押しておこう。
 ところで、ご存知のようにハワイアンのアルバムは、どうしても夏に発売が集中するが、当社はあえてその時期をハズして発売することにした。営業的には夏のが楽なのだろうが、ミソもクソも一緒くたに大量のアルバムが発売される時期に競い合うのは避けたかった。今月末か来月アタマには夏向けのハワイアン・アルバムは店頭から一気に姿を消すことだろう。それからゆっくり登場するハワイアン・アルバムがひとつくらいあってもいいと思うのだが、どうでしょうか。

 今週の目玉はもうふたつあって、ひとつは昨日の<日記>で紹介した<ラフ・ガイド>シリーズのレベーティカ・アルバムだが、もうひとつがマレイシアの歌姫ノラニーザ・イドリスの新作。これまでスリアの専属として活躍してきたノラニーザが、スリアから飛び出して、どうも自主レーベル(マレイシアの配給はユニヴァーサル)で制作したアルバムのようだ。これまでのスリアにおけるノラニーザのアルバムは、パック・ンガかS・アタンのプロデュースだったが、その頃は伴奏はだいたい打ち込みがベーシックで、そこにナマのストリングスやアコーディオン、パーカッションなどがオーヴァー・ダブされる作りだった。でも、今回はまったく違う人のアレンジだ。だいたいドラムスもナマで、それもかなりロック的かつパワフルな演奏。もちろん、スタイルそのものは伝統音楽なのだが、そんなリフレッシュされたバックのサウンドおかげで、ノラニーザ姉さんの歌声もすっかり若返った感じだ。
 スリア・レコードがノラニーザを手放したのは、マレイシアにおいて伝統歌謡が売れなくなったからだが、伝統専門のノラニーザさんにはそんな態度が許せなかったのだろう。スリアを見返してやるという気概が、このアルバムではビシビシと感じられる。日本のマレイシア音楽ファンには十分に楽しんでいただける内容だ。たぶん来月中旬か下旬には店頭に並ぶと思うので、アジア音楽をお好きな方は、どうぞお見逃しないように(ライスではなくサンビーニャ印での発売です)。

 

8月25日(水)

 午前中は銀行。午後はサンプルをチェックしながら、明日のリストの準備。夕方は打ち合わせで外出という慌しい一日。夜は遅くに帰宅したが、また新しいサンプル盤が届いていたので、少しチェックした。
 
 打ち合わせでお会いしたタワー新宿の篠原さんの話によると、いまワールドでは地中海方面のアルバムの売れ行きが良いのだとか。『ミュージック・マガジン』最新号の地中海音楽特集の効果もあるのだろうが、それ以上にこの地域の音楽にまだまだ未知のものが多いということだろう。当社でもラテン音楽より、南ヨーロッパやアラブやトルコ、北アフリカあたりのアルバムのほうのが売れ行きが良い。というより、ヨーロッパでもそちら方面のアルバムが多く出るようになったので、それらを配給しているうちに、自然とそうなっていった感じだ。
 さらに9月には、イタリアのエンツォ・アヴィタビーレ、<ラフ・ガイド>シリーズの地中海もの編集盤とギリシャのレベーティカなどを発売する。<ラフ・ガイド>のレベーティカは昨日サンプルCDRを聞いたが、これまでの<ラフ・ガイド>作品の中でも異色と思えるくらい丁寧な編集ぶり。古い録音もたくさん入って、ツウのファンにも十分納得していただけそうな内容だ。ギリシャ盤を別にすれば、いま入手できるレベーティカの最高の編集盤と言っていいだろう。9月下旬には店頭に並ぶと思われるので、ファンは買い逃さないようにして欲しい。
 ギリシャ・オリンピックはもうすぐ終わってしまうけど、この国の音楽がヨーロッパで幅広く紹介されるのはこれから。当社ではすでにお隣のトルコの音楽ものを積極的にリリースしているが、これからはギリシャ音楽にももっと本格的に取り組めたらと思う。

 

8月24日(火)

 ヨーロッパのほとんどの取引先が長い夏季休暇を終えて、仕事に戻ってきたようだ。そのせいで、今日は仕事関係のメールがやたらと多い。それも、誰もストレートには書いてないものの、注文の催促という感じのメールがほとんどだ。ゆっくり休んで、やる気マンマンといったところなのだろう。もちろん、どれもこれも注文するわけにはゆかないのだけど、かといって多くの会社の商品は独占輸入させてもらっている手前、注文数を極端に減らすわけにもゆかない。そこで結局、多少無理して注文してしまうわけだけど、そうなると今度はそれをどうやって売るのか、頭を悩ませることなる。まあ、これは毎月同じことの繰り返し。でも、今月はみんなが一緒に催促してくるものだから、返事をするだけでもタイヘンだ。

 そんなわけで、今日もメールの返事を書いているだけで、午後になってしまった。それから昨日聞いたタンゴ・ヌエボの解説を書き上げて、午後遅い時間は外出。打ち合わせをいくつか済ませて、帰宅したらもう10時過ぎだ。今日もオリンピックをまるで見ることなく終わってしまった。

 

8月23日(月)

 久しぶりに一日中パソコンに向かっての作業。たまっていた仕事関係のメールの返信だけでも半日以上かかったり、解説原稿を進めたりで、忙しい一日だったが、こういう仕事は慣れているせいか、あまり疲労を感じない。今日は曇り空で涼しかったこともあるのだろうが。

 今日聞いたサンプル盤の中では、<ラフ・ガイド>シリーズの新作『ザ・ラフ・ガイド・トゥ・タンゴ・ヌエボ』が興味深かった。<新しいタンゴ>と言っても、もちろんピアソーラなんて出てこない。タンゴの全盛期には生まれてもいなかった世代が、タンゴを再発見したようなフレッシュなサウンドを楽しませる一枚だ。新しいタンゴを生み出そうという方向性は、まだまだ発展途上。だけど、タンゴの苦悩をひとりで背負ったようなピアソーラの重苦しい表情を思い出さないですむだけでも、ありがたい。タンゴも一皮むけたという感じだ。
 <ラフ・ガイド>シリーズがここのところ良くなっていることは、この日記でもしばしば触れているが、こんなぼくらがまったく知らなかった新しい動きまで紹介するようになったのだから、すばらしい。イギリス人もやるじゃないですか。そうそう、来月あたりには<地中海音楽>や<レベーティカ>のアルバムも出るのだとか。これも楽しみだ。

 

8月22日(日)

 久しぶりのお休み。先月までは40連勤なんてしていたせいで、今月初旬に体調を崩したから、これからは週に1度くらいはしっかり休むことに決めた。今日は久しぶりに部屋の掃除をしないといけないし、食材の買いだしもしないといけない。読みたい本もある。今日は仕事のことは一切考えないで、身体を休めることにした。
 と言っても、目の前にはサンプル盤とかが転がっているので、まったく仕事を忘れるわけにはゆかない。どうしても少しは聞いてしまうが、でも今日は仕事というより、純粋に楽しむために聞いている気分だ。ある会社から送られてきたモリ・カンテとか、ネイ・ロペスとか、レベーティカの編集盤などが、とても良い内容だからだ。そんなサンプルCDを聞きながら掃除。さらにCDウォークマンで続きを聞きながら買い物。もう一度聞きながら読書という感じで、音楽を楽しみながら用事を終えられた。身体もゆっくり休めることができた。さあ、明日から、頑張るぞ。

 

8月21日(土)

 そんな週の最後に相応しく、今日は税理士さんとの打ち合わせ。さらに午後も事務所で経理の雑用。でも、これでやっと経理のほうは整理がついた。お金も無事借りられることになったし、来週からはもっと実質的な仕事に集中することにしよう。

 

8月20日(金)
 
 水曜に続いて金策に走り回る。やっとお金を貸してくれるところが見つかった。午前中に話をつけて、午後は事務所に戻って帳簿の整理。今週は、実質的な仕事がほとんどできないで終わってしまった。

 

8月19日(木)

 木曜恒例のリスト作成。ヨーロッパの会社が休暇中だったり、ブラジルの新作リリースが少なかったりしたせいで、今週はトルコものの紹介が多くなった。
 当社はダブルムーンやカラン、あるいは単発でタルカンのアルバムなどを取り引きさせてもらっているが、最近はそれ以外の会社のものもずいぶん幅広く輸入することになった。おかげで毎週のようにリストで新作アルバムを紹介している。ソニーから出たセルタブも売れているようだし、このままトルコ盤を幅広く揃えてくれるお店が揃ってくれることを願うばかりだ。

 

8月18日(水)

 朝から金策に回る一日。こうも状況が悪いと、新しい仕事のための資金なんてまったく残らない。でも、それができないと会社はますます尻すぼみになってしまう。そこで再び金策に走ることにした。暑い中、あちこち歩き回って、本当に疲れました。

 

8月17日(火)

 大嫌いな役所関係の雑務と金策に回る一日。ただし役所の方は昨日と同様、大した用事じゃないのに待ってる時間ばかり長くて、ウンザリさせられた。これほど日常的に待たせるなら、もっと効率の良くなる方法を考えてもいいのだろうが、きっと待つ人のことなどまったく気にしていないということだろう。役所の悪口を言い始めると、また長くなりそうなので、今日はこの辺で…。

 

8月16日(月)

 今週は雑務仕事のオンパレード。さっそく今日がそんな一日だった。朝だけは少し自宅で仕事らしい仕事ができたが、お昼前にはハローワーク(と言っても職探しではなく、保険の登録)、午後はその続きで労務局と周り、その後は経理関係の雑用。それで一日が終わってしまった。外に出ている間はウォークマンでサンプルを少しチェックできたが、役所で待たされているときに聞いても少しも楽しく聞こえない…。

 先週病気で中止してしまったインドネシアの旅。そこですべきだった仕事の一部をインドネシアの取引先に頼んだのだが、それが少し進んだという知らせが入ってきた。やってくれているだけマシと考えたほうがいいのだろう。残りを今週になんとか片付けてくれるそうだが、でもなんとなく不安。月末にはやっぱり再チェックのために現地に飛ぶことになるのだろう。それまでになんとか他の仕事を終わらせておかないと。なんて言いながら、そこでまた無理をすると、病気になってしまう。今後はあまり切り詰めて仕事しないようにしないと…。

 

8月15日(日)

 朝から雨。おかげで涼しくなって、病み上がりには助かる天気だ。
 ライスUKの次のリリースがいよいよ校正段階に。文章は全部英文だから、日本語のようにはゆかず、なかなか進まないが、これも早いうちに慣れないといけない。今回のリリースはブラジルのカルメン・ミランダとインドネシアのサンバスンダ。カルメンは以前ライスで出したものと同じだが、サンバスンダは独自の編集盤だ。ロンドンでライスUKを共同経営してくれているポール・フィッシャーくんが選曲してくれた。藤原さんのジャケットもすごく面白いものになったし、イギリスだけじゃもったいないから、日本でも配給しようと思っている。10月後半の発売予定です。楽しみにしていてください。

 サンバスンダは昨年のウォーマッドに出ていたが、来春には再びイギリスなどヨーロッパの国々をツアーするのだそうだ。ヨーロッパでもやっとインドネシア音楽が注目されるようになってきた気配。ライスUKでもインドネシアものを積極的に出してゆくことになるだろう。

 

8月14日(土)

 今日は朝起きたときから気分が違う。やっと少し体調が戻ってきたようだ。午後になっても、熱は上がらなくなった。と言うわけで、今日から本格的に仕事開始。解説原稿のための準備などを進めた。インドネシアでやるべきはずだった仕事など、予定は大幅に遅れてしまったが、これから少しずつ取り戻したい。

 

8月13日(金)

 とりあえず病院の言うことを聞いて、今日も自宅で過ごす。ただ、仕事をまったくしないわけにはゆかないので、自宅パソコンでできる範囲の仕事くらいは終わらせる。メールの返事から、夏休みが終わりそうなヨーロッパの各取引先への注文。それと9月発売のライス盤のジャケット制作の依頼など。今日は午後になっても(熱は多少上がったようだが)アタマが痛くならない。昨日より良くなったみたいだ。薬のせいで、夜は相変わらず早く眠くなるが…。

 

8月12日(木)

 朝から病院で再検査。今日も午前中は調子が良かったのだが、検査が午後だったせいか、やはり熱が出てしまった。とにかく安静に、と言われたけど、何もしないで過ごすことが苦手な貧乏性には非常に難しい注文だ。

 

8月11日(水)

 今日も一日自宅作業。朝から解説原稿を2本とリストの原稿を書く。お腹のほうはどうも治ったようで、食欲は完全に戻った。ただ、午前中はともかく、午後になると熱っぽくなって、仕事にならない。本も読む気がしないし、CDを聞いても疲れる。音楽を聞く気がしないのが一番ツラい。

 

8月10日(火)

 病院からもらった薬が効いたのか、朝起きたらなんともう9時過ぎ。よく寝たおかげで昨晩よりさらに食欲も少し戻ってきた。こうなると身体も動きはじめる。まだ熱は残っているようだが、そんなことは言っていられない。なんとか頑張って、今週発売のライス盤のアルバム解説を仕上げる。いつもの倍くらい時間がかかってしまったが…。でも今日はこれでイッパイイッパイ。これ以上無理はできないので、後は雑用をアレコレと済ませて、夕方から身体を休めることに。

 事務所からの連絡によると、アラブ盤が入荷したようだ。サンプルも入っているようなので、面白い新作が入っていればいいのだが。

 

8月9日(月)

 夜になって病院から帰宅。熱はなんとかおさまり、食欲も少しだけ出てきた。思い出してみれば、20歳ではじめて海外旅行してから今日まで、予約していた飛行機に乗れなかったのははじめてだ。

 

8月8日(日)

 最悪の事態発生。朝起きたら、体調が思い切り悪い。熱もかなりあるみたいだ。いろいろ考えた末に、旅行を断念…。すぐに病院へ。

 

8月7日(土)

 朝早くから事務所にやってきて帳簿仕事。午後は昌くんと一緒にあれこれ細かい仕事を片付けた。本当はミキシングやマスタリングもやりたかったのだが、明日以後の仕事の準備をしないといけなかったので、そんな時間は取れない。それ以上に、身体が異常にダルく、思ったように仕事に集中できない。夜にはサッカーのアジア・カップ決勝戦があったが、アタマのほうだけ見ただけで寝ることにした。

 

8月6日(金)

 相変わらず体調は良くならない。やらないといけない仕事はたくさんあるけど、原稿書きなど、集中しないといけない仕事はどうしても手に付かない状態だ。そこで午後からは、経理関係の雑用を先に片付けることにした。夜は早く帰宅しようと思ったが、これから食事を作るのも面倒なので、知り合いの居酒屋さんで夕食。ビールを一杯だけ飲んだけど、なぜかあまり美味しく感じない。食欲もあまりない。旅行前だから体力をつけないといけないので、無理して食べたのだが。

 

8月5日(木)

 昨晩も帰宅が遅かった。おまけにオマーラ・ポルトゥオンドの新作なんかを聞いたりしたものだから、ますます遅寝。布団に入ったのは午前2時くらいだったはずだ。なのに、今朝は5時に目が覚めた。その後もまったく眠れない。まるで時差ボケが戻ったみたいだ。まあ、理由はだいたい想像がつく。疲れすぎて眠れないのだ。以前もこういうことは頻繁にあったが、今回は旅行の疲れがあるのか、いつもよりもヒドい。

 なんて言いながらも、最低限の仕事はしないといけない。いつもとおりリストを作って、昼には銀行で外国送金。その後、事務所に行って、雑務を少し。夕方には自宅に戻って、明日の原稿書きの準備。そして旅行の準備…。終わったら、もう8時だった。

 遅れていたトルコとブラジルからの荷物がやっと入ってきた。まだ一枚もチェックしていないが、ともに新作もけっこう含まれているようだ。ソニーから出たセルタブ(トルコの女性歌手)も売れているようだし、それがキッカケでトルコ音楽を聞く人が出てくることが期待できる。当社もそんなニーズに応えるべく、出来るだけ良いアルバムを探して売り出すようにしたい。ブラジル音楽もその点では同様だ。  
 またインドネシア音楽は、トルコやブラジルに比べてもさらに新しい動きが伝わってきていないジャンル。当社は日本で唯一、定期的にインドネシア盤を輸入している会社だが、それでも見逃しているものが多いのではと、いつも心配している。というのも、インドネシアのマーケットはいまもカセットが中心。CDになるのはごく一部だが、それもプレス数が少ない場合は、ぼくらには情報が入ってこない場合が多いからだ。
 日曜からはそのインドネシアを久しぶりに旅行する。今回も打ち合わせなどですごく忙しい旅だが、それでもできるだけカセット・ショップを訪れて、日本に入っていないアルバムもチェックしてみることにしたい。面白いものが見つかったときには、このページでさっそくお知らせします。

 

8月4日(水)

 朝からひたすら原稿書き。解説2本をなんとか仕上げる。体調は相変わらず良くないが、やらないといけない仕事だからそんなことを言っていられない。午後3時にやっと脱稿したときには、もうヘトヘトでした。

 夕方にはタワーレコードの小樋山さんと篠原さんと月例ミーティング。いつもどおり新宿店で待ち合わせて、韓国料理のお店で料理を楽しむ。タワーレコードも締め付けが厳しくなったようで、最近は注文を入れにくくなったようだが、そんな規制をしても、少なくともワールド・コーナーには良いことがないような気がする。時間をかけてじっくり売る商品が、他のジャンルに比べてまだまだたくさんあるのがワールド・コーナーだ。それをなくしてしまって、他のジャンルと同様、その場限りの<売り逃げ>商品ばかりがコーナーに並んでしまったら、音楽ファンだったらもう買いに行く気がしないだろう。もちろんそうなったら、当社の商品なんてどこにも置いてもらえなくなってしまう。

 新宿店で買ってきたオマーラ・ポルトゥオンドの新作を寝しなに聞く。まだ数曲聞いただけだが、まさに大人の歌という感じ。すばらしい内容に仕上がったようだ。ただ悲しいのは、売っているのが輸入盤だけということ。どうも日本盤は出ないことに決まったらしい。こんなすばらしいアルバムが日本で出ないなんて、どこか間違っている。ワーナーでも粛清がはじまったということだろう。ワールド・サーキット(ナンサッチ)をワーナーから奪い取りたい気分にかられてきた。

 

8月3日(火)

 昨晩は遅くまで調べものをしたので、さすがに今朝はきつい。なんとか起きて仕事に取り掛かったものの、こういう日は全然はかどらなくて困ってしまう。まあ疲労感が強く残っているのは、調べものより経理仕事のせいだと思うけど、いずれにしても夏は身体の無理がきかない。さらに夜は弁護士さんとの打ち合わせが思い切り長引いて、帰宅は12時過ぎ。ヘトヘトに疲れてしまった。

 というわけで、今日は楽しみにしていたサッカーも見ていない。インターネットで結果をチェックしたら、今日のバーレーン戦も前のヨルダン戦に続いてすごい試合だったようで、見れなくて残念だ。次は7日の決勝戦はなんとか時間を作って見るようにしたい。

 

8月2日(月)

 今月最初の営業日でしかも月曜日。入荷はないので事務所は平穏だが、経理担当のぼくは朝から大忙しだ。外国からのインヴォイスを全部チェックして、送金するだけでも、けっこう時間がかかる。というのも、当社はアメリカやヨーロッパ以外の会社とも取引が多いので、どの会社もしっかりしたインヴォイスを送ってくれているとは限らないからだ。
 これまでもいろんなことがあった。インヴォイスの金額をアイテムごとに細かく計算しなおしてみたら、合計が違っていたなんてことは日常茶飯事。インヴォイスと実際の入荷枚数が違う、なんてのも同じだ。そこで数が少ないことを指摘すると、次の便で残りを送るからと約束されて、そのまま入ってこないことだってあった。さらにヒドかったのは、運送会社が自分たちのミスで輸送に時間がかかりすぎたため<今回はお詫びの印にタダにさせていただきます>なんて言っておきながら、翌月にはしっかり請求に加えていたことだ。翌月になったら、もう忘れていると思ったのだろう。そんな会社とは、できたら二度と仕事をしたくない。
 朝早く起きて、そんな伝票のインチキ探しをして、全部チェックしおわったのは午後2時。それから慌てて銀行に向かって送金。今度はその資料を全部まとめて税理士さんのところへ持ってゆく、という感じで、今日は経理仕事だけで一日が終わってしまった。

 夜は久しぶりに実家へ。旅行前に相続関係の問題がやっと片付いたので、借りていた資料を返却しに行ってきた。また今度は税務署を相手に裁判をすることになりそうなので、別の資料を借りて、今晩は徹夜で調べ直しだ。明日は仕事の後に弁護士さんと打ち合わせ。ちょっとキツいけど、母親を守るためだから仕方がない。仕事は仕事で書かないといけない解説もあるし、果たして今晩眠れるのだろうか。

 

8月1日(日)

 今朝はなんとか6時まで寝られた。時差ボケはどうやら治ったようだ。体調も戻ってきたようなので、午後から外出。本屋さんで9月以降に予定している仕事関係の資料を探した。ついでに、帰宅途中にはサウナで汗を流した後、珍しく外食。海外出張中は別にして、日本にいるときは自宅で食事を取ることが多いのだが、ここのところは忙しかったせいもあって、まったく外食ができなかった。そうなると食べられないのが、ナマのお魚だ。今日は久しぶりにお刺身に舌鼓を打ちながら、おいしい日本酒を飲んだ。こういう食事をすると、日本にいることを強く実感する。

 昨日、今日と、精神的な意味での休養を取るために、間近に迫った仕事のことを出来るだけ思い出さないように過ごした。電話もせず、メールもチェックしない2日間。本当は仕事のための連絡を取らないといけない人はたくさんいるのだが、こんなイッパイイッパイの状態では、良いアイディアが沸きあがってこない。いま決めてもムダだと思ったのだ。でも、こうして2日間、仕事を忘れることができたおかげで、気持ち的にずいぶん楽になった。これで仕事をしようという意欲が戻ってくる。明日から頑張れそうだ。

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