4月30日(金) 今日は支払日。入金日でもあるんだけど、朝入金されたお金がそのまま支払いに回されてしまうからさびしい限りだ。そしてこの日は一ヶ月でももっとも慌しい日でもある。朝から支払いの準備に時間を取られ、午後では大混雑の銀行でまたまたたっぷり時間を取られ、いまその伝票整理にまたまた大変な思いをしているところ。経理関係の仕事だけで終わってしまった一日だ。 |
4月29日(木) 今日からゴールデンウィークに突入だ。5月9日まで11連休を取る人がいるというから、スゴい。きっと空港とか新幹線の駅とかは混雑していることだろう。でも、ぼくはそんな連休に遊びに行く人たちをあまり羨ましいとは思わない。そりゃ、休めること自体は羨ましいけど、みんなが旅行するときに旅行するなんて、お金もらってもやりたくないと思う。こういう時は道も電車も空いているし、静かだから、仕事をするにもってこいなのだ。特に落ち着いてやりたい仕事をするには、すごく適している。結局今日だって、しばらく休んでなかったから最初は休もうとも思ったけど、朝起きたらやることを思い出して出社してしまったし、明日から5日までもずっと仕事するつもり。大きな仕事をいくつか片付けるつもりだ。 |
4月28日(水) 今日はリストの作成日。明日が祭日なので、一日早くやることになった次第。今週は荷物と一緒にサンプルが飛んできているのだが、まだチェックできてないものばかりなので、以前から聞いてきたものを中心にリストを作ることにした。 今週の目玉は、この前の日曜日(25日)にやっと新作『アマサクル』(ライス TUR-539)が発売されて、いま各店で売れまくっているティナリウェンのファースト・アルバム。本当はもう少し寝かせておこうと思ったのだが、事情があって早く発売することになった。1999年の作品で、ジャスティン・アダムスのプロデュースで作られた一枚。割としっかりプロデュースされている新作に比べるとラフな部分を大きく残した作りだが、その分こちらのほうが野性的だ。いずれにしてもワールド・ミュージックに関心のある人なら避けて通れない1枚だろう。 どうもこのアルバムをアダムスがロバート・プラントに送り、彼らが<砂漠のフェスティヴァル>に参加するキッカケになったのだとか。プラントはこのファースト・アルバムを聞いて<砂漠のブルース>を知ったのだ。プラントやアダムスからそんな話、もし機会があったら、ぜひ聞いてみたい。 今週のリストには、ほかにもミュニール・ヌーレッティン・セルチュークの貴重ライヴの復刻や、ファイルーズのソノ・カイロ音源の第2弾(より伝統的な内容で、出来はむしろこちらの方が良い!)、インドネシアの尻振りダンドゥット娘イヌル・ダラティスタのアルバムなど、目玉商品がズラリ。それにブラジル盤ではウィルソン・シモニーニャの新作ももうすぐ出る。やっとワールド・ミュージックも新しい動きが出はじめた感じだ。 今晩はチェコで日本代表のサッカーの試合がある。普段はとても起きていない時間だが、明日が祭日でゆっくりできそうだから、見てしまうことにしよう。ジーコ、いろいろあって、かなり怒っているらしい。 |
4月27日(火) 今日は仏ブッダとインドネシアが入荷。アレシャンドラの出荷作業もあるので、朝からあわただしい。おまけにイギリスとブラジルで出荷ミスがあったらしく、そのスケジュール変更などをメールでやりとりをしたので、なおさらだ。今朝も早く事務所にやってきたのだけど、メールの返事とかに時間をとられ、本格的な仕事ができたのはやっと10時になってから。それから少し原稿を書いた後は、都内に出て打ち合わせだ。事務所に戻ったらもう6時過ぎ。もう今日はたいした仕事はできそうもない。思えば帰国してから今日まで、完全休養日が一日もない。そろそろ疲れが出てきたみたいだ。 |
4月26日(月) 昨日は薬を飲んで早く寝たので、風邪はずいぶん良くなった。もう寒気はしない。ちょっと体がダルい気はするが、これくらいなら仕事に支障はないだろう。 今週は前半が入荷ラッシュ。今日は英ワールド・ミュージック・ネットワークと仏アリオンの荷物が入ってきた。ワールド・ミュージックのほうは『ザ・ラフ・ガイド・トゥ ケニア音楽』(サンビーニャ TS-19051)がなかなかの内容。懐かしいシラティ・ジャズなどのベンガも入っていたが、それ以上に新しいヒップホップ世代の音源が4曲も聞けたのが新鮮だった。この国の音楽は最近ほとんど話題になることはなかったが、それでもこうしてぼくらが知らない間に新しい動きがあったことを知って安心した次第。今朝解説を仕上げたので、もうすぐ出荷できる。今週末にはお店に並ぶことだろう。関心のある人はぜひ聞いてみてください。前も書いたけど、最近<ラフ・ガイド>シリーズのアルバムは以前よりずっと良くなってきている。 |
4月25日(日) 昨日から急に寒くなったせいだろうか、今朝起きたらちょっと風邪気味。昨日とは一転して、体調は最悪。いちおう会社で解説原稿を1本仕上げたが、寒気がヒドくなったので先に帰らせてもらった。実は今日は山内雄喜さんのレコーディングの日。ぼくがブラジルに行っていた間にもレコーディングは続けられており、今日がいちおう4月の最終日ということになっていた。当然ぼくも参加しようと思っていたのだが、こんなに寒気がするようじゃ参加しても冷静な判断はできそうにない。無理しないで帰ることにした次第。 それにしても、一日で10度も温度が変わるなんて、この時期の日本の気候は尋常じゃない。まあ、それもずっとこっちにいれば自然に体が対応したのだろうが、常夏のブラジルにいたため体が日本の春を忘れてしまっていたようだ。これからは気をつけないといけない。 |
4月24日(土) ブラジルから帰ってきて、はじめてゆっくり眠れた。昨晩、疲れ切って床についたのが午後9時。それから泥のように眠って、朝6時に目が覚めた。まったく爽快な目覚め。ゆっくり眠れることがこれほど気持ちようものかと久しぶりに実感させられた。 こういう日は仕事もはかどる。朝7時過ぎには会社に行って、たまっていたメールの返事をやっつけて、その後はやはりいっぱいたまっていた解説原稿書き。夕方6時まで、昼食で休憩した以外は一息も抜かずに集中してコンピュータに向かった。それでも意外なほど疲れがない。やっぱり人間、グッスリ寝た後は調子が良いものなのだ。 帰宅後はブラジルで買ってきたSPをチェック。全部きれいに洗って、新しい紙袋に入れかえてからゆっくりと楽しんだ。スペインのリーガル盤が一枚あり、なんだかわからないで買ったのだが、これがフラメンコの男性歌手。ギターがメルチョール・デ・マルチェーナで、すばらしい伴奏が耳に残った。ファドものはけっこう状態の良いSPばかりで、アマリアは当社の復刻シリーズでも使えそうだ。ブラジルものではジャコー・ド・バンドリンのもっとも初期録音であるコンチネンタル盤数枚が状態も良く、かなり楽しめた(はじめて聞く曲もあった)。ぼくはこの時期の素直で若々しいジャコーが大好き。今回はその後ヴィクトルに移籍した直後のSPも2枚ほど見つけたが、そちらもまだ若々しい演奏ぶりが残っていて楽しめた。後年のジャコーは、ぼくにはマジメすぎに聞こえる。ショーロはほかに、アルタミーロ・カリーリョが自分のバンダ(ブラス・バンド)で残したものやヴァルジール・アゼヴェードの初期録音が少し。このあたりはすでに音を聞いているので新鮮味はないが、カリーリョのブラス・バンドはこれまで聞いていたLPより、このSPの方が格段に音が良く感じられた。というわけで、結果として久しぶりにSP時代のショーロを楽しんだ一夜になった。 |
4月23日(金) 昨晩は10時に寝たら、午前2時前には目が覚めてしまった。寝不足で疲れているのに、これ以上は目がさえてしまってどうしても眠れない。まだ時差ボケが続いているようだ。若いときには時差ボケなんて翌日には解消していたのに、いまでは帰国して3日めでもこのザマだ。本当にイヤになってしまう。 というわけで超早起きしてしまったので、仕方なく5時には会社に行って仕事をはじめることに。アタマがボケッとしているので、ロクな仕事はできないが、とりあえずやらないといけない仕事のいくつかは先に進める。それから9時前には用事で一度外出。打ち合わせをこなしてから、帰りに本屋さんに寄ってポルトガル関係の本をいくつか購入。ついでにCDショップにも行ったのだが、こちらでは買うべきものが見つからなかった。エリック・クラプトンのロバート・ジョンスン作品集とか、別に聞かなくても内容わかるしなあ…。 午後は来週出荷予定のアルバムの解説を書くために勉強を少し。アラブ音楽の復刻ものの中でソノ・カイロ音源のものが気になって、まとめて聞いてみた。ソノ・カイロとは、名前の通りエジプトのカイロを拠点に戦後(SPからLP時代初期にかけて)に多くの録音を残した会社で、全盛期には巨匠アブドゥル=ワハーブはもちろん、アブドゥル・ハリム・ハーフェズ、ワルダらも所属していた。そんな名レーベルの音源が、いまではアラム・エル・ファンという、新しい世代の人気歌手たちをたくさん抱える会社から出はじめたので、まとめてサンプルを取ってみたわけだ。そうして荷物が届いて驚かされたのが、このレーベルになんとエジプト進出を果たした直後のファイルーズの録音までがあったこと。おそらくは彼女の(少なくともメジャーなアラブ歌謡シーンにおける)最初期録音じゃないかと思われるから貴重だ。当社で配給している『アラブ歌謡の女神』(ライス VDR-529)もかなり初期の音源だが、こちらはそれよりさらに若い頃の録音。ファイルーズはなんともウイウイしい歌声を楽しませてくれているから、ファンにはたまらない。ポップな作品と伝統的な作品がそれぞれ別のCDに収められている(だから計2枚)が、両方ともすばらしい内容だ。近いうちにサンビーニャ・マークのシリーズで発売するので、ファンの方はぜひ聞いていただきたい。 ソノ・カイロにはほかにも貴重かつ面白い音源がたくさんある。じっくりと紹介してゆくことにしよう。 |
4月22日(木) 午前3時に寝たのに、6時には目が覚めてしまった。まだ完全に時差ボケだ。ただ、今日はそんなことは言っていられない。大事なリストの作成日だからだ。朝からインフォに目を通して、紹介するタイトルをセレクト。そこからは順調で、午後早い時間にはだいたい終わらせることができた。 今週はトルコの若手女性歌手ギュライのアルバムがメイン。さらに英ラスから出たジルベルト・ジルの初期録音を中心とした編集盤(内容はかなり良い!)、ダブルムーンからアルバムを出していたメルチャン・デデ関係の新作などを大きく取り上げた。ブラジル盤は、大物の新作はなかったが、ピアノのラエルシオ・ジ・フレイタスの娘さんであるタルマ・ジ・フレイタスのデビュー・アルバムがなかなか面白そうだ。美人だし、バックはお父さんやウィルソン・ダス・ネイヴィスらが務めているし、売れそうな要素が揃っている。ブラジル好きの皆さんはぜひ注目してください。 また、話が戻ってトルコの女性歌手ギュライだが、このアルバムは以前から注目していたものの都内のあるお店がプッシュしていたので、今日までアナウンスを控えていた次第。でも、そろそろこちらで売らせてもらってもいいでしょう。若いけど迫力のあるコブシを聞かせるすばらしい女性歌手なので、お見知りおきのほどを。 家の中はまだ旅行の後始末が全然済んでおらず、洗濯物がたまっていたり、LPやSPをまだちゃんと掃除できていなかったり。今日は少しだけでも片付けられたが、まだレコードにはまったく手が回っていない。この週末にゆっくり聞きながら、ちょっとずつキレイにしてゆくことにしよう。SPの汚れを落としたり、LPのジャケットの破けたところを直すのは、けっこう手間がかかるのだ。でも、そうしないと、どうも棚に収める気にならない。ほかのことはともかく、レコードに関してのみ、几帳面にできているようだ。 |
4月21日(水) 帰国後初出勤。さすがに時差ボケでまだ本格的な仕事はできないが、2週間の間にたまった伝票や郵便物の整理だけはなんとか終わらせた。それから新宿に出て、タワーの小樋山さんと篠原さんと打ち合わせ。行きつけの韓国料理屋さんでジンロを飲みながら、例の輸入盤規制の問題などについて話し合う。ぼくが日本を空けた2週間ほどの間にことは大きく進展してしまったようだ。 さらに3人で青山のコパ東京に繰り出して、この欄でもたびたび紹介してきた熊本尚美さん(フルート)とブラジル人ミュージシャンたちによるショーロのコンサートに。本当は時差ボケがなくなった後に、週末にでも神戸で見せてもらおうと思っていたのだが、今日のお昼に中原仁さんから電話があって、招待していただけるとの事なのでお言葉に甘えさせてもらうことにした。ぼくらが見れたのは後半だけだが、とてもリラックスした内容。でも余裕あふれる演奏だからこそ、懐の深い味わいが楽しめるという、とてもショーロらしい、そしてプロっぽい内容の公演だった。 思えば、マウリシオがはじめて日本にやってきたのは、いまから19年前の1985年。カメラッタ・カリオカのメンバーとしての来日だったが、その時には全員が楽譜とニラメッコ。あまりにガチガチに緊張した演奏で、ぼくは全然楽しめなかった(そのことを雑誌のコンサート評にも書いた)。でも、今回はまさにそのときと正反対。もちろん譜面なんてものはおかず、自由に余裕溢れる演奏を楽しませてくれた。19年の年月を感じさせる、プロらしい成熟した演奏ぶりだった。彼がこんなスケールの大きな音楽家に成長してくれたことを心から喜びたい。 公演後は、小樋山さん、篠原さんと3人で渋谷のエル・スール・レコーズへ。そこでも原田さんをまじえて輸入盤問題を話し合いながら、また少し飲んで、終電で帰宅。長旅の翌日にこんな遅くまで飲んで、明日は大丈夫なのだろうか…。 |
4月20日(火) |
4月19日(月) 今日の便はリオからまずサンパウロに行って乗り換え。そこからニューヨークでまた乗り換えて日本に帰ってくる。だからサンパウロでもニューヨークでも、乗り換えのためにたくさん待たないといけないのだが、今回はそんな2度の乗り換え待ち時間をまったく退屈しないで過ごすことができた。サンパウロで同じように乗り換え待ちをしているトニーニョ・オルタと出会ったからだ。彼の音楽はもちろん聞いているけど、会って話をするのははじめて。でも、さっそく打ち解けて、あれこれたくさん話しまくり、結局ニューヨークでは彼のお姉さんの自宅まで同行させてもらうことになった。彼はニューヨークからローマに向っていたようだが、やはり乗り換え待ち時間が長いので、ニューヨークに住むお姉さんのところで一休みすると約束したのだそうだ。ここでぼくらは朝食をいただいて、さらに音楽談義を3時間ほど続けることに。 トニーニョは、たくさんのセッションを残している人だから、正直言ってすべてのレコーディングの出来が良いわけではない。でも彼の場合、どんなフュージョン音楽をやっても、不思議とぼくはいやな気分をしないで聞くことができる。それは、やっぱり彼がミナス的な音楽をすごくしっかり体現した音楽家だからで、どんなつまらない演奏でもそんなコアの部分がしっかり出ているということだろう。ただ、彼の場合すべてが無意識だから、うまく出る時とそうでない時がある。近年では2000年にシキート・ブラーガ、ジュアレース・モレイラと共同名義で発表した『クァドロス・モデルノス』での自然な演奏ぶりが実にすばらしかった。アクースティック・ギターを弾くときの彼は、エレキのときとはまた違う独特の魅力が感じられる。 そのアルバムのことを話していたときに、今度はこんなアクースティック・ギターを中心としたアルバムをソロで作って欲しい、なんて言ったら、それじゃ一緒に作ろうか、なんて話になってしまった。実はトニーニョもミナス・レコード!という自分のレーベルを作ったところで、新作を作ろうと思っていたらしい。というわけで、自作はサンビーニャとミナス・レコードの共同作業ということになるかも。こういう偶然の出会いから生まれたアイディアは、意外とうまくゆくことが多いもの。とりあえずトニーニョは5月にシンガポールにくるらしく、ちょうどその頃ぼくもインドネシアに行く予定があるので、またどこかであって話の続きをすることにしたい。もうぼくの頭の中では、具体的にこの曲をこんな風にやろうなんて、アイディアが目覚め始めてしまっています。 |
4月18日(日) 今日も朝から良い天気。またコパカバーナ海岸に行ってしまった。今日も2時間ほど波打ち際をウォーキング。いつも朝方まで飲んでお昼まで寝ていた昔のブラジル時代からすると、こんなに朝早くおきて海で汗をかいているいまの自分が信じられない。人間、変われば変わるものだ。帰宅してシャワーを浴びて、荷造り。LPはバッグに入りそうもないので、取引先の人に郵送してもらうことにした。明日送ってもらえば、来週のアタマくらいには受け取れるだろう。その取引先の若手社員と昼食。彼が空港まで送ってくれるというので、甘えさせてもらうことした。午後4時からフラメンゴとバスコの試合があるのが気がかりだが、きっと空港でもテレビが見れるだろう。飛行機が出るのが6時15分。ひょっとしたら試合が終わるまで見ることができるかもしれない。 さあて、レコーディング旅行は終わった。帰国したら、通常の仕事を頑張ることにしよう。 |
4月17日(土) 朝目が覚めたら完璧な青空。まさに海日和だ。さっそく歩いてコパカバーナ海岸に行って、波打ち際の散歩を楽しんだ。さすがに土曜日なので、海岸は人でいっぱい。子供連れの家族が多く、みんなでゆったり週末を過ごす姿がほほえましい。そんな光景を見ながら、今日は2時間ほど散歩してしまった。肌が少し焼けたかもしれない。 お昼にはホテルに帰ってきて、午後はコパカバーナの中古レコード店で買い物を少し。土曜日は午後2時くらいにしまってしまうので、大慌てでチェックした。今日もLPはさしてめずらしいものはなし。きっとイギリスや日本から買いに来ている人がたくさんいるのだろう。日本に持って帰ってエル・スールさんあたりで高く売れそうなアルバムは一枚もなかった。ただ、だからといって個人的に欲しかったアルバムがなかったわけではない。日本では高く売れなくても、内容はすばらしいであろう貴重盤をいくつか入手できた。今回の収穫については、帰国してちゃんと聞き終わったところでまとめてご報告することにしよう。 夜はスタジオで今回の仕事の最終チェックをして、そのままエンリッキ・カゼスたちとラゴアのしゃれたバーで飲み会。ぼくが明日帰国するので、今日はお疲れ様パーティなのだそうだ。だから、御代はエンリッキたち持ち。そのせいか酒量が増えて、帰りにはけっこう酔っ払ってしまった。2次会はコパカバーナのサンバ好きが集まるお店ビッピ・ビッピで。この店にはサンバ歌手たちもよく訪れるし、彼らの古い写真などが壁にたくさん飾られていて、いつ行っても楽しい。店主のアルフレジーニョも相変わらず元気そうだった。 |
4月16日(金) 今回の旅行はどちらかというとレコーディングは少なめ。その分打ち合わせが多かったが、今日は朝にひとつ打ち合わせがあっただけで、午後からはフリーだ。まとまった時間をとることができる。そうなったら、やることはひとつ。レコード屋さん廻りだ。もちろんCDは当社でも輸入しているので見る必要はない。大好きなアナログ盤を取り扱っているお店を回ることした。 今回は、LPよりもSPが収集のメイン。となると、置いている店は(リオでは)少ない。場所はいえないけど、セントロにあるなじみのお店に行くことにした。そのお店を訪れるのは、3年ぶりくらい。当時の店員は誰もいなかったが、店主の友達だといったら奥のほうからSPをいっぱい出してくれた。ただ、今回はあまり古いものは少ない。50年代の、サンバ・カンソーン全盛期のレコードが中心だ。この時代にはラテン・アメリカのほかの国の歌謡音楽のSPも多い。だからブラジル盤以外にも買うものが多くなる。今回手に入れたのは、ブラジルものではエリゼッチ・カルドーゾやマイーザやドリス・モンテイロ。ドリスのコンチネンタル盤はけっこう持っていたが、今回は持ってない盤をいくつかゲットできた。さらになぜかファドのSPがいっぱい出てきて、アマリア・ロドリゲスのブラジル録音(コンチネンタル。アマリアの初レコーディングはブラジルだった!!)も持ってないものをいくつかゲット。それにアルゼンチンのタンゴやペリー・コモなどアメリカものも少し買って、SPはおしまいにした。値段は1枚1レアル(30円ちょっと)。1000円で30枚以上持って帰れるのだから、安い買い物だ。とりあえずホテルにSPを持って帰って、今度はLPさがし。こちらでも50枚ほどゲット(中身は秘密)して、今日の買い物を終了した。 夜は知り合いの女性と海岸通りの高級レストランで食事。こんなところに入るのははじめてだ。さすがに値段も高級で、こちらの方がレコード代よりずっと高くついてしまった。女性と一緒だと、男はどうして見栄を張ってしまうのだろう…。 |
4月15日(木) リオに着いてから、雨が降ったと思ったら急に晴れたり、変な天気が続いていた。でも今日あたりから天気はよくなってきたようだ。こうなると、コパカバーナ海岸にはたくさんの人がやってくる。週日だというのに、なんでこんな多くの人が遊んでいられるのかといつも不思議に思うが、これがリオ・デ・ジャネイロなのだろう。実はぼくも今日はレコーディングがお休み。そこで午後の打ち合わせの前に少しだけ海に行ってきた。水は浴びなかったけど、海の匂いをかいでいるだけでも気持ちが良い。 ぼくは最近、ブラジルに来る前に最小限の人にしか滞在日程を伝えない。誰か一人に会うと、ほかにも会わないといけない人がでてきてしまうし、正直言って会いたくない人も多いからだ。でも、なぜか知らないけど、ぼくがリオにいることは大勢の人にバレていて、いつも同じホテルに滞在するものだから、そこに電話してくる。今日もそんな電話がいくつかあって、閉口してしまった。その多くは、CDや歌手の売り込み。でも、多くの場合はどう考えても売れないものばかりで、断る言葉を考えるだけでも疲れてしまう。 そんな中で、会えると思わなかった人と偶然出会った。しかも嬉しい再会だ。それはギタリストのクラウジオ・ジョルジ。ホテルの近くの横断歩道を渡ろうとしていたら、横から突然ぼくの名前を呼ぶ人がいるのでビックリしたら、それが彼だった。クラウジオ・ジョルジは、かつてカルトーラとも共作を残したほどの作曲家で、一流のセッション・ミュージシャンとしても知られているが、最近はカリオカ・ジスコというサンバの専門レーベルですばらしいアルバムをプロデュースしている(一部は当社でもディスビュートしている)。つい最近は、ルイス・カルロス・ダ・ヴィーラのアルバムを手がけており、ちょうど出たばかりだから、日本にも入っているかもしれない。そしてそんな彼が、なんと月からは久しぶりのソロ・アルバムの録音に入るというから、期待しないわけにはゆかない。7月あたりには完成するそうだ。出来上がったら、また当社で配給させてもらうことにしよう。そうそう、ぼくがディストリビュートしたいと思うアルバムは、売り込みになんてこなくても、ぼくの方から勝手にコンタクトを取る。それがぼくのスタイルだ。 午後はスタジオで録音したデータを整理。さらに打ち合わせ。夕方にはホテルに戻って、今日も早く寝ることにした。あまりに何度も滞在しているリオでは、いまさらどこかを観光しようなんて気分にはまったくならない。夜はホテルでゆっくり読書。そして10時に就寝。なんと健康的なのだろう。 |
4月14日(水) 今日は朝早く起きて、リストの原稿を少し。出発する前に作っておいた部分もあるので、今朝の仕事はそれほど負担にならなかった。そして午前10時からは昨日と同様、スタジオでレコーディング。昨日録音したベーシック・トラックにオーヴァー・ダブをするのが今日の仕事だ。ベーシックがうまくいった時のオーヴァー・ダブは手間取らない。今日はまさしくそんな感じ。夕方までスタジオを押さえていたのに、午後早い時間で全部終わってしまった。こういう時には、無理してほかの仕事をしてもしょうがない。みんなと一緒に近くの飲み屋さんで乾杯した方がいいだろう。ブラジルに到着した土曜日以来のアルコール。そして後はホテルでゆっくり。 そんなお疲れさんの一杯を飲んでいる時にエンリッキから聞いた話だが、ブラジルでショーロが少しずつ新しいファンを獲得しているようで、ブラジリアの<クルーベ・ド・ショーロ>では毎週リオから有名な音楽家を招聘してコンサートを開いているのだそうだ。エンリッキはちょうど先週ブラジリアに招かれて公演したそうだが、驚いたのは、持っていったCDが思った以上にたくさん売れたことだとか。ショーロのCDは、通常のCDショップではそれほど置いているわけではない。自主制作、あるいは独立レーベルのものなどは、演奏した本人が売っている場合が多いのだが、そんな貴重なCDなのに、リオでは最近さほど売れないのだとか。それがブラジリアで売れるのは、そこにファンが育ってきたことの証明だろう。もちろん、ブラジリアの住民の多くが官庁に勤める給料の安定した人たちであることと関係しているのだろうが、それにしてもショーロが新しいマーケットを(たとえ小さいものだとしても)獲得しようとしていることは間違いない。これは嬉しいニュースだ。 なお、<クルーベ・ド・ショーロ>はミナス州のジュイース・ジ・フォーラにもあるらしく、エンリッキは近いうちにそちらでも演奏するらしい。ショーロは大ヒットしたりすることはないが、一度好きになったら忘れられない音楽だ。さらにファンの輪が広がってくれることを願いたい。 ショーロといえば、いま日本ではブラジルの一流音楽家たちによるショーロのコンサート・ツアーがはじまろうとしているはず。こちらもどうなっているか、気がかりだ。ぼくも帰国したら見せてもらおうと思っているが、きっとすばらしい内容になることだろう。関心のある方は、共演しているフルート奏者の熊本尚美さんのホームページをチェックしてください。 |
4月13日(火) ブラジルに来てはじめてゆっくり睡眠。昨日は10時に寝て、今日はしっかり6時過ぎまで眠った。こういう日は朝から気分がいい。コンピュータを取り出して、この日記やほかの原稿などもチェック。さらにリストの準備などもして、スタジオに向かう9時半までにたくさんの仕事をこなすことができた。 10時からのスタジオ作業は、本格的なレコーディング作業。朝から新しく録音する2曲のベーシックを録った。内容はまだ秘密なので詳しく書くわけにゆかないが、2曲ともまずまずの内容。さらに午後にはジルセウ・レイチらに来てもらって、ソロ・パートもかぶせはじめることができた。ジルセウは、当社で配給している『ビートルズ・イン・ショーロ』(サンビーニャTS-24037)などをお聞きになった人はご存知のように、フルート、クラリネット、バス・クラリネット、各種のサックスをすべて演奏する珍しい人だ。今日もクラリネットとバス・クラリネットのひとりデュエットをやってくれたり、大活躍だった。 そんな感じでレコーディングはうまくいったのだが、どうも時差ぼけはまだ解消されていないようで、イヤになる。午後になると眠たくなり、それが過ぎると目が覚めてしまう、という感じ。眠くなるのが午後遅い時間になったので、少しはよくなっているのだろうが…。というわけで、今日も仕事が終わって食事をしたら、すぐに就寝。ブラジルに来てから、かえってアルコールもあまり飲んでいないし、すごく品行方正な生活だ。 |
4月12日(月) 昨日は午前2時就寝だったのに、今朝は5時半に目が覚めてしまった。まだ時差ボケが続いているらしい。若いときには12時間の時差なんて、一日で克服できたのに…。 なんてことは言っていられない。今朝からレコーディングのスタート。午前9時にはスタジオに着いて、準備をはじめる。今回制作しているのは、エンリッキ自身のショーロ・アルバムで、実は一昨年からやっていたのだが、8割がた出来上がったところでぼくが多忙になり、中断していた。だから今回の旅行で新しく録音するのは2曲だけ。一部の曲でオーヴァー・ダブをする予定だが、いつもにくらべたら仕事の量はかなり少ない。だからその残った時間を、次のプロジェクトの準備に当てよう、というのが、ぼくの計画だ。 今日はエンリッキ自身によるカヴァキーニョのオーヴァー・ダブと、パーカショニストのオスカル・ボローンがさまざまな楽器をオーヴァー・ダブ。ボローンは、エンリッキも所属していたコンジュント・コイザス・ノッサス出身のパーカッショニストで、カイシャ(スネア・ドラム)など古い楽器のスペシャリストだ。前回の録音でも参加してもらいたかったのだが、どうしてもスケジュールが合わず、やっと今回実現することができた。彼はラダメース・ニャターリ楽団などで活躍した名ドラムス奏者ルシアーノ・ぺローニの弟子でもあり、2001年に亡くなったペローニのドラム・セットを受け継いだ。今回はそのうちシンバルだけを演奏してもらったが、さすがに年季を感じさせるすばらしい音だ。CDが出来上がったら、チェックしてみてください。 そのボローンがブラジルのパーカッションの教則本を書いたと言って、持ってきてくれた。見せてもらったら、教則本なのにそれぞれのジャンルの歴史や重要人物の紹介などにもスペースを使われていて、ぼくら日本人が読んでも楽しめる内容だ。ボローンは2冊くれたので、帰国したらさっそくどこかの出版社に売り込んでみることにしよう。 |
4月11日(日) 朝は3時に目が覚めた。完全に時差ぼけだが、2日めだからはしょうがない。でも、この日さえ乗り切れば、12時間の時差も克服される。朝は、せっかく早く起きてしまったので、仕事を少し。さらに日が昇ってからは、ホテルの近くのコパカバーナ海岸に行ってウォーキングを楽しんだ。海岸には日が昇った直後からウォーキングやジョギングをするためにたくさん人が集まっている。ただ、コパカバーナの住民は、もうすっかり高年齢。今朝もお年寄りが目立った。この町で生まれたボサ・ノーヴァがリオの若者たちに<お年寄りの音楽>と言われるのも無理ないと、コパカバーナに滞在するといつも思う。 午前10時からエンリッキのレコーディングの打ち合わせ。スタジオはすでに手配してあるのだが、ミュージシャンの人選が一部遅れていたので、今日決定させる。さっそくエンリッキが各自に電話して、時間もフィックス。これで来週の仕事は、スタジオの器材さえトラブルが起きなければ順調にゆきそうだ。 午後はサッカー。なんとフラメンゴとバスコというリオの2大ティームの激突だから、町中がタイヘンな騒ぎだ。誰もが気が気でないという感じ。結局フラメンゴが2対1で勝ったのだが、来週にもう一度対決があって、今度はフラメンゴがアウェー。まだまだ勝負はわからない。 夕方からは80年代を代表するロック・バンド、チタンスのリーダー、シャルレス・ガヴィンと久しぶりの再会。彼はサンパウロの出身だが、リオにも家があって、基本的にこちらにいる時間のが長い。高級住宅街であるレブロン地区のマンションの最上階を3階分占領したすばらしい家で、さすがにスターは違うと思わされた。ただ、そんなすばらしい家も、だだっ広いリヴィングがレコードに占領されてしまっているのだから、楽しい。彼との話は、もちろんそんなアナログ音源と、その復刻プロジェクトについて。最近の彼のプロジェクトには、ずっとぼくも協力させてもらっているが、今年もまたいくつかのプロジェクトがありそうで、今後はさらに緊密に連絡を取り合ってゆくことになりそうだ。 ガヴィンとは午前1時までビールを飲みながら歓談。疲れ果ててホテルに戻ったのが午前2時。時差ぼけを治すどころが、予定より遅い時間まで起きていてしまった。 |
4月10日(土) 朝8時過ぎにリオ・デ・ジャネイロ国際空港(ガレオーン空港)に到着。今回はダラスとマイアミの経由だったけど、丸一日以上の旅は、やっぱり疲れる。空港ではベト・カゼスくんがお出迎え。彼と一緒に、まず彼の家へ行って早くもビールを飲んで、次にエンリッキ・カゼスの家に行ってお昼ごはん。ここでもビールやビンガなどをたくさん飲まされた。ベトもエンリッキもまだ飲み足らなさそうだったけど、ぼくはあまりに疲れを感じたのでホテルに行くことに。午後7時にはもう眠っていた。 |
4月9日(金) 朝から旅行の準備。いまお昼過ぎだけど、これから空港に向かうところだ。長い空の旅は疲れるけど、ゆっくり本を読めるし、悪いことばかりではない。昨日のマッサージが少し効いたのか、ちょっとだけ体が軽くなった気分。昨晩はゆっくり寝れたし、これなら今晩はゆっくり本が読めそうだ。 無事インターネットが接続できたら、ブラジルからも毎日日記を送る予定です。現地にいないとわからないようなニュースもあるかも。どうぞお楽しみに。 |
4月8日(木) リストは昨日から作りはじめていたので、午前中には終了。午後には買い物と打ち合わせが2本。その後に事務所の近くでマッサージをしてもらった。ただ、かなりゴチゴチにはっていたらしく、ここまでヒドいと一回くらいでは治らないのだとか。でも明日からブラジルだし、通うわけにはゆかない。帰ってきて時間が取れたら、また来ることにしよう。夜は疲れてグッタリ。ご飯も食べないで寝てしまった。 |
4月7日(水) 昨日に続いて、肩こりがヒドい。だましだまし原稿を書いたり、会社の雑務をこなしたけど、夕方にはとうとう我慢できなくなった。明日あたり、もし時間が取れたら、マッサージにでも行きたい気分だ。生まれてこのかたマッサージなどをやってもらったことはないけど、ここまでヒドいと仕方がない。もう若くないということでしょう。 |
4月6日(火) 今朝も相変わらず肩こりがヒドい。もう痛いのを通り越して、重くなってきた感じ。動くとかなりツラい。でも、だからといって、旅行前だから、今日も休めない。我慢するしかありません。出勤前に銀行や郵便局で用事を済ませて、午後は運送会社の営業と打ち合わせ。午後は旅行に使うためのものを少し買い物した。靴下とかパンツは、なぜか旅行の前くらいしか買おうと思わない。今日はそれにTシャツも少し購入。まあ、このあたりはブラジルで買えばいいんだけど…。 |
4月5日(月) |
4月4日(日) 今日も朝から山内さんとレコーディング。今日はさらに石川優美さんと上原まきさんが加わって、グリークラブ風のコーラスの曲を録音した。外は雨ですごく寒かったが、スタジオでは春っぽい、明るいサウンドができあがった。当社のアルバムを熱心にお聞きになっているファンはご存知のように、彼女たちには以前『山内雄喜プレゼンツ・ハワイ音楽物語』(ライス OSR-405)でも参加してもらっている。ともに山内さんのお弟子さんで、いまでは山内さんのバンドのメンバーとしても活動しているのだそうだ。さらに上原さんの方は山内さんとハワイアーナというユニットを組んでアトンさんからアルバムを出しているし(最新作『スウィング・スイート』は次の日曜日の発売!!)、石川さんの方はいまアロハ・シスターズというコーラス・グループをやっていて、なんといまデビュー・アルバムのレコーディング中(こちにも山内さんは参加されているらしい)。こちらも夏までには出るのらしい。このように山内さん関係の人たちのアルバムがいろいろ出るのは、本当に楽しみだ。 |
4月3日(土) |
4月2日(金) |
4月1日(木) |