いまのブラジリアン・ソウル〜ジャズ・シーンのリーダー的存在といえばこの人、エジ・モッタ。1990年のソロ・デビュー以来、国内のトップ・アーティストとして第一線で活躍してきたほか、モンド・グロッソやインコグニートの作品にシンガーとして参加するなど、国外でも活躍を見せてきたことはご存じの通り。ライス・レコードからは、そんな彼が昨年リリースしたスタジオ盤『アイステルン』を国内発売し、ご好評を頂きました。その『アイステルン』から１年、エジが提示した新作は、なんと２枚組のアオ・ヴィーヴォ（ライヴ）でした。
　エジの熱烈なファンの方ならお気づきかと思いますが、本作のジャケットは2004年にリリースされたＤＶＤ作品『ED MOTTA EM DVD』（TRAMA 8085）のデザインを踏襲してます。そしてそのデザインと同様、本作に収録されているのは、その『ED MOTTA EM DVD』の本編に収録されていたライヴ・パフォーマンスをＣＤ作品として再収録もの。もちろんＣＤ化にあたり、ＤＶＤ版とは違うマスタリングを施し、オーディオ作品に相応しいサウンド・クォリティに整えられております。なんでもエジ自身、このライヴ・パフォーマンスが大変気に入っているそうで、ＣＤ作品としても是非リリースしたいと切望していたとのこと。
　収録されているのは、エジの2003年リリースのアルバム『Poptical』を中心にしたレパートリー。ギター、ベース、キーボード、ドラムスというシンプルな編成ながらテクニカルな伴奏をバックに、ソウルフルなエジのヴォーカルが冴え渡る90分強のライヴ・パフォーマンスがしっかりと収録されています。そして最後にはゲストでラテン・ジャズ界の大物女性歌手／鍵盤奏者タニア・マリアが登場し、エジとの熱いヴォーカル・バトルを繰り広げ、ライヴは幕を閉じます。
　まさにエジのパフォーマーとして魅力がたっぷりと味わえるお買い得な２枚組。ブラジリアン・ソウルの神髄に触れてみてください。